昨今の「自粛」の話と「百匹目の猿」の話の共通点。a | barsoのブログ

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 自粛要請に応じないパチンコ屋の店名を公表する、と都府県知事が発表したら、 案の定というか予想通りというか、翌日、他県ナンバーの車もぞろぞろやってき て、店頭に長蛇の列が出来ました。若者も多く、女性もけっこういましたね。

 抗議も多くあり、ほとんどのパチンコ屋は休業要請に応じたようですが、しか 

し客のほうが自粛しなかった原因は、ストレスを解消したいという小義名分の他 に、「赤信号 みんなが渡れば 渡りたい」というわけで、ひとが何かすると自 

分もしたくなる付和雷同的な「群集心理」や「同調心理」もあったと思われます。

 この旧型ミーハーウイルスは、知事の発言がきっかけになってパチンコ愛好家 

らに意識伝播し、彼らに集団同調行動を取らせました。

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 意識が集団に突然伝播したとして「百匹目の猿」とHundredth Monkey Effectいう話が知られています。

 1953年、宮崎県串間市の幸島に棲むニホンザルの一匹が 餌のイモを洗って食 

るようになり、それを真似する仲間の数が臨界量(ここでは100匹)を超えた 

とき、群れ全体が同じ行動を取るようになり、さらに驚くべきはなんと遠く離れ 

た大分県高崎山の猿のコロニー全体も同じ行動を取るようになり、これは凄い! 

というわけで、この集団同調行動が世界中に知られました。

 これは《ある行動や思いは一定数(臨界量)を超えると、場所を離れた同類の 

仲間にも伝播する》実例として、経営コンサルタント船井幸雄の著書『百匹目の 

猿――「思い」が世界を変える』により、猿だけでなく人間にも起きる超常現象 

の実例として、日本の精神世界(ニューエイジ)の間にも広まりました。

 ところがこの話はフェイクでした。元の話は英国の生物学者ライアル・ワトソ 

ンが著書『生命の潮流』(1979年)に発表したもので、博士はその根拠として日 

本の霊長類研究の第一人者である河合雅雄博士の論文を参考文献に挙げているの 

ですが、その河合博士は「そんな事実は無い」とインタビューに答え、著者のワ 

トソン自身も、自分が創った話であることを認めているのだそうです。

 学者や著名な識者であっても鵜呑みにはできません。ネットの話の大半は素人 

が書いているので、私の話も含め、眉に唾をつけて読むことが必要でしょう。

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 心理学者のユングは、《シンクロニシティ=複数の事柄が意味的関連を呈しな 

がら同時に起こる共時性》や《集合的無意識=民族や人類の心に普遍的に存在す 

る元型のような潜在意識》について論じていますが、ではこの「百匹目の猿」で 

話題になった《ある一定数の人間に意識変化が起きれば、大きなうねりとなって 

世界全体が変わる》という学説については、これも嘘なのでしょうか?


 ニール・ドナルド・ウォルシュが著書の中で、その点を説明しています。  

 

 この人はベストセラー『神との対話』の著者ですが、『明日の神』というシリ 

ーズ本の中で、彼に現れた神(おそらくハイヤーセルフ)と、その点について 

自動書記により対話をしています。以下、ニールのセリフを《著》としています。

 

(サンマーク出版『明日の神』30-32ページ抜粋)

著「地上の物事が良い方向に向かうくらいプロセスが進行するのは、いつなんですか?
神「まもなくだよ。もうじきだ。人類がその気になればね」

著「人類がその気になれば、ってどういうことですか?」
神「人類がその選択をすれば、神(※)についての理解は急速に変化するということだ。あなたが生きている間にも起こり得る。30年も経てばそうなる。最初のドミノさえ倒れたら、もっと速く変化するかもしれない。要するに、全体的な変化が起こる臨界量(クリティカル・マス)に達するかどうかという問題なのだよ」(※バーソ註:宇宙や生命や人生についての真理と言い換えてもいい)

著「臨界量ってどれくらいなんですか?」
神「あなたがたが考えているほど多くはない。臨界量は半分以上だろうと思っている人もいるが、そうではない。25パーセントでもないし、10パーセントでもなく、5パーセントですらないのだ。全体の2パーセントから4パーセントに達したら、影響が出始めるよ。
 お湯が沸くのを見ていてごらん。お湯が沸騰点に達するのは表面の半分が泡立つときではなく、それよりずっと前だ。臨界量の影響は指数的に増加する。だから強力なのだ。ほんの幾つかの泡が表面に沸き上がってきたな……と思っていると、あっという間にお湯は沸騰する」

著「すると、たとえ少数の人々でも神についての理解に変化を起こそうと選択すること、それが必要なんですね。では、人々にそういう選択をさせるのは何なのでしょうか?」
神「二つのうちのどちらかだな。今よりもっと激しい憎悪か、もっと大きな希望か。憤怒から生まれて世界を震憾させる暴力と殺戮の惨事か、あるいは別の方法で生まれる世界的な目覚めか」

著「もっと別の道はないのですか? 惨事や災厄ではない道はないんでしょうか。だって、人類が世界的に目覚めることなんて、ありそうもないですから」
神「そんなことはないさ。あるよ。(中略)
 その第一歩は、考えのレベルで起こる。
 人類の未来は、人々が自分たちについてどう考えるかにかかっている。
 あなた方の考えから、あなたがたの現実が生まれる。
 あなたがたの考えから、あなたがたの未来が生まれる。
 あなたがたの信念があなたがたの行動を創り、
 あなたがたの行動があなたがたの経験を創る。
 だから、あなたがたが何を信じるかがとても大切なのだ
」  .

 


 世界を良い方向に行かせるプロセスを進行させるには、まずは自分が《自分の 

考えを変えていくことがとても大切》で、そんな人が全体のわずか2~4パーセ 

ントになれば急速に影響が出始めると言われています。

 神については信じられないとしても、《自分の考えを変えていけば世界は変わ る》点については、まあそうだろうな、と同意できるのではありませんか。

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     口にはマスク、眉にはツバ。しかし心の目はしっかり見開いて。

《補足》

 

 じつは既存の宗教が教えている「古い神」概念を棄てて、「新しい神」概念を受け入れることができれば、自分の考えを変えることはぐっと容易になるのですが、それには上述の『神との対話』シリーズの本が大変参考になります。私はこれらの本で目が覚め、30年来の積み重なったウロコ層が目からバリバリッと剥がれ落ちました。既存の「古い神」の概念しか知らない場合、その神と宗教組織については多々問題ありとして批判したくなると思いますね。

   前回の記事は《人間はじつはみな同じ存在なのだ》という話でしたから、今回の話はちょっと矛盾があるように思えるかもしれませんが、しかし人間はみな大いなる魂である神から分離した個別化された魂であり、神の子であり、究極的な観点では本質はみな同じものであると考えれば、矛盾はなくなると思います。

「ハイヤーセルフ」とは、何度も生まれ変わっている自分の本質(魂)です。高次元から自分のすべてを見通している、神のような賢い存在です。善であれ悪であれ自分の自由意思を行なう助けをしていて、総体的また究極的には魂の成長を助けているとされています。 「守護天使」や「ガイド」「守護霊」も、自分を見守っている高次元の存在ですが、過去生で何らかの縁があった別の存在です。

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