地元にもう30年から通う寿司屋がある、馴染みの店だ、、。
女将さんが亡くなったり、大将が病気したりでいろいろあったが息子が継ので暫くは通えるかなぁ、。
でもコロナで今までよりも随分と行かなくなってしまった、久しぶりである、、
先ずはビールから、はじめは山掛けです、、。
ここは席に着いたらオーダーはしない、私に合わせてその日の物が勝手に出てくるのだ、。
昔からの東京下町の寿司屋はこちらから言わない限りはこんな感じです、逆に今日はこんなの入ったよなどと聞いてくる、肩ひじ張らずに気軽がいいですよ、、。
なので目の前にはこんな風に、連れと二人なので少しづつです、、。
この日はカンパチですね、江戸前の寿司は熟成なのでこれも入荷してから2日目でねっとりしとて来てうま味が増してる、、。
江戸前の寿司屋のイカは東京湾でとれる甲イカ、こちらではスミイカと呼ばれるものが主だがこれは剣先イカ、こちらだとミズイカとかスミイカとか呼ばれるものでこれも使われます、。
皆さんお馴染みのスルメイカ(これも真イカと呼ばれる)は身質が強いので握りにはシャリと合わないので使わない、、。
にしてもイカはその地方でいろいろな呼ばれ方があり、同一種でも呼び方が違うので混同しますね、、。
焼き物が出てきます、この日はマグロのカマのつけ焼きです、、。
筋が多いカマですが焼いてしまうと筋がなくなる、脂も乗って醤油の香ばしさとで美味しいですねー、、。
このころになると日本酒にチェンジしています、。
ここの日本酒は私のお願いで高清水にしていただいています、秋田の酒で本来の酒造りの蔵と近代的な工場とを持っている蔵です、。
この通常酒は勿論工場生産だが実直なお酒を提供しているのでこれが香りもよくて人肌がおいしいんですよねー、(人肌は酒を燗する温度、その通りの温度なのだが今はなかなか通じなくなっていて、他ではぬる燗なんて無粋な言い方で注文しなければならないのが残念です)、。
茶碗蒸しが出てきた、、。
どうしてこうお店で出てくるのって滑らかなのでしょうね、中の具は海老に百合根に銀杏にウニも入って具沢山ですよ、、。
息子にはこれドンブリで出てきましたぁ、、。
そう、昔は私もこのサイズを出してもらっていたんですよねー、、。
息子の握りも出てきます、、。
中トロがヅケになっているのでこちらにもとお願いしたらこれでおしまいだそう、がっかりですねぇ、。
息子はこの後もイクラだイカだと好きなものを何個か食べて満足のようです、。
私たちもそろそろ握ってもらいましょうかねー、ということで、。
大好きな光物でコハダ、。
そういえば今年はシンコ食べていないです、いや去年も台2波で食べてない、、。
一昨年のシンコ(コハダの幼魚)です、、。
私用にシャリを小さく握っているので4枚付です、普通に握ったら6枚付の大きさですね、。
このシンコは初夏の江戸前寿司の大事なネタです、これが出ないと江戸っ子の夏は始まりません(こんなこと言う輩は少なくなってしまいましたがね)、。
まあ、シンコ自体価値が付くのは東京豊洲だけですからね、なので全国から送られては来るのですが地元では値が付かず流通しないという不思議なネタではあります、、。
海老は巻だ、クルマエビの子供です、、。
ここは活けの物を仕入れて串にさして茹で上げています、これも昔ながらの作り方だ、。
頭の中の身まで付いているのが分かりますよね、茹で上げて冷めてからそーっと引き出さないとこうならない、あくまでネタに仕事をする江戸前の寿司屋なんですよー、、。
煮ハマ、ハマグリの煮たもの、これも江戸前のネタです、。
江戸時代屋台で売られていた寿司はネタが持つように工夫されたものが現在も踏襲されています、。
回転寿司にはこんなネタないですよね、他にアワビやトコブシを煮た煮貝やイカを煮た煮イカなんてのもあります、。伝統的な寿司ネタです、、。
連れが大好きな赤貝、閖上の上物が入ってるのはラッキーですね、。
そしてそのひもを使ったヒモカッパ、、。
これ一巻作るのに赤貝が2~3個必要です、私のこれは大好物ですよー、。
しゃくりとした貝紐とサクッとしたキュウリがシャリと合わさり、海苔の風味とでとってもおいしー、。
イクラは今年かなり高騰、鮭が取れないというのだからおかしな話、代わりにブリが上がっているとはやはり温暖化で海流が変わっちゃってるんですよねー、。
更にこれだぁ、、。
こちらもかなり高騰しているので、これ色は悪いが味はいいよって、、。
目利きで何とか良いものをというのが分かります、。
現在ロシアからの海流に乗ったプランクトン、いわいる赤潮の影響で噴火湾周辺の物がかなりのダメージのようです、、。
ウニは稚体を放流してから収穫までに3年かかるという、なので再来年まで高騰が続くということです、。
ただ回転寿司に使うような輸入は大丈夫でしょうね、、。
江戸前寿司にウニが使われだしたのは昭和30年ころからだという、。
国鉄を使った行商人が東京で広めたということのようですが、当初は全く受け入れられなかったようですね、、。
銀座久兵衛の先代が考案したという軍艦巻きが普及してから広まったようです、。
何時ものように〆にしじみの赤だし汁を頂いて終了です、。
いやぁ、やっぱりいいですねー、落ち着いてゆったり楽しめるし何よりうまいです、。
鮮度抜群のコリコリとしたネタもよいですが、こういった江戸前寿司もいいもんですよー、。
翌朝はお土産の太巻きです、、。
大将、息子さん、これからもよろしくですよー、。
美味しかったぁ、ごちそうさまでした、。