先住民たち
ちょっと前の話。
オレはステーキを食いにいったんだ。
勿論、諭吉がすっ飛んでいくようなところじゃない。
よくあるじゃないか、いかにも「ステーキハウス」って感じの、アメリカ西部だぞって店。
そこも外も中も板張りで、少し燻されたような感じが「いかにも」って感じの店だった。
手頃な値段の、まあそこそこのステーキに満足した俺はコーヒー飲みながら雑誌読んでいた。
ふと何気なく目線を横の板張りにやった時だった。
コーヒーちょっと吹いちまったぜ。
先住民がいたんだよ。
1cm程の、茶色いヤツが板の隙間でじーっとしてやがる。
まさかと思ってまわりの壁の隙間を見回すと、あっちにも先住民こっちにも先住民。
まさか食い物やでアレだけの数を見るとは思わなかったぜ。
なんでみんな気が付かないんだ。
ところで、オレはどうしたらいいんだろう。
叫んでみんなに知らせようか。
しかしお客には若い奥さんや、カップルもいる。
先住民発見の報に大パニックは必至。
店員さんにそっと知らせようか。
ただね、店員さん女子高生らしきバイトなんだわ。
これもヤバイ、騒ぎ出して二次災害なんてことになりかねん。
店長さんを呼ぼうかな。
おっかなそうな顔してるからやめた。
メンドクサイからそのまま勘定しちゃったよ。
*'``・* 。
| `*。
,。∩ *
+ (´・ω・`) *。+゚ もう、どうにでもなぁれ~
`*。 ヽ、 つ *゚*
`・+。*・' ゚⊃ +゚
☆ ∪~ 。*゚
`・+。*・ ゚
あれからああいうスタイルのステーキハウスには行ってない。
あの時はおとなしい先住民だったけど、
いつもそうだとは限らないしな。
食ってる最中に蜂起なぞされちゃたまらんぜよ。
魔女の一撃
急にね、ピシッと来たんだ。腰のあたり。
同時に激痛が。
「はううっ!」って思わず腰砕け。
はいっ!ぎっくり腰です。
力が入らない。直立の体勢を取れない
腰をチョット反らせるとたちまち「はううっ!」
これで二回目だぎっくり腰。
最初は学生時代、部活の最中。
今回よりずっと強烈だった。
組んでフッと動いたら「ボリボリボリ!」って、
初めて経験する激痛とともにその場にしゃがみ込んだ。
もう全く動けない。どうしていいかも分からない。
邪魔なのでこのカタチのまんま隅っこの方ににズルズルと引きずられて行きました。
痛みが走る動作が決まっているので、それさえ避ければなんとか仕事も出来る。
そういうところはじっとりとした痛みの、慢性の腰痛よりはマシかも。
それでもやはりポイントに入ったときの痛みは強烈で、
昨日今日と「はううっ!」の連発だった。
また激痛ポイント一歩手前の感触が独特で、
痛くすぐったいとでも言おうか、思わずもれる声は
「あはははははははは」
アホ丸出し。
今はだいぶマシになったけど、
昨日は布団の上でこんな感じだった。
そうしていると少し楽になってきた気がしたので、
ここから少しずつ身体を伸ばしながら、
ちょっと仰向けになってみた。
ゆっくりとこう
なった瞬間、
「ぴしっ」
「はううっ!!」
フリダシニモドル
欧米では「魔女の一撃」と言われているそうだが、
腹が立つほど秀逸なネーミングだな。
さて、お尻にバンテリンぬりぬりして、しばし静養だ。
夜も更けて
こんな事しててホントに仕事しとるのかと、
まあ、さぼ いやいや、小休止を決め込んでいるわけで。
なんか変なジャックフルーツ味のジュースを飲みながら、タバコ吸っとります。
ポツポツと人が歩いていて、
その内の一人がズンズンとコチラにやってくると、
オレの目の前の灰皿にタバコを捨てていった。
なんか構えちゃうもんだな。
一人で夜道を歩いてる女の人の気持ちが、分かる気がする。
だけどあからさまにオレを避けるようにして車道を渡り、アッチのほうでまた戻ったオネーサン。
アンタはやりすぎ。
さて、仕事に戻るか。



