もやもやしていた部分が、この本を読んでスッキリしたように思える。



リサイクル幻想/武田 邦彦

環境に関係した仕事を(ちょっとだけ)していると、

一般的に言われる「常識」に、少し違和感を感じるときがある。

例えば


「ゴミの発生を〝0〟にしよう。=0エミッション」


これって、ちょっとおかしいなぁと感じていました。


全ての素材をリサイクルの対象にする。

それ自体は間違いではなく、

もちろん、実現出来ればいいことです。


しかし、ある特定の産業廃棄物(ゴミ)を

再度資源として活用するためには、

新たなエネルギーが必要となる。


そして、再利用される素材の価値よりも、

再資源化するときのエネルギーコストが大きければ、

新たな環境破壊が発生していることと同じではないか。


1tの廃棄物を再資源化するとして、

その再資源化のために、廃棄物1tの輸送コストや労力、

電力(エネルギー)を使って分離・精製や溶解、純度アップとかをしていくと…


リサイクルすることで、

目に見えない別の資源を消費していることになってしまう。

ただそれは、一般的には見ることのない世界。


わたし自身、

化学業界に身を置いていた関係で、

このことは知っている方だと思う。


化学反応なんかは、必要なものを取り出すと

不必要なものが発生するので、

それをまた処分するために化学処理なんかをしている。


しかし、業種・業界の違う方々や、一般の人々は


リサイクルは良いこと


再資源化された商品をどんどん使おう。


だから、わたし達は環境にやさしいのです…。


そして、


この部分だけが、クローズアップされてしまう。


実際には、

世間一般で言われている環境対策と、

経済活動内での環境対策とは、乖離していることが多い。


そんなことを、感覚では感じていたが…。


感覚で分かっていても、
具体的に根拠を持って説明することは

難しい。


特にわたしのように

根拠ではなく、感覚と経験で活動している側からすると、

一番困るのは科学的な理由。


この本を読むと

自分が感じていたモヤモヤ部分が

スッキリと解決したような気分になる。




嬉しい(ノ´▽`)ノ




しかし、それと同時に新たな疑問を感じるのは、



なぜ、このような意見が世間で話題にならないのか?



いろいろな意見があっても当然のはずだが、

TVやネット上で氾濫している情報は、

「自社の製品は環境にやさしい」の表現だけで、その前後が表現されることはない。




〝当社は来年度、

環境負荷を考慮して

事業規模を縮小致します。〟




こんなことを発表する企業は、ありえない。


ただ環境への良し悪しだけを前面に押し出し、


だから、たくさん消費して下さい。


と言うのも、おかしな話。


消費を基準・前提にした環境対策もそろそろ限界に来ている、

それと同時に、まだまだいろいろな意見・考え方が発表されても

良いのではないか。


そんなことを感じる、本でした。