こんばんは!!
4月1日より弁護修習が始まり,家族のような温かな事務所に配属となりとても幸せな毎日を過ごしています。
ボス弁も幅広く活躍している方ですし,自分の指導担当も若手女性弁護士でバリバリ働いています。
食事も毎日ご馳走になっており大変恐縮しております・・・。
事務所での仕事ですが,なぜか裁判修習からリサーチ系の仕事が多く,今回もリサーチをして報告書にまとめるという感じでやっています。
独禁法を初めて本格的に勉強しましたし,国際条約関係のリサーチもしています。
分からないことばかりで,日々右往左往しておりますが,なんとか頑張っています。
さて,司法試験の全国模試も終わり,そろそろ結果が返って来る頃でしょうか。
伊藤塾,辰巳,LECどれかで受験した人がほとんどだと思います。
さて模試の結果はどうだったでしょうか。
模試の結果に一喜一憂し過ぎるのも良くないですが,本試験の合格率と強い相関関係を有しているので,一定程度の参考値にはなると思います。
どのような点で評価を落としているのかしっかり分析する必要があります。
なお,短答で最低ラインを切ってFが付いてしまった人は残り1ヶ月短答の猛勉強をしないと厳しいと思います。
1 総合評価のイメージ
🔴総合A評価だった人(上位15%前後)
合格圏内だと思います。ただし,本試験での合格率は80%,逆を言えばA評価でも5人に1人は落ちてしまうので気が抜けません。
原則合格すると思いますが,以下の人は注意が必要です。
・知識を多く有し論点積み重ねでAになっただけで,日本語が不明瞭だったり,法的三段論法が不完全な人
知ってればできるような知識問題が予備校の問題では多いので,その恩恵に預かってAだった人は注意が必要です。本試験では一読了解の答案を書くことがとても大切だと思うので,心当たりがある人は注意して下さい。
安心させる趣旨ではありませんが,精神的ゆとりも必要なので指摘しますが原則合格するので,今まで通り抜かりなくやって下さい。
🔴総合B評価だった人(上位16~30%程度)
もう少しでAだった人や,もう少しでCだった人色々いると思います。
相関関係的には合格率60%ぐらいでしょうか。
半分近く落ちる訳ですから,残り1ヶ月奮起する必要があります。
総合Bともなれば,失敗した答案も数通あると思うので,何が失敗したかをちゃんと分析して下さい。
・知識不足?
・時間配分?
・問題文誤読?
自分のエラーの癖を把握しておかないと,本番で必ず同じことをします。
僕は問題文の誤読が多かったので,本番「良く読む!!!!!」と自分にメッセージを書いていました。
論文がBでも短答がC以下になってくると短答も気が抜けないので,バランスを考えて取り組んで下さい。
🔴総合C評価だった人(上位31%~50%程度)
相関関係だと本試験の合格率は40%前後でしょうか。
C評価だと論文で大きなミスを複数犯しているはずです。かつ特段良好な答案もあまり書けていない感じぐらいでしょうか。
まず大きなミスの原因を探しましょう。
誰だって大きなミスをするものですが,C評価にもなると大きなミスを必ず複数やっているはずです。
規範忘れたとかそういうレヴェルのミスではないと思うので,必ず分析して下さい。
時間配分で途中答案を連発している場合も注意して下さい。
いくら力があっても途中答案だと点数が入りません。配点を自ら失うことになるので最後まで書ききって下さい。
1ヶ月あれば必ず盛り返せます!!
40%受かってるわけですから。
🔴総合D評価以下の人(51%以下程度)
危険水域に達してきている数値です。
いくら1回きりの模試とは言え,総合D評価ですとそう簡単に改善できない瑕疵が必ずあります。
・根本的な理解不足
これが挙げられます。
ヘタすると法文の体裁すら成していない可能性があるので,採点者のコメントのみならず合格者はできる友人に見てもらった方が良いと思います。
2 残り1ヶ月
さて,残るは弱点をひたすら潰して本番を迎えて下さい。
僕は模試の採点者のコメントで自分の弱点と感じたのは
・商法で出訴期間に検討を怠ってしまったこと
・民訴で按分説の計算を間違えたこと
・刑法で「一種の誤想防衛」か緊急避難かみたいな論点の処理に失敗したこと
・刑訴で被告人と被疑者両方の身分を有している場合の接見の論点を理解していなかったこと
・著作権法で「引用」の抗弁を落としたこと
の5点でした。
これらを特に強く意識して本番に望みました。
自分の弱点は本番でも必ず露呈してしまうので,気をつけすぎるぐらい気をつけると良いと思います。
3 他の予備校の全国模試について
これは入手して解いたほうが良いと思います。なにせ大人数が受験して解いているわけですから,触れておいた方が良いです。
ただ,思考パターンそのものまで深入りする必要はなく,どんなトピックが出たか?みんなはどの程度復習するか?ぐらいを意識してやると良いと思います。
たとえば,昨年はクロロホルム判決は弾劾証拠などがLECでは出たわけですが,クロロホルムの規範や弾劾証拠の最高裁判例,有名な論点ぐらいは復習しないと相対的に劣ってしまうことになるでしょう。
予備校の出題論点はいくつか当たるので必ずやっておきましょう。ただし,今述べたように思考パターンまで暗記してしまうと,本番全く違う事案なのにそれに引きつけて考えてしまい明後日の方向のことを書いてしまう危険性が十分あるのでこれは注意して下さい。
なお,選択科目については予備校の予想論点が概ね当たります。知財も当たりました。わりと普通に。
出題論点は復習する!けど引っ張れないようにする!
これが大切。
4 本記事の締めくくりとして
偉そうなことを述べてきました。予備校の全国模試は一定程度有益だと思うので,来年以降受験する人は受けてみると良いと思います。
僕は2年次から受験して合計3回受験しました。初めて2年生の12月に受験した時に,奇跡的に合格推定だったので(上位10%程度),勉強の方向性はそんなに間違っていないと言い聞かせて頑張りました。
良かった場合には励みになるし,悪かった場合にも早めの健康診断と思って受け止めて改善できるため,早い時期に受けておいたほうが良いと思います。
2年次なんて出来ないのが当たり前です。僕だって商法,行政法の半分が授業で終わっておらず,著作権法だって授業でも終わっていませんでした。短答がギリギリ足切り通過したため採点対象となったまでです。
模試で大切なのは「問題が解けたか?」もそうですが,「本番と同じ環境で受験する」ことの方が大切です。いかに本番が辛いか。これが分かるだけでも他の受験生と差別化が図られます。
残り1ヶ月,弱点を潰していき健康コンディションも最高の状態で本番を迎えて下さい。「当たり前のことを,当たり前のようにやる。」この姿勢を忘れずに!
皆さんが最高のパフォーマンスで受験できることを,一合格者として心よりお祈りしています。
では,明日も頑張りましょう!!