ごきげんよう
天埜紅子でございます。
わたくしは着道楽の家庭に育ったこともあり
20代の前半から少しずつ
一流メゾンのお洋服を身につけるようになりました。
その当時、恋していたのが
丸の内にあったメゾンでございます。
こちらのメゾンでは
「上質」について学ばせていただきました。
夏のような陽気の春に
母方の身内に不幸があり
夏・冬の喪服しかなく
合着を持っていなかったわたくしは大慌て。
そこでいつもお世話になっている方に
「わたくしのサイズの黒いスーツ(アンサンブル)は今お店にありますか?」と伺いますと
「30分でご用意いたしまがご来店されますか?」とのこと。
大急ぎでお店に伺うと
黒いスーツが用意されていました。
「喪でご入用かと存じますのでボタンカバーをご用意いたしました」
「スカートはお直しが必要かと存じますが、今回はこのままピンで留めた状態でお召ください」
「お直しはいつでもご都合が良い時にお持ちください」
「お支払はご請求書をお送りしますので、後日ご連絡を・・・・・・」
事情は説明しておりませんのに
配慮の行き届いたご対応の数々。
一流メゾンと言われる場で
「上質」の意味を学んだ出来事でございました。
この時のスーツはいまだに手元にございます。
人は自分が経験したサービス以上のものを人様に提供することはできないByマダム紅子


