「イノベーション」という言葉を多くの場面で耳にするようになった昨今。今日はこの「イノベーション」をキーワードに、国際競争のトレンドについて考えてみたい。


近年、米Apple社やGoogle社が「スマートフォン市場」で熾烈なシェア獲得競争を繰り広げている。言わずと知れたApple社の「iPhone」、「iPod Touch」、「iPad」が猛威を振るう中、Google社が繰り出してきた「Android」も急成長という、まさに今もっとも熱い市場=マーケットである。



Destroy & Creation-iPhone


自分自身、あまりこの分野に精通しているわけではないが、今後の動向には非常に興味深いものがある。というのも、こういった世界規模の市場で繰り広げられる国際競争が熱を帯びている一方で、日本の企業はこの分野で完全に乗り遅れているように思うからだ。それは「したたかさがない」からだと一言で済まされればそれまでだが、それ以上に日本の組織の在り方、日本人のものの考え方=思考モデル=パラダイムに根本的な原因がある。


例えば、データセンタを例にとると、分かりやすいほど日本と世界の考え方は違う。日本では空調、電源設備、耐震構造、監視体制など、サーバの維持費に莫大なコストをかける。法令遵守、企業コンプライアンスに誠実であろうとする。一方で、Googleは、Appleは必ずしもルールに縛られない。非常識なほどサーバを積み上げ、野ざらしにする。仮想化されたソフト群はその瞬間瞬間で必要なだけ物理的なサーバを確保できればいい。端的に言って、彼らはハードウェアなどどうでもいいと思っている。


演算処理の根幹をなすインフラをこのように扱っていいのか?


彼らは「Yes」と答える。ハードウェアは置き換え可能で、かけがえのないものではないからだ。ハードウェアを過剰に保護することで、ユーザビリティや利潤が削がれるならそれは合理的ではない。日本企業の多くは既存のルールを尊重しすぎて、サービスの硬直化や低下を招いている。


確かにルールを遵守することは気持ちがいい。だがそれは同時に面倒な「思考」から逃げていることでもある。こうした「お行儀の良い」態度でぬるま湯に浸かっている間に、世界は変わり、優秀な企業・人材は失望の果てに日本を去る。


AppleやGoogleといった企業が提供する製品・サービス=イノベーションから学び、今後、日本の企業も組織としての在り方・ルールを自ら見直していく取り組みが必要とされている。新卒採用至上主義、年功序列といった従来の組織形態に取って代わる新たな枠組みの創造。サービス残業、休日出勤、有給なしといった日本でしか通用しない暗黙のルールにもメスを入れる必要がある。


そして我々1人1人も自身の古い価値観・思考・パラダイムを破壊=ルールブレイクしていき、新たな価値創造=イノベイトしていく、そういう姿勢がこの時代必要とされているのではないか。