ZX-10R エンジンの調子が悪いとのことで入庫していただきました。
画像では既に整備が始まっていますが、その前に試運転。
オーナー様曰く「2000rpm程度より上に吹けないことがある」とのこと。
今までの整備経歴を鑑みると、だいたい電気かなと当たりはつきましたが、移動の為乗ってみたら案の定、たまに失火したのでプラグでほぼ確信。
これが常時失火していればプラグとその他の箇所も怪しむのですが、たまにだったのでまずはプラグが第一優先。
そして出てきたプラグがこれです。(ピンぼけですみません)
左が新品、右が装着していた物。
中心電極も接地電極も字のごとく消耗してます。
電気の行き来で物質が削れるのですから、なんか凄いですね。
昔「火の鳥」で見た、したたり落ちる滴で何年もかけて岩を彫り石造を作るシーンを思い出しました。
ちなみにイグニッションコイルは良好でした。こっちもいつも確認します。
エアフィルターも同時交換。上が古い方、下が新しい方。
エアフィルターってだいたい空気が一番よく当たる場所から汚れていくのですが、これは全体満遍なく汚れていますね。
なんと言うか、すごく頑張ったなぁと思います。
お疲れ様でした。
ちなみにエアクリーナーボックス内はこの様に。
画像ではわかりにくいですが、実物はこの20倍汚れていました。
まぁ油分に空気中のチリなどが纏わりついたものがこんもり堆積してる感じでしたね。
これを拭き取る一発目はなかなか勇気が要ります。
個人的にはお風呂の排水溝に溜まった髪の毛を素手で掴むほうが若干マシです。
でも汚れが染みついてるわけではないので、清掃後は大変綺麗になりました。
そしてこれは整備内容には含まれていないのですが、念のため見てみたインテークバルブのカサの部分です。
スロットルボディからのぞき込んでいます。
バルブのカサに黒いカーボンが堆積しているのが見えます。
ここにあるということは当然、EXバルブにもピストントップにもあるということ。
つまり、汚れていますね。
これはエアクリーナーボックスカバーに取り付けられているセカンダリインジェクター。
まぁ増援みたいなものですね。
個人的には「そうなのか!」と思った時もありましたが、
現行車に採用されていないことを考えると「そうなのかぁ・・・」という感想です。
まぁエンジンはそんなに単純じゃないということか、デメリットの方が大きかったのかもしれません。
性能面、保守面、コスト面など。
性能と耐久の相反することを満足行く程度で両立させるのは生半なことではないですね。
この後、エンジンオイルの交換その他細かい整備も行い作業終了。
問題解消し、非常に好調になりましたとさ。
めでたしめでたし。