司法試験合格体験記1(総論) | KFデラックスの日記

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こんばんは!!


このブログは司法試験受験生によるものであり、今では一応司法試験合格者によるブログでありながらおよそ司法試験受験をする後輩に役立つような情報を提供しないままここまでやってきました。


基本的に食事関係の記事やラグビー関係のものであって、無益なものばかりであったと思います。


司法試験に合格したにしたって、偉そうに有益な情報を書けるとも思わないですし、僕なんて偶然受かったような口だと思いますので参考にならないと思っています。


ただ、受験体験の記憶を風化させたくないという気持ちや、1mmぐらいは役立つだろうという漠然とした期待から少し司法試験関係の記事を書こうかなと思います。



★今日は第一回総論ということで、司法試験はどんな試験で、何が求められているのかを感想程度ですが書こうと思います。




司法試験は日本で最難関の試験だと言われています。

個人的には半分正解、半分不正解といった印象です。


正解と述べた趣旨はやはり論文8科目、短答7科目合計22.5時間の長時間の試験であって、かなりの勉強量が要求されるものということです。

また、司法試験受験者の大半はロースクールを卒業しているのであって、ロースクール入試で一定の篩にかけられており、受験者のレヴェルが他の資格試験に比べて高いということが言えます。

ロースクール入試をクリアするには基本的には大学2年生ぐらいの頃から受験勉強を始めると思います。3年後半から4年の夏にかけてはもう猛勉強の時期です。

そんな人達が分母に来る試験です。


一方で不正解という趣旨は、僕でも合格できる試験ということです。

学部時代は教師志望であったため、英語の教員免許を取得しました。法学部で英語の免許を取るにはかなり多くの単位数が必要で、結果的に227単位取得しました。

4年次には教育実習もありましたし、週末はレフリーしたり、家庭教師したりと余暇を楽しんでおりました。

そんな僕でも受かることはできたので、世間で思われているような天才のみしか受からないというようなことは全くないです。


さて、このように天才のみしか受からない試験では全くないことは断言できるにせよ、通常合格した人たちは涙ぐましい勉強を数年は少なくとも継続していると言ってよいでしょう。

したがって楽勝な試験では全くないです。




少なくとも運転免許の筆記試験よりは難しいです。

もっとも僕は司法試験は1発でしたが、運転免許の試験は1回落ちてます笑





さて、やや具体性のある話に移しますと、司法試験では何を求められているか?


事案から当事者の不満を汲み上げ、それを法的な主張として構成し、条文・原理原則・判例を用いつつ結論を導く作業が求められていると思います。



当事者の不満は何か?→この不満を解決するためにはいかなる法的手段があるのか?→ではこの法的手段を採用することができるのか?→結論


こう言った流れの中で、問題となる条文の文言を解釈し、事実に当てはめて結論を導く。こういった作業こそが求められていると思います。



いわゆる「論点」というものがあります。悪しき論点主義の弊害なんて言葉を良く聞くと思いますが、確かに論点を論点として把握しておかないと、対応できない部分もあるのかもしれないですが、条文を適用していく上で不都合が生じた場合にそれを論点というのであって、降って湧いて来るものではない点に注意が必要です。

悪しき論点主義と言われないためにも、当事者目線の見地から条文・原理原則・判例を用いて、その解釈・あてはめの中で一筋縄に行けないと思う所があれば、それが論点ですので、まずはニュートラルに条文を使いこなせるかが重要となってきます。



なので基本的な学習としては基本書等を通じて原理原則・条文などを効果を意識しながら勉強するのがオーソドックスだと思います。

条文の制度趣旨や、解釈方法、あてはめの方法なども基本書に書かれていることが多いですので、それを勉強します。



例えば、民法177条「第三者」の解釈、民訴の弁論主義や既判力という基本的な概念、刑訴では職務質問、逮捕の要件論とか。

こういった類は基本書で勉強可能です。


次に「論点」と言われているものですが、効果との関係で勉強するとよりよいと思います。

例えば受領遅滞の法的性質なんて降って湧いた議論ではなくて、受領義務を認めてそれを理由に損害賠償請求、解除できるかのところで初めて問題となるところですので、それとの関係で勉強しないと有害となってしまいます。


瑕疵担保責任の法的性質もそうですね。特定物に瑕疵がある場合に限るのかとか、(場合によっては)損害賠償責任の範囲とかにも影響してきますのでそれとの関係で論ずる必要があります。


そういったことはなかなか基本書に書いていないこともあるので、そういったものは先生や先輩等から教わると良いと思います。



とにかく、当事者がいかなる不満を持っており、そういった不満を解決するには、(~~のような効果を持つであろう)法的手段を採るのが効果的であって、そのような法的手段を用いることができるかについては要件論及びその充足の検討が必要となります。



次に判例の取り扱いですが、2種類あると思います。

まず、法令に匹敵するような判例についてはそのまま理解し、覚えたほうが良いかなと思います。行政法の「処分」性、刑訴法の「強制の処分」の意義とかは確固たる判例法理となっており、これをないがしろにするとそれだけで条文をそのまま落としたイメージになります。


次に、判例が参考になるのは、いかなる事案で、いかなる事実を重要な間接事実として捉えて結論を導いているかです。

とりわけ事実の取り上げ方、評価の方法などは模範的な所もあるので、事案の射程を意識しつつ、勉強する方法が有益かと思います。

ただ、何が重要な間接事実かについては、規範の意味が真に分かっているのであれば自ずから何が重要かも判断できるはずなのですが、なかなかそうも行かないので、そういう時は判例の力を借りると良いと思います。



特に

公法、刑事などは条文が少ない分、拠り所になるものとして判例が多くを占めてくるので、判例の学習(いかなる事実関係で、いかなる事実をどのように評価し、いかなる結論を導いたか)が大切となってきます。



具体的に言えば、

憲法だと泉佐野、森林法、薬事法判決などは模範的な判示の流れだと思うので、これを学習するだけでも有益だと思います。


行政法でも処分性、原告適格のところは判例のロジックを押さえることがとても重要だと思います。試験でも似たような利益状況の問題が出ますし。


刑法でもクロロホルム判決は準備的行為の段階で実行の着手を肯定するかのルールを提示し、因果関係の錯誤もクリアし、故意の問題もクリアすることを判示しているため、もはや法令に匹敵するほどの重要判例だと思います。


刑訴でも昭和51年の「強制の処分」の判示したやつはもちろん、弾劾証拠についての判決も法令に匹敵すると思います。




今まで述べてきたように、司法試験の勉強は特に知識面においては

・基本的な条文、原理原則、判例をしっかり当事者目線の見地から使いこなせるようになることが求められていると思います。


難しい学説、最先端の議論などは基本的に不要です。



また、知識面のみでは難しい部分があります。

試験である以上、若干のテクニカルな部分も生じてきます。


それについては司法試験の過去問を分析することで身につくと思います。

司法試験の問題を通じて、どのような問題なのか?どのような設問でどのような解答が求められているのか?一応の水準とはどの程度なのか?問題文のヒントはどんな感じなのか?


あらゆることが見えてきます。


基本的な知識をインプットすると同時に、過去問を通じたノウハウ面も補っていく必要があると思います。




こういった作業を8科目するだけでもかなり大変ですし、かなり時間がかかります。

しかし、法的な思考パターンのようなものが全ての科目において共通している側面があるので、骨折りな作業は遠回りのように見えて、実は一番合格への近道だったりすると思いますので、地道に条文を使いこなせるように訓練し、判例の事案、判旨、射程などを分析し、過去問も丹念に研究すると言った作業を継続していけば必ず合格できる試験であると思います。



今日は総論的なことばかりでしたが、次回以降各論的要素を含めて何か有益な事を書けたらなと思います。



では、頑張りましょう!!