こんにちは。
韓国で両顎手術・輪郭手術を専門とする病院、
リフェイス口腔顎顔面外科の専門医、キム・ドソプと申します。
顎矯正手術後に起こり得る 副作用および合併症 についてご説明いたします。
「顎矯正手術」と検索すると、最も関連して出てくるワードが「顎矯正手術 副作用」だと言われるほど、多くの方が一番心配し、知りたいと思っている部分がまさに 副作用 です。
しかし、インターネット上で見かけるものの多くは、詳しい医学的案内というよりも、関心や好奇心をあおる記事や体験談ばかりです。
実際には、顎矯正手術が特別に他の手術と比べて副作用が多いとか、危険性が高いということは決してありません。
ただ、初めて経験する症状が多いために、不安や恐怖を感じやすいのです。
しかし「知らないで出会えば敵、知って出会えば友」になるように、あらかじめ詳しく理解しておくことで安心に繋がります。今回の説明が、手術を検討される際の参考になれば幸いです。
副作用をできるだけ分かりやすく分類し、ご説明いたします。内容が多いため、3回に分けて連載しています。
分類
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全身麻酔による副作用 – 4種類
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放置すると危険だが、適切に対処すれば問題ない副作用 – 3種類
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発生頻度は高いが一時的で危険性の低い副作用 – 11種類
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発生頻度は低いが、起こると追加治療が必要な副作用 – 5種類
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軟組織の副作用 – 5種類
4. 発生頻度は低いが、起こると追加治療が必要な副作用
① 分割骨切り術に伴う歯の変色
上顎骨と下顎骨の不調和を解決するため、上顎骨をさらに分割する「分割骨切り術」を行うことがあります。この際、周囲の歯が変色することがあり、その場合は神経治療やホワイトニング治療が必要になることがあります。
② 分割骨切り術に伴う骨髄炎・歯の脱落
分割骨切り術の合併症の中で、非常に重篤になり得るのが骨髄炎です。これは顎矯正手術に限らず、全ての歯科手術で起こり得る合併症です。個人の全身状態や手術中の血管損傷などと関連して発症する場合があります。
骨髄炎が起きると骨に深刻なダメージを与え、切除が必要になれば顎や顔の骨格に変形が生じる可能性があります。術者はこうした事態を避けるため最大限努力しますし、実際に発生することは非常に稀です。とはいえ、可能性として存在するため説明が必要です。
③ 上顎洞炎
上顎洞は上顎骨内部にある空洞で、誰にでも存在します。手術により一度切断・再固定される際、血液や滲出液が一時的に溜まり、それが感染を起こすと上顎洞炎が発生することがあります。
稀ではありますが、炎症が起こると発熱や痛み、頬や目の下が腫れる症状が出ます。この場合、炎症治療が必要ですが、治癒すれば手術の結果に大きな影響はありません。

④ 感染
顎矯正手術は口腔内から器具を入れて行うため、歯肉を切開します。そのため術後の創部は常に食べ物に触れる環境にあり、清潔に保てなければ感染が起こる可能性があります。
小さな歯ブラシでの丁寧なブラッシングや食後のうがいが必須ですが、それでも稀に感染が起きることがあります。感染が起きると顔の腫れや発熱が急に強まりますが、適切な治療でほとんどの場合後遺症なく回復します。
⑤ 再発
人体は常に変化するため、手術後も顎が再び成長したり、後退することがあります。
たとえば受け口を治したのに再び受け口になる、無顎を改善したのに再び後退するなどです。再発を防ぐために外科医は綿密に手術計画を立てますが、術後の習慣や筋肉の動きも大きく影響します。
特に舌の使い方が再発に関係するため、手術後は舌を常に上顎(口蓋)に付ける習慣が重要です。
5. 軟組織の副作用
① 鼻翼の広がり
顎矯正手術では筋肉を骨から剥離する必要があり、鼻翼が広がるのは避けられない副作用のひとつです。ただし手術中に筋肉や軟骨を縫合することで、この副作用を最小限に抑えることができます。
② 頬・顎下のたるみ
風船の空気が抜けるとしぼむように、顎矯正手術で骨格が小さくなると余った皮膚や脂肪がたるむことがあります。
これは個人の皮膚の弾力性や手術方法によって差があり、多くの場合は数か月で改善しますが、過度なたるみが残る場合はリフトアップや脂肪吸引などの追加施術が必要になることもあります。
③ いびき・睡眠時無呼吸
下顎を大きく後退させると気道が狭くなり、いびきや睡眠時無呼吸が悪化する可能性があります。
ただし、通常は下顎を後退させつつ上顎を前方に出すため、気道が広がり呼吸が改善されることが多いです。肥満や皮膚の弾力が少ない方は注意が必要ですが、数年後に出現するいびきや無呼吸は手術とは直接関係がない場合もあります。
④ 顔面非対称
誰もが程度の差はあれ顔の非対称を持っています。手術は上顎・下顎骨に対して行われるため、その他の骨格や筋肉、皮膚の非対称は残ります。
また手術後は自分の顔を注意深く観察するため、今まで気づかなかった小さな非対称に気づくこともあります。
⑤ 口腔内瘢痕(はんこん)
口腔内の切開部には多少なりとも瘢痕が残ります。まれに線維性組織が過剰に形成され、食事や表情に不快感を与えることがあります。
術後2〜3週間は表情の過度な動きを避けることが大切です。多くは半年程度で柔らかくなり改善しますが、長く残る場合は再切開して修正することも可能です。
手術についてご不明な点がございましたら、
いつでもお気軽にお問い合わせください。
誠心誠意、丁寧にご回答いたします。
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