ソーシャルワーカー Ree-Roseのブログ

ソーシャルワーカー Ree-Roseのブログ

医療・福祉現場で患者さん・ご家族の相談援助の仕事をしています。
時間の流れの中で自分を見失わないようにしたいと思い、ブログを始めました。

やさしいあなたへ

この度の地震について、
心配してくださり、ありがとうございます。
怪我もなく、元気で過ごしております。


        ~2023年秋に訪れた珠洲の海~



1995年に阪神淡路大震災で震度7を経験し、
2011年の東日本大震災では
東京で帰宅難民となり、
これからの人生は
生きていることに感謝して、
一度しかない人生を悔いのないように生きようと決めた自分でした。

でも、今回の能登半島地震を経験し、
日常の忙しさや疲労を理由にして、
しっかり生きていない自分に気づかされ
反省しています。

一度しかない人生、
自分で納得できるよう
生き切れるようにしたいと思います。

そして、
何度でも立ち上がれる自分でありたいと思います。



いま、病院も介護施設も、通常の定員を超えて被災者を受け入れています。

名前と性別しかわからないような高齢者を、
詳しい情報もないまま、緊急に受け入れるケースもあります。
着の身着のまま避難して保険証、通帳、お金もない方もいらっしゃいます。

私たちがしなければならないことは
まず、命を守ること、
疲れた心身を休めていただけるように衣食住が整った環境を準備すること、
そして必要な医療や介護を提供して、
清潔に安楽に過ごしていただくことが重要だと思います。

今後の課題は、
緊急入院や緊急入所された方々の、
生活の再建に向けて
療養の場や生活の場を
どのように確保していくかです。




私が勤務する病院、施設に緊急入所された
ある90歳の女性は、
奥能登で一人暮らしをしていたところ、
地震に遭いました。

介護保険の要介護認定を受けておられ、
被災地の役所からファクシミリで届いた、
3年前の介護認定の調査票と主治医意見書を頼りに、その方のプロフィール、これまでの生活の様子や状態を確認しました。

ベッドの側にお邪魔して、
お話を伺いました。

2週間過ごした避難所では、
布団で寝起きしており、背中が痛くてゆっくり眠れなかった、
水が流れないトイレに行くことが辛かったと
ご苦労されたことを教えてくださりました。

そして、
「私は生きていて良かったのか、
ここにきて良かったのかと考えています」と
話されました。


「命が一番大切。
生きていることが大切です。
まずは衣食住が整った環境で
心身ともにゆっくり休んでください。
これからのことは、
ご一緒に考えさせてください」
と伝えた私に、


「そうやね。
涙流すより、笑み多い日々にしたい」
とおっしゃった言葉が、胸に残っています。



涙を流すよりも、笑顔で生きる時間が多く持てるように、
被災した方々が、生きていて良かったと思っていただけるように、
ソーシャルワーカーとして、
仲間、職員とともに
できることを精一杯していきます。


ree-rose