葛飾区立石といえばセンベロで有名な美味しい肴とお酒が飲める街だ。

私が15の時より通うもつ焼きの殿堂宇ち多゛さんはじめ名店だらけだ。

宇ち多゛、立石の名店また行ってきた。 | redtylerのブログ

 

だが京成立石駅の高架化に伴い周辺が再開発されることになった。

既に駅の北側は取り壊されておりこんな風情のある区域も無くなってしまっている。

 

 

宇ち多゛のある南口側はまだこれからなのですが、時間の問題となってます。

玄庵は南口ですが再開発地区とは離れた奥戸街道沿いに有る。

 

 

建物はビルになっていてその2階に有るのだが、この建物は製粉屋の物だ。

そう、蕎麦の製粉屋がやっている蕎麦屋なんですね。

エレベーターに乗って2階へ上がると。

 

 

何ともレトロな雰囲気の店先です、入り口は右のドアではなく左側にあります。

時は休日の1時半、お店は何かの会合かすでに盛り上がってますねー。

だにも家族連れやカップルなど、やはり地元では名店でして入りにくい店なのにお客はいっぱいだ。

一人なので大きな8人テーブルの片隅に案内された、こちらは状況により大テーブルにアクリル仕切りで調整しています。

メニュー見ると昼飲みセットというのが有り、それを頼んだ。

 

 

アテ3品にお酒1号が付いて980円ですよー。

その内容は。

 

 

板わさは2切れ。

私も蒲鉾に関しては何時も鈴廣のそこそこな物を食しているのでこれもそこそこな物だというのは分かります。

プリッとして美味しい、蕎麦屋で出す板わさはこの位の物を出してほしいですよね。

 

 

ローストした鴨(合鴨)だ、これが3切れ。

こちらも出来あいの物をカットしただけですがムチっとした食感とやはり独特の風味は美味しいですねー。

そしてこれ。

 

 

剥いた蕎麦の実を茹でた和え物。

酢が効いてて酸味が有り、味醂の甘味旨みに胡麻油の風味が効いててこれがおいしー。

ちびちびと蕎麦前やるのには適切なアテの3品ですね。

合わせるお酒もですねー。

 

 

真澄の辛口ゴールド1合瓶です。

真澄を醸す宮坂醸造は諏訪湖の湖畔に有る蔵で私も何度か行ったことが有る。

限定の新酒の原酒を手に入れる為でその時に何時も酒を飲むときに使っている猪口を買ってきたんですね。

この酒も本醸造らしいきりっとしていながら芳香でよくぞこのセットに合わせましたねと言いたいですよ。

 

この後は天せいろを蕎麦はお声がけでと注文です。

このお声がけでっていうのは蕎麦屋さんの厨房へ通す通し言葉です、天ぷらを先に出して蕎麦はお客から声がかかってからという意味です。

 

 

天婦羅は季節の野菜にエビが2本。

この日の野菜は路地物の旬なアスパラガスですね、後はカボチャ、ナス、エノキダケです。

隠れていますが海老が大きい、食べ応えも十分なので当然真澄はもう1本ですよー。

一通り堪能しましてお蕎麦です。

 

 

蒸篭(せいろ)といっているのになぜか笊(ざる)に乗って来てます、この辺りは蕎麦屋さんの謎なんですよね。

蒸篭というのは四角い箱に竹のスダレが底に引いてある物、その名の通り蒸し料理に使う物だ。

江戸中期に蕎麦切りという物が発明され、それは当時蒸して売られていた名残という。

中華の点心はこれを何段も重ねて蒸してますよね、当時はこの四角い蒸篭もそうして蕎麦を蒸して提供していた。

なので初期には蒸す設備が有った和菓子屋等で売られていたという。

笊になったの現在のように茹でて提供するようになってから、蕎麦専門店となってからだといいます。

蒸篭も残ったのは見栄えをよくするためにひっくり返して盛り付けするのが流行ったからという説もありますね。

 

とっても久しぶりの蕎麦前からーの蕎麦食いでした。

昼酒はほぼしないのは以前から言ってますが(正月でも元日位だ)この日はたまにはね、そんな気分で立石に向かいました。

お目当ては間違いない物で美味しく楽しいひと時を過ごせましたよ。

いいですよね、こういうのも。