経済人類学者カール・ポランニーは、今まで人類が経験した、経済の類型を3つのパターンに分類している。
①市場経済
現在の世界経済の在り方が、これに該当する。商品には代金という、「有償」の見返りが伴う。
②再分配経済
これは、豊かな社会階層から税金を取り、その資金で貧困層に対し、福祉・教育制度を拡充し、適用するといった、国家による経済運営の制度である。豊かな地域から税金を取り、道路建設等の公共事業を貧しい地域に対して行うという、日本型福祉国家もこの類型に入る。
この場合、要になるのが、国家による経済支配・コントロールである。
③贈与経済
贈与経済については、マーシャル・サーリンズ等による研究書が多数出ているが、日本のお歳暮、お中元等が、その典型となる。
贈与経済には、市場経済のように貨幣の支払いと引き替えに、商品・サービスを要求する「有償」の仕組みは無いが、贈与を受けた側は、その贈与に対し「負い目」を負い、何らかの優遇措置を相手に対し、取らなければならない心理状況に追い込まれる。これは、お中元等に典型的である。
市場経済と異なり、贈与は「無償」が基本となる。
周知の通り、1929年の世界恐慌によって、①の市場経済が欠陥だらけであることが暴露された。
それ以降、②の再分配経済によってその欠陥を補ってきたが、近年のリーマンショックによって、この市場経済が抱える欠陥が再分配経済で補えないきれないほど「致命的」であることが暴露されてしまった。
これは、①+②の経済方程式がもはや成り立たない時代に突入したことを意味する。
残るは贈与経済である。
昨今話題になっている「タイガーマスク」プレゼント運動。
伊達直人を名乗ったランドセルの贈り物があったというニュースを皮切りに、全国に伝染しつつあるタイガーマスク・ムーヴメント。
税金による富の再配分が機能していない以上、直接やるしかない。発想の転換である。日本の政界に期待できることは何ひとつない今、我々にできることは「贈与」である。
もし、日本国民1億3千万人がこのムーヴメントに参加し「贈与」し合ったら、どうなるのか?代金という「有償」の見返りなしに物資を与え合う。お互いが「無償」で与えあう。今まであり得なかった経済のフォーマットである。
これはある意味で庶民革命とも言える。そして、これこそまさに創造的破壊である。