何時もの寿司屋へ行ったらシンコある物のあと一日だそう、江戸前の〆ものには食べ時が有るんですねー。

うまく馴染んだころが明日だというので頂いてきました。

これは刺身もそうで、江戸前では捕れたての活った物よりもそれが解け旨味を増した物を握りにします。

 

 

鯵も頂いたのでナメロウにした。

もうこれは日本酒モードでしょう。

 

 

はいー整いましたよー。

これゃたまらない組み合わせじゃないですかぁ。

8月に入ってシンコも大きくなって来てます。

計ってみるとー。

 

 

5センチですねー、こんなのを一匹づつ裁いて塩で〆て酢で晒すと。

その後このサイズだと二日ほど冷蔵庫で食べごろです、三日の方が美味しいという方もいますね(私だ)。

 

 

こんなに小さなのがちゃんと味がするのかと思われますが、しっかりと味も風味も旨みも有るんですねー。

もう最高の酒のアテです、日本酒進みますよー。

 

ここでシンコって何?とおっしゃる方へ。

新子(シンコ)はコハダの幼魚です(出世魚でシンコ→コハダ→ナガスミ→コノシロです)、江戸前寿司のこの季節の花形ネタですよー。

っていうかこのシンコこそが江戸前寿司を代表するネタです。

なので高級食材です、競りの初値は1キロ数万、10年ほど前にキロ10万の値が付いたほどです。

なのでとても珍重される、出始めは高いが出回ればだんだんと値段は下がってきます。

だかその出始めこそ江戸っ子が欲しがるんですねー。

何時もの寿司屋の出始めのシンコです。

 

 

4枚づけです、米粒の大きさを見てください。

店主は私には色々と食べられるようにいつも小さく握ってくれますので4枚で握ってる。

これは普通に握れば6枚づけのサイズです(左右に振って綾に握ります)、その長さはたったの2.5センチです。

こんなの美味いのかと言われそうですが、これがしっかりとコハダの味がするんですよ。

確かに少しライトになるのですが、そこがまたいいんですよねー。

 

このシンコは東京、豊洲市場で無ければ値が付かない、地方では値が付かないんですね。

そう、シンコをありがたがって食べるのは江戸っ子だけです、なので全国から豊洲へ集まってきます。

勿論地方で本格江戸前を握る店には有りますが、量は出ないので市場には無いから地元の漁師さんから直で引くか豊洲からわざわざ仕入れているんですねー。

 

という事は全国から豊洲にシンコが集まると、そうなると成長具合の違うのが入って来る。

 

 

一枚づけと四枚づけ、小さい方は3センチで大きいのは5センチサイズです。

この時大きいのは九州で小さいのは愛知だったか、こういう楽しみ方も出来ますね。

こんな感じで全国で捕れるシンコがお盆あたりまで楽しめますよー。

 

シンコは寿司屋は意地で握る、何て言われているネタです。

それはこんなに小さなものを何時間もかけて裁いて仕込むから手間が全く出ないと。

以前はコハダと同じ値段で出すのが普通でしたからね。

なので握れば握る程損をするという、大トロ同様儲けが出ないネタなんですね。

ただ最近は高級店などその珍重性から結構いい値段を取っているみたいですが。

私の行きつけは昔通りコハダと同じ値段ですよ。

 

だが現在では江戸っ子というか東京に住む人間でもこの存在を知っている方は少なくなってる。

何時もの寿司屋で出前の注文が来た時にシンコありますよと言ったら、そんなのいらないと言われたそうです、お新香と間違えられたみたいなんですね。

なので最近では寿司屋でもやらない店が有ります、原価も手間もかかるシンコは知らない客が増えたので無いお店も結構あるんですよ。

勿論名店老舗と言われるところは今時期の看板です。

 

さて、シンコが終わるころ今度は引き換えるように新イカが出てきます。

江戸前のイカといえば甲イカです、こちらではこれが真イカと呼ばれます(スミイカと呼ばれることも有る)。

新イカはやはり幼体で5センチくらいの大きさ、こちらは味というよりもプツリッとした食感が何ともいいんですよねー。

これが9月の中ころまで出ますから楽しみが続きます。

 

春の桜鯛(真鯛のこの季節の物)や鰆に春子(マダイやチダイの稚魚)、梅雨時の鰯や鯵やイサキ、夏はビワ貝(マダカアワビの枇杷色した個体)やカレイ(特にホシカレイやマツカワ等)、秋は真鯖他青魚、冬はクロマグロ、ヒラメ、ブリ、タコなど色々な魚貝が美味しくなると。

いや日本って一年中美味しい魚介が有りますよねー。

 

日本人に生まれてよかったー、ごちそうさまでしたーーーーーー、、、、。