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諦めかけていた雪組の新人公演でしたが、昨日、譲っていただけるという方からご連絡をいただき、急遽、新人公演を観劇できることになりました❣️

「凱旋門」は暗くて重い作品であることや、「命」をテーマにしているはずなのに、主人公のラヴィックは医者という「命」を大切に扱うべき立場にありながら、ゲシュタポのシュナイダーを撲殺したり、最後にジョアンをためらいもなく安楽死させてしまったり....。ジョアンも無邪気で可愛らしい女性なのかもしれませんが、身勝手で強欲で浅はかなところがちょっとどうなのかな....と。ラヴィックもジョアンも行動が意味不明で感情移入できませんでした。

どちらかといえば作品自体が苦手なタイプの作品であることに加えて、のぞ様率いる新生雪組にトド様が降臨して、大劇場で主演を演じるということにも複雑な思いを抱いている今回の雪組作品です。トド様の雪組大劇場公演への降臨を受け入れたとしても、なぜ、今の雪組に降臨しなければならなかったのか・・・。そしてなぜ、ラヴィック=轟悠でなければならなかったのか...。そしてなぜ「凱旋門」という作品がこのタイミングで上演されることになったのか...。疑問と不満は募るばかりでした。

凱旋門はトド様の代表作ともいわれている伝説化された作品ですが、今回の大劇場主演のトド様は、声のコンディションもあまり良いとは言えず、演技も古めかしくて不自然な印象は否めず、なにより相手役の真彩ちゃんとは親子にしか見えないというヴィジュアルのハンデを乗り越えることができない、といった点で雪組ファンの多くの皆様をがっかりさせています。私も、この「凱旋門」という作品の魅力が全く理解できなくて、なぜ、この作品が名作といわれているのか、不思議でしかたがありませんでした。

でも、もしかしたらそれはわたしの轟さんに対する潜入感や偏見のせいなのかもしれません。轟さん以外のキャスティングでこの作品をみたら印象がちがうのかも・・・という思いもありました。新人公演は、トド様以外のラヴィックを見るチャンスでもあります。若くてハンサムなラヴィックをみたら、作品の印象が変わるかも・・・と、新人公演に期待していたので、直前になって思いがけずにチケットを譲っていただくことができ、とても嬉しかったです!

仕事を終えて大劇場へは車で移動したのですが、途中で渋滞に巻き込まれてしまい、大劇場に到着したのは、開演後10分が経過した時でした😱インフォメーションセンターに預けておいていただいたチケットを引き取りお席へ・・・。

残念ながら縣くんの開演アナウンスを聞くことが出来ず、「雨の凱旋門」の歌を聴くこともできず、ジョアンとの出会いの場面や酒場でカルバドスを飲むシーンも見られなかったのですが、オテルアンテルナショナールでの群像シーンの途中から着席してしばらくすると、主演の縣くんが登場❣️

「このかっこよさは何⁉️」
「ラヴィックってこんなにカッコよかったんだ❣️」
・・・と、縣くんのスーツの着こなしや、かっちり固めたリーゼントの後頭部や肩のラインに、思わずときめいてしまいました💕

縣くんのことは、素敵な下級生の男役さんがいる❣️と思って、ちょっと気になってはいたのですが、それほど注目はしていなかったので、舞台の真ん中に立つとこんなにカッコよくなるんだ...と、すっかりファン目線でオペラグラスで縣くんを見つめ続けていました💕

正統派のリーゼントがこんなにも似合って、しかもおじ様っぽい地味なスーツを素敵に着こなせてしまうジェンヌさんは、他に月組のたま様ぐらいしかいないのではないでしょうか😍

避暑地のアンテーブで過ごすラヴィックの白いスーツの姿も素敵でした❗️お顔がちいさくて、男役としてのシルエットも完璧でした💕

ちょっと残念だったのは、相手役の潤花ちゃんもお歌がもう一つ・・・という点でした。潤花ちゃんは、ヴィジュアル的に美しい娘役さんですが、縣くんと並ぶと、ちょっとお顔の大きさと身長の高さが気になりました。ジョアンは難しいお役だったと思うので、潤花ちゃんは健闘したと思います。でも、やはり歌が・・・😱相手役として縣くんを支えるところまで行かなかったのが残念でした。新人公演学年の生徒の中には、彩みちるちゃんや野中ひまりちゃん、という実力のある娘役さんがいるのだから、こういう難しい役のヒロインは、無理に下級生を抜擢せずに、主演の縣くんを支えて引き立てるためにも、実力派の上級生娘役さんにお任せしたほうがよかったのに...と思いました。潤花ちゃんの将来のためにもここでマイナス評価がつくのは彼女のキャリア形成にとっても残念なことだと思います。

ボリス役のあやなちゃんもがんばっていました。のぞ様のお役を新人公演で立派に果たしていたと思います。やはり歌はのぞ様にはかないませんが、主な配役の3人の中ではあやなちゃんが一番歌が安定していたと思いました。あくまでも3人の中で、という条件付きですが・・。

「新人公演」なので歌のレベルはこれから....とは言うものの、男役さんも娘役さんも、雪組の下級生には歌が唄える生徒さんがちょっと少ないように思いました。美穂圭子さんが演じているホテルの女将を新人公演で演じたのは男役のゆめ真音くんで、なかなか安定した歌唱力だったとはいえ、お手本の美穂さんのレベルからはちょっと遠かったように思いました。

ご贔屓あーさのヨシツネの相手役だった星南のぞみちゃんも、今回は出演場面が少なくて、ソロの場面も少なかったのですが、やはり歌に課題が・・・。宝塚は
「歌劇」なので、雪組下級生のみなさんにはぜひとも歌を頑張って欲しいと思いました。雪組には歌が上手な上級生がたくさんいるので、下級生の歌の実力はよくわからなかったのですが、上級生のいない新人公演ではどうしても一人一人の実力が目立つことになります。歌は、訓練次第で上手になるといわれていますし、現に花組の柚香光ちゃんは、すごく頑張って歌の実力をめきめきとつけてきています。雪組の若手の生徒さん達にも歌のお勉強を頑張ってほしいと思いました。

そしてこの日、新人公演を見て一番感じたことは、「凱旋門」という作品は面白くない作品ということはなく、かっこいい男役がラヴィックを演じれば、楽しさが倍増し、観劇意欲も高まる、ということでした💕

そうであるならば、なぜ今回、のぞ様がラヴィックを演じなかったのでしょうか。縣くんのラヴィックを見て、のぞ様のラヴィックが見てみたくなりました。のぞ様のラヴィックはトド様を超えるラヴィックになっていたのではないかと思います。

そしてこの日、縣くんのラヴィックを見て、初めてラヴィックのセリフを全て聞き取ることができたことも収穫でした。セリフが聞き取れたことによって作品の理解度が深まったことも書き記しておきたいと思います。

終演後は、新人公演の長の期のあやなちゃんがしっかりとご挨拶。縣くんも、用意してきたご挨拶だったのでしょうか、しっかりご挨拶していました。カーテンコールは2回で、2度目のカーテンコールでは、縣くん、ちょっと涙ぐんでいました。トド様の役を演じたのですからプレッシャーは大変なものがあったのだと思います。無事に終わってよかったです。新人公演メンバーの皆さん、お疲れ様でした❣️

この日は、開演時間を過ぎて席に着いたたため、座席に置いてあったプログラムをみる時間もないままの観劇となりました。家に帰ってはじめてプログラムを開いてみたところ、今回の新人公演は上田久美子先生の演出だったことがわかりました。上田先生といえば、厳しい指導やダメ出しで有名です。謝先生の演出とは趣をかえて指導をされていたのだと思いますが、本公演よりも、セリフや仕草がナチュラルだったように思いました。上田先生のこだわりだったのかも・・・。本公演よりもほわかりやすくて、感情移入しながら見ることができたのは上田先生の演出のお陰だったのかも、と思いました。でも上田先生が演出を担当さりなら、バッディーのように思い切ってもっと現代風なテイストを盛り込んだ「凱旋門」にアレンジしてくれたら面白かったのに・・と思ってしまいました😅

週末の土曜日は、いよいよ雪組公演のMy楽です。本公演のメンバーがどんな風に進化しているのでしょうか・・・。そしてトド様の歌声は復調を見せているのでしょうか・・。複雑な思いを抱きつつも、ご贔屓の雪組のお芝居とショーの進化を期待し、観劇の日を楽しみに待ちたいと思います❣️