ピストを作ろう!~駆動系を研究~

フレームとフロントフォークが組み上がったところで一番重要なのが駆動系をどのようにセッティングするかです。
駆動系というのは進むための(動力源)重要な部分です。

動力順です。
①ペダル→②クランク→③チェーンリング(ボトムブラケット)→④チェーン→⑤コグ
それぞれの部品の選び方により、走り方や動作なども変わります。
今回のピスト作りは「トリック」をするための仕様にするため、強度と軽量が両立したアイテムの選択になるかと思います。
まずは、動力順に選んで行きます。
①ペダル
アルミや樹脂などにより、基本軽量になってますがその中でも強度があるのが、BMX等で多く使われている樹脂製のペダルになります。
さらに激しい動きや、走行するのにはペダルと足が一体化していた方が安全なため、通常はトゥークリップを装着しますが、スニーカーなどヨコ幅のある靴だとクリップの中に上手く収まらず、足下が不安定になります。

さらには、トリックをするのにとても危険です。そこで、ヨコ幅サイズがあるスニーカーを上手くホールド出来るのは、ベロクロ式のペダルストラップをオススメします。

ペダルから次に動力と伝えるのは、
②クランクの役目。
クランクもロード系タイプ(アルミ製などで軽量)とBMX系3PC(ピース)タイプ(クロモリ製や各部品が単独構造により強度が増)などがあり、
これもまた強度の高い3PCタイプが良いです。

③チェーンリング
ロードタイプのクランクはチェーンリングを支える5本のバー形状からチェーンリングを繋ぐ5つの専用ネジで構成されており、強度としてはイマイチです。

また、PCD(中心軸から固定する専用ボルト穴までの長さ)が130や144などメーカーによって様々あるため、購入時はクランク自体のPDCのサイズを調べておかないと
気に入った歯数のチェーンリングが必ず装着出来るとは限りません。

3PCは、アクスル(軸)とチェーンリング、クランクを3つの部品で支えあっており、それぞれが独立しています。

また、チェーンリングの歯数はコグの歯数と連動し、ギア比が決まるため、これらチェーンリングの歯数選びも重要です。
これらクランクをさらに支えているのがBB(ボトムブラケット)があります。
この部品はフレームの下部に格納されているため、あまり目立たない部品ですが、人間で例えると心臓の部分にあたります。
ロードタイプと3PCタイプでは使えるものが違います。

写真手前(シルバー色)のモノがロードタイプ用BBでアクスル(左右に出ている軸)がテーパー(平)タイプになっています。
これもクランクを取り付ける際に注意しなくてはならない点です。
胴回りの直径サイズも68mm(JIS規格)と70mm(イタリア/カンパニョーロ規格)ものがあり、多くは68mmものが支流です。
写真奥(ブラック色)は3PC用でアクスルと左右の部品(グリーン部分=ベアリングが格納)が別々になってます。
また、BMX系で多く使われていることもあり、直径サイズが様々あります。
ピスト系のフレームは直径サイズが68mmあることから同サイズなのは「ユーロBB」と言われているBMX用BBは装着出来ます。
※他にBMX系用にはアメリカンBB、スパニッシュBB、MID BBなどがあります。(サイズ/規格違い)
④チェーンとは、チェーンリングとコグを繋ぐ大動脈みたいなものです。
ピスト用のサイズは1/2x1/8(厚歯用)を選びます。
コマ数は多い方がいいですが、100コマ前後あれば入ると思います。また、BMX用と同じ規格なので強度はそれなりにあります。
最近では色付きなどもあるため、フレームカラーに合わせても良いかもしれません。

最後に⑤コグですが、これがいわゆる"シングルスピード"の語源ともいわれ、歯数でギア比が決まり1種類(1枚)のみ装着できます。
サイズは13~23歯(T)があり、チェーンリングの歯数との組み合わせで比率が決まります。
個人的には2.7ぐらいのギア比がしっくりきます。(個人差があります)
ギア比 計算器

ピストは固定とフリーが選べ、固定は字のごとくバックするとタイヤに連動してピスト本体までバックします。
コレを応用して、走行中にペダルをバックにこぎ直すとタイヤがロックされ、路面とタイヤが擦れブレーキ代わりになります。(いわゆるスキッドと言われています)
フリーはベアリングが内蔵されているので、バックにこぐと空回りします。下り坂などには一休み出来るのがこのフリーコグの特長です。

次回はそれぞれを選択、セッティング・装着してみます。