という事で静岡2日目の夜です。

懇意にしていただいてた十千花前の店長が、自身の修行経験を生かした寿司屋形態の系列店をオープンした。

実は先月ちょっとお邪魔しているのですが、その時は十千花前へ行った後でそれ程食せなかった。

こちらはコースだけの設定だ、そうくればやはりフルで食べたくなるじゃないですか。

入り口は兎に角お店とはわからないような造りで、正に隠れ家的なお店です。

1階は和食で大きな鉄板が2枚あり2階は個室と寿司カウンターだ。

和食・寿司 一ふじニたか 開店のお知らせ | お知らせ | 静岡の食事・宴席・接待【公式】なすびグループ (nasubi-ltd.co.jp)

 

こちらなすびグループの中の一店なんですよ、聞いたことある名前じゃないですか。

おもうまい店ってTV番組で長いエビフライを吊るしたの見たこと無いですか、あれがなすび本店なんですね。

 

コースは料理と握りが交互に出るという、それをお酒とゆっくり味わってくださいとの事。

ビール頼んで待っていると。

 

 

先付はこちら。

 

 

地元の三保サーモンとそら豆の和え物。

三保サーモンとは深層地下海水で養殖されたサーモンです、今は無き東海大の水族館辺りにある養魚場さんが開発されたサーモンで現在絶賛販売中のようだ。

適度に乗った脂と養殖物に有る臭みは全くなくおいしい刺身でしたよ。

 

この後先ずこれが出て来た。

 

 

シジミの潮汁、十千花前同様こちらも先ずはお腹を温めて整えてからという事ですね。

肝臓にも用意させようとのシジミのようですよ。

 

こちらも三保の松原焼、いわいる藁焼きのタタキは名物として出ます。

 

 

盛大にファイヤーです、こちらは焼く前にこれをやりますと見せに来た、ぷっとい良い物でしたがちゃんと出し時を見極めていて1日2日置いてあるもののようです。

 

 

やはり十千花前よりも上品に2枚付でした、この時にはもう日本酒にチェンジしてます。

掛川の地酒開運です、無濾過の純米愛山です。

しっかりフルボデイでうまい酒だ。

 

 

いよいよ握り始めます。

 

 

大将は50くらいで丁度脂ののった辺り、新調した包丁は日本刀のようでカッコつけてるなぁ。

店内空いているようですがこれは奥のお客が引けた後で、この後も予約でいっぱいなのだそう。

始めに出た握りはこちらです。

 

 

マグロの赤身づけ、ちょこっと乗るのは和からしでこれ最初にやりだしたのは遠征の漁師さんだと聞く。

そういえば鰹の漁師さんたちも船上ではマヨネーズ醤油で食べているというのを聞いたことありますね。

品数が多いのでどんどん流していきます。

 

 

箸休め、塩昆布の和え物、かかっているのはうるめ鰯節です。

なので無くなったら頼めば出て来る、ガリは勿論出てますがこういうの有るのも気が利いてる。

そしてこんなのも出て来る。

 

 

寿司用のお手拭きといって出てきたが私は違うと思う。

というのも私は寿司を食べるときには右に有るようにおしぼりで常に指を濡らしているんですね、勿論シャリが手に付かないようにです。

なので湿り気の多いおしぼりを出すところは〇です、香の付いたおしぼりなんか出すところは×です。

こちらはこんな所も気が利いてる、だって形が指を拭くんじゃなくて濡らすための形してるじゃないですか。

大将にそうでしょっって聞いたら本当その通りのようでした。

 

こうやって書いていくと私かなりの長文になるので、握りと料理一気に行きます。

ホタテ焼き磯辺巻き。

 

 

巻き海老(車エビの子供)と頭の鬼がラ焼き。

 

 

太刀魚の塩焼き。

 

 

アワビの肝ソース。

 

 

実はこれ握っていないけど寿司になってる。

 

 

下にシャリが隠れてておシャリ、、いやオシャレだ、、なんて、、。

 

静岡といえば鰻も有名、これはより静岡市に近い島田産の鰻の手巻き。

焼き立て熱々なのも嬉しい。

 

 

握りが続きます。

マグロの中落ち、煮切りが塗られてる。

 

 

伊豆産の鯛。

 

 

北海道の北寄貝。

 

 

春子、タイの幼魚で今時期の旬なのだが。

実は春子(かずこ)にする鯛は幼魚でも赤が華やかなチダイを使う事が多いのだが。

マダイやキダイを使う事も有るので実は年中あるネタなんですね。

開きにして尾を付けた一匹づけにすることが多いのだが、こちらは小さく握っているので半身づけです。

 

 

奇麗に握られていますね。

 

 

鰯、小さいのを2匹づけとこれは珍しい握り方ですね。

小さいのに丁寧に処理されている、大きさからカタクチかと思ったのだが油の乗りからマイワシですね。

 

 

三陸のウニ、ムラサキウニだ。

近年濃厚なバフンウニが好まれているようですが、江戸前寿司がウニを扱ったのは戦後の事で。

それは当時の国鉄を使って行商に来た青森の方達が持ってきたのが始まりとの事。

保守的な江戸前職人たちはこんなもの使えるかと頑なに拒否していたようですが、あの銀座久〇衛の先代が考案した軍艦巻きがウケると瞬く間に広がったネタですね。

それはエゾムラサキウニだったんですね、なので現在も江戸前のウニといえばこれです。

あっ、また色々書いてる、先進みます。

 

 

マグロの大トロが出てきました、炙りが入っていますがこれも寿司なんですねー。

左上にシャリが見えるでしょ、そう下にはシャリが敷いてあるんですよ。

そて卵黄だ、焦がし山椒醤油が掛けてある。

まず卵黄を崩して大トロをどうぞと。

 

 

いやこれ反則だろ、うまいに決まってるじゃないかぁ。

濃厚な炙り大トロに卵黄だよ、シャリを絡めてもこれまた旨い。

 

 

〆は玉子焼きでした、甘めの関東風でこれはデザートかな。

いやぁ美味しかったです、が、ちょっとだけ物足りないかなぁ。

 

なので大将に言ってこちらの若手に握ってもらった。

 

 

彼も十千花前にいて今回大抜擢でこちらで修業している、握りは何とか様になって来ているようなので握ってもらった。

 

 

おっ、いいじゃないですかと思ったがシャリがほどけてますね。

春子も握ってもらった。

 

 

何とかシャリをふわりと握ろうと頑張っているのが見ても分かりますよね。

シャリの中心部を緩く、外部で形を保つように一生懸命に握っているのが判る、頑張っているな―。

ただネタの折角の仕事が生かされていなくて切れ目が閉じてて華やかさが無い。

もっと精進して見た目も食べても美味しい握りを楽しみにしていますよー。

 

 

こちらこのコースで12.000円と東京に比べると破格だ。

ビールに美味しい地酒を3合に追加の握りで2万ちょいとでした。

オープン一ヶ月ですが既に連日盛況のようで、この日は週の半ばにもかかわらずカウンター予約は3回転するという。

一般の方がおいそれと行けるところでは無いです。

客層はやはり羽振りの良い方が多いようで姉ちゃん連れの目を細めるような方から。

お隣のご夫婦は地元信金の頭取のようで個室のお客がとり引き企業のようで入れ替わりに名刺持って挨拶に来てました。

そのたびに頭取私に気を使っててゆっくり楽しめたのかなぁ、このご夫婦はシャブリ飲んでましたよ、柔軟な酒揃えも流石ですね。

 

という事でとっても満足な静岡の夜でした。

大将また行きますからねー、おいしかったー、ごちそうさまでしたーーーーーー、、、、。