LARME 039号 連載シネマ30. ビガイルド 欲望のめざめ | la petite chambre

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illustrator ree*rosee art works

今週から4月が始まりました。新学期シーズン、新年度のスタート旗

新たな気持ちで頑張りたいと思います。

実施は5月からですが、新元号「令和」に決定しましたねクローバー 

TV番組でこぞって予想してた名前を見事にスルーした意外な結果でした。

 

4月のカレンダーは、春らしいパステルカラーの「ヴァージン・スーサイズ

のリスボン姉妹。

ネグリジェのような小花柄のプロムドレスでベッドに重なり寝そべる少女たち。

雲みたいな柄の壁紙の背景を、黄昏時のリアルな雲の上でベッドが浮遊してる

ような感じで描きました。

 

ソフィア・コッポラ繋がりで、イラスト掲載誌のお知らせです。

現在発売中の LARME 039号のシネマページで、ソフィアが監督した

ビガイルド」のシネマファッションを描きました。

 

LARME 039号 cinema fashion room vol.30  ビガイルド 欲望のめざめ / Beguiled 

 

19世紀の日常着とイブニングドレスのコスチュームドレスを描きました。

イブニングに比べると簡素な日常着でも、襟やレースなどが細部が可憐。

よそ者のマクバニー (寮内唯一の男子) を招いた室内での夜食会では、

女子たちは浮き足立って、おめかしして華やかなイブニングドレス。

↑エドウィナとマーサの大人な装いに対し、少女的で可愛らしいアリシアのドレス↓

 

アリシア、エドウィナ、マーサのまとめ髪。

アリシアはロングヘアを折り畳むような形のまとめ髪、

エドウィナは複数の三つ編みをカチューシャとお団子にしたヘア、

最年長マーサは緩く編んでバレッタでまとめたシンプルなヘア。

それぞれのスタイルがあります。

 

アメリカの南北戦争時代が舞台だけど、ソフィアらしい女の園の様子を

サスペンス風味を加えて描かれた作品。

彼女特有のガーリーさは控えめに、楽曲も恐怖感を演出する最小限の音、

落ち着いた作風に仕上がっています。

挑発的な若さみなぎるエル・ファニング (アリシア) と対照的に、

中堅のキルスティン・ダンスト (エドウィナ) とベテランのニコール・

キッドマン (マーサ) は抑えた大人な演技。

 

掲載記事で触れたニコールとコリンの共演作「聖なる鹿殺し」のことも

ここで少し書きたいけど、ランティモス監督最新作「女王陛下のお気に入り

(滑り込みで劇場で見たけど面白かった!) や過去作品についても書きたく、

長くなるので、別の機会に。

 

2017年のカンヌ映画祭で「ビガイルド」チームで出席したエルのドレス。

映画のコスチュームを意識したようなフォルムで可愛い。

 

「ビガイルド」ではアメリカの年代物コスチュームを着ていたけど、

メアリーの総て」の同時代のイギリスのコスチュームも良かった。

「ビガイルド」では少し若めの少女を演じたせいか、衣装自体可愛いけど、

高身長のエルには、少女っぽいイブニングドレスが少し可愛らし過ぎて、

「メアリー」の少しゴシックな衣装の方が似合ってたように思う。


 

エルは身長も高く着映えし、近年はファッションブランドのイメージモデル、

ファッションショーでのゲストなどの露出も多く、大人っぽい雰囲気に

なって洗練されたファッショニスタに。女優以外での姿を見るのも楽しみ。

大人っぽくなった彼女も美しいけれど、まだ20歳なのでスクリーンでは

幼さの残る若い年頃のキャラクターももう少し見たいです。

 

待機新作「teen spirit」は現代映画で、シンガーを目指す現代的な少女。

何となくネオンカラーのビジュアルやきらびやかな世界に憧れる少女像は、

ネオン・デーモン」(はファッションモデル業界) ぽさも感じるけど、

こちらは何となく熱血系なのかな?

 

監督は、エルの彼氏と噂されているらしいマックス・ミンゲラ。

旬の若手女優のお相手なんてどんなイケメンなのかな?と思って、

パパラッチされた写真を見たら、モッサリした冴えない年上男だな…

見覚えある名前と思ったら、アンソニー・ミンゲラ監督の息子で、

アートスクール・コンフィデンシャル」の冴えない主人公が印象的

だった!当時も役柄のせいか冴えない雰囲気だったけど、

スティーヴ・ブシェミ (も出演してた) のような愛すべき冴えない系。

「ゴースト・ワールド」のテリー・ツワイゴフ監督作で、あの系統の

シニカルで好きな作品でした。

マックス自身も監督業に進むとは。しかもエル主演、「ラ・ラ・ランド」の

プロデューサー作品なんて期待。昨日から全米公開、日本公開いつかな?

早く見たいです!

 

今回描いたソフィアの「ビガイルド」や「ヴァージン・スーサイズ」、

オマージュ元の「ピクニックatハンギングロック」などについても書いた

「nostalgia zine」は、creemaにて販売中です⇒ 

期間限定 webshop は昨日終了しました。ご利用ありがとうございました!

次回は、タイミングが合えばゴールデンウィーク中に出来ればと思います。

委託販売でも、東京では、代官山蔦屋書店、関西では、ことりの実(京都)、

SPACEMOTH(神戸)さんで販売していただいています。

 

 

LARME038号の表紙は、吉田朱里さん。

LARMEでのシネマ連載は今回で30作目、連載開始から5年経ちました。

いつもご愛読いただいている皆さま、ありがとうございます!

いつまで続けられるかわかりませんが、そろそろ何らかの形でまとめたい。。

と思い続けて数年。何か動かなきゃね。

 

次号シネマは、多くの方に愛されるハッピーなフランス映画で、

少し懐かしめの作品について描きました。

5月17日発売予定です。お楽しみに♡