自分が育てると決めて飼った犬は
離婚をきっかけに
今は両親の住むお庭付きのおうちで
私の両親とレトリバーと一緒に暮らしています。



畑の広がるのどかな町なので
アスファルトではなく
草と土を足の裏で感じられる道が多く、


のびのびと楽しそうに過ごしているのが
おしゃべりはできないけれど
犬の表情から伝わってきます。



でも、私自身は
生涯守ると決めて飼った犬を誰かに渡している間は常に罪悪感に苛まれており

一度とりあえず
犬をマンションに連れ帰って1ヶ月でも数週間でもまた一緒に暮らしてみようと思い、

実家に久しぶりに行って犬を迎えにいきました。




何日もなんにちも
この結論を出すまでには考えて

まず連れて帰ってみよう!
きっとなんとかなる!

というのが私の答えのはずでした。



でも、実家の芝生の上で
のびのびと日向ぼっこをして、
庭を得意のダッシュで駆け回る姿を見て

私の気持ちは揺らぎ、

自分の罪悪感を消すという自己中心的な考えから
犬を連れ帰るよりも

犬が楽しく過ごす時間を確保してあげることの方が大切なんじゃないかと


ずっと迷いました。



朝実家を出発するつもりでいたのに
悩むうちにお昼を過ぎて

「とりあえず連れて帰って二人暮らしをしてみる」という始めの結論に戻り、

犬と一緒に車に乗せてもらって
駅を目指しました。




だけど、私は結局
犬を車に残して、1人で電車に乗りました。



理由は
死にたくなった時に
この子がいると死ねないから。



それから

精神的に不安定な私と暮らす犬が

精神的に不安定な親と暮らしていた小さい時の私と重なって

可哀想になったから。



私みたいになるなんて
可哀想だから。





私の父の母親は
夫に死なれた後、子供達を親戚に預けて
自分では育てませんでした。


そうして
親戚に育てられた私の父は
子供をうまく育てられませんでした。


そしてその娘である私は
夫に離婚された後、犬を親戚に預けて
自分では育て………



これを隔世遺伝と言うんですね。


親を直接見てきた子供は
親のようにはするまいと思って
親とは違う行動をとるが、

親を直接見てこなかった孫は
不思議と親と同じ行動をとるのかな。

その血に流れている遺伝子に
「子供を捨てる」
と、書き込まれているのかもしれません。




そうなりたくないと思ったから
犬を迎えに行ったけれど

犬の幸せを考えたら
私とはいない方がいい。


生き方も遺伝するんですね。
同じ遺伝子を持つんだから
同じようにしか生きられない。