人はさまざまな「体験」をするために生きている。a | barsoのブログ

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世の中に人生ほど面白いものは無し。いろいろな考えを知るは愉快なり痛快なり。
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マット・デイモンといえば、昔のミニクーパーで市内を逃げ回るジェイソン・ボーン役の
アクション映画を思い出す。第1作は『ボーン・アイデンティティー』だった。

彼は、007のような都会的な二枚目ではなく、ランボーのような野性的なマッチョでもなく、
内面に静かな思索を秘めた素朴な田舎青年という印象がある。

先日、その内面性がうまく表現されている感動的な映画を観た。
1997年製作『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』。
(ふた昔前の話になりますが、映画は滅多に観ないので、申し訳ありません)

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マットはIQ160の秀才。脚本はハーバード大在学中に友人のベン・アフレックと共同で
書いたもので、アカデミー脚本賞を受賞している。2007年には『ピープル』誌が選ぶ
“最もセクシーな男”に輝いたそうで、あらら、そうなんですか。

この映画は精神世界の話だと思いましたね。二つのことを考えさせられました。
いいセリフが沢山あります。すでにご承知でしょうが、思い出すためにいかがでしょう。
 

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Good Will Hunting(グッド・ウィル・ハンティング)
主人公の名はウィル・ハンティングなので、映画のタイトルはグッド(善き)ウィル・
ハンティングという意味。だが「goodwill」とは好意や善意、親切の意で、
「hunting」とは狩りのことなので、《人間の好意を捜し求める》という意味にもなる。
登場人物は皆、善良さを表していて、観ていてとても気持ちのいい映画だ。

商業英語では「goodwill」は、店の暖簾(のれん)、店の信用、営業権という意味がある。
つまり企業が有するブランド、知名度、評判といった無形財産のことをいう。
この映画の主人公も、天与の才能と周囲からの好意という無形財産を持っている。

《ストーリー》 若者ウィル(マット・デイモン)は、孤児で、恵まれない環境に
育ったが、数学に天才的な才能を持っている。情緒的な問題でいざこざを起こすので、
心理学者ショーン(ロビン・ウイリアムス)がカウンセラーになる。

ウィルの頭脳は優秀で、カウンセラーが何か言えば、いちいち博識で反論する。
彼は自分の知性に自信があり、書物から得た知識で自分の理論を構築し、
間違ったことは言わない。しかしカウンセラーは、ウイルの問題点を指摘する。

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 「君は自分の言葉が分かっていない子供だ。美術について問えば、君は美術書の
 博識を披露するだろう。ミケランジェロも知り尽くしている。だが君にシスティナ
 礼拝堂の匂いは語れない。君はあの美しい天井画を見上げたことがない」

 「戦争について問えば、君はシェイクスピアの一節をぶつけてくる。
 『友よ、侵略者に立ち向かえ』と。でも君は知らない、
 腕の中で息絶えた親友が心に焼き付けていった、あのすがるような目を」

 「君は孤児だったね。どれほど困難な人生だったか、私に分かると思うか? 
 君の気持ちや君という人間が・・・。『オリヴァー・ツイスト※』を読んでいれば、
 それが君を要約するものか?」 ※孤児の困苦を書いたディケンズの長編小説。

 「君は天才だ。それは認める。だがすべては本に書いてある。君自身の言葉で
 話すなら耳を傾けよう。でもしゃべりたくないんだろう。君は怖いのだ」


最後に若者は、大企業に就職することより愛のほうが大切だと気づき、彼女の住む
カルフォルニアへと車を走らせる。そうして新しい旅立ちが始まる―――。

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多くの人は、世間の意見を基準にし、他者の知識を参考にしながら生きている。
しかし知識が本を読んで得たものに過ぎないなら、それは知恵に変換されることはない。
自分の可能性を信じ、新しい自分の旅に出よ、というのがこの映画のテーマのようだ。

人生の紆余曲折は、体験し、感情を感じて、それをどうするかを決めるためにある。
いま自分がしていることのために人生はあると思えば、体験はより貴重になる。
一つひとつの体験を大事にすれば、人生の日々は、より輝きを増していくだろう。


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人生は出会い。いい友と知り合えれば言うことはない。
この映画でいちばん印象に残ったのは、ウィルの友人チャッキーのセリフだ。
工事現場で働く下町育ちの友人は、ウィルの才能を見抜いてズバリ忠告する。

 「20年経ってお前がここに住んでたら、俺はお前をぶっ殺してやる。
 お前は俺たちとは違う。俺は50になっても工事現場で働いていてもいい。
 だが、お前は宝くじの当たり券を持っていて、それを現金化する勇気がないんだ。
 お前以外の皆がその券を欲しいと思ってる。それを無駄にするなんて俺は許せない」


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 「俺はこう思ってる。毎日、お前を迎えに行き、酒を飲んでバカ話。それも楽しい。
 でも一番のスリルは、車を降りて、お前んちの玄関に行く10秒間。ノックしても
 お前は出てこない。何の挨拶もなく、お前は消えてる。そうなればいい」
  Let me tell you what I do know. Every day I come by to pick you up, and
  we go out drinkin’ or whatever and we have a few laughs. But you know 
  what the best part of my day is? The ten seconds before I knock on the 
  door ‘cause I let myself think I might get there, and you’d be gone.
  I’d knock on the door and you wouldn’t be there. You just left.


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この友人は、突き放すことをウィルに言いながら、男の友情を言い表している。
こんな友人は広い世間にも滅多に居ない。だが居なければ、自分自身が
その友人の立場になればいい。そう思わせられるほど、このセリフは非常に美しい。

人はみな、なにかしらの宝くじを持っている。だが現金化しなければ、ただの紙切れ。
自分がやりたいことをやらなければ、「百聞」は得ても「一見」の受益はない。
いろんな体験をして、いろんな感情を味わう。たぶん人生とは、それでいいのだろう。

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とは言いつつも、私のブログは、他から得た知識に、どうってことのない意見や
感想をちょいと混ぜて、知ったかぶりして、お茶を濁しているようなものです。

うん、その通りじゃないかと思っても、ここは忍耐と寛容のほどをお願いしますよ。
寅さんとドラえもんも「それを言っちゃあ、おしまいよ」と言ってましたしね。
(あ、いま気がつきましたが、トラもドラも同じネコ科ですね)

世の中は嘘と本音の騙し合い、なんていう演歌のフレーズがありましたかね。
ブログは書き手が素性を明示してないので、ちょっと得体知れずのところがあります。
でも黒メガネをして書いているようなもので、かえって自分の考えを率直かつ大胆に
語れる場にもなっています。

こうして見知らぬ同士がブログで出会えるのも、多少以上の他生の縁、良き体験です。
皆さまのグッドウィル(好意)は私の無形財産。いつも感謝しておりますよ。

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資料―――――――――――――――――――――――――――――――――
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%83%E3%83%89%E3%83%BB%
E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%83%
86%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B0/%E6%97%85%E7%AB%8B%E3%81%A1
http://value-design.net/wordpress/?p=6453
http://ameblo.jp/will3104/entry-11916962818.html
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