ある日の事
母が買い物にいって
お店で近所の主婦と井戸端会議に。
今日は烏鳴きが凄かったねぇ
うんうん、凄かった
そんな話がでたけど
母は相槌が打てなかった
そして数時間後
すぐ上の姉のお京ちゃんが
窓からずーと外を見ていて
あー フワフワ、火の玉が飛んでる❗
どこどこ?
私にゃ見えません
指差すんですよ
西から東に。
そうしたら
ガラガラ、ガシャン
台所で
棚から
鍋がひとつだけ落ちました
地震でも落ちないのに
地震でもないのに
ひとつだけ、鍋が落ちた
気持ち悪いね
烏鳴きも悪かったっていうけど
今日は全く烏の鳴き声聞いてないんだよね
そして
電話が鳴りました。
母方の祖母の訃報を知らせる電話でした
心臓麻痺でした
うちの田舎の方では
烏が異常に鳴くとき不幸がある
不幸がある家には
鳴き声が聞こえないって。
まさにその通りでした
お京ちゃんが見たという火の玉
本当でばっちゃんの魂だったのかも。
鍋は何故落ちたのか?
数ヵ月後
母は母の下駄を持ってお山へ。
(地元は恐山をお山って言います。実家から恐山はすぐです)
お葬式が終わってから
新品の桐の下駄が出てきたのです
それを納めに行ったのです
そして
イタコの口寄せを頼みに。
口寄せによれば
ばっちゃんは会いに来たそうです
台所で鍋を落として
来たことを教えたって。
そして
8、二番目、水気を付けろ
と次げたそうです。
母は9人兄弟、兄を亡くしているので
一番上です
弟たちは漁師です
すぐ下の弟に気を付けろと言ったそうです
夏の事です。
兄弟の下から2番目の弟
その子ども
私の従弟ですね
港で遊んでて、落ちて亡くなりました
人懐っこい子でした
2番、水
もう一つありました
数年後
漁師にならず船大工を目指して
頑張っていた従兄
船を持つということで
自分の家船だから一緒に乗ることになったのです。
その夏、従兄は無線の免許を誇らしげに見せてくれました。
船に乗り始め、翌年の事だったと思います
海に落ちて見つからないって❗
何があったのか。
海老篭を落とすよう指示して
おじさんは舵を取っていたのです
おじさんは、従兄の立ち位置を気にして
足がロープに絡むと持っていかれるから
気を付けろよ!
そう声をかけて、振り向いたら
従兄の姿はなかった。
まだ17歳、早すぎます。
ゴムのツナギは
落ちた時に空気が入ると
浮き輪見たいに足が上に浮いて
頭を上げるのが難しくとても危ないそうです
落ちてすぐなら
浮いてる足が‼
おじさんは
走路と周辺を何度も何度も探し
仲間も捜索してくれたけど
見つかりませんでした
遺体がないまま
遺影が飾られていました。
おじさんは
母のすぐ下の弟、2番目です
水の事故です
母は兄弟ばかり気を付けろよって言ったけど、子供の方だったかと。
従兄はしばらく見つかりませんでした。
警察から何度か連絡を貰って。。。
でも違ったそうです。
ある晩、おばさんは夢を見ました
従兄が夢で教えてくれたんだって。
今度、連絡もらったら、俺の骨だから引き取ってくれ。俺の骨だったら、色を変えるから。
おばさんは、
夢を見たあと、連絡がきて引き取りに行きました
骨で解るの?と思うけど
おばさんが骨を見たら、ピンクに色が変わったそうです。
不思議な話です。
もしかしたら、全く他人の骨で
従兄は誰かに助けられて
記憶喪失のまま元気に生活してるかもしれない。
でも、おばさんが信じたなら
それはそれで良かったのでしょう
おばさんは、色々あって心労が重なって
辛くなったのか、自害してしまいました。
今は親子3人で仲よくしてると思います。
なぜ3人か、数年後おじさんも自害したからです。娘を息子にたくして。
おじさんの自害の訳はまたいつか。