東京の下町には寿司屋が多い、特に生まれ育った墨田区向島は花柳界が有るので事更だ、。
それでもだいぶ少なくなっている、往時の1/4くらいまで減ってるんじゃないかなぁ、。
それでもまだ他に比べると多いんですね、。
それは昔は寿司屋がとても身近な存在だった事、各家馴染みの寿司屋が有ったくらいだ、。
子供の頃よりこんな環境なので、会社が引っ越した時(1キロ無い位だが)は真っつ先に行きつけになる寿司屋を探した程だ、、。
そうして見つけたのがここ、何軒か廻ってこちらは江戸前をしっかりと守っていると思ったから、、。
ここの店へ来れなかったのはコロナだけじゃ無いんですね、親父さんが体調崩してしばらく休んでいたんです、。
先ずはこれで一杯やっててと、、。
イクラとゲソ、イクラは醤油漬けと塩漬けと有るがこれは塩漬けの方、。
ゲソはこれ握れませんからこうしてつまみになります、後述する煮イカの副産物ですね、、。
マグロと赤貝をつまみに日本酒ですよねー、、。
江戸前寿司はネタに必ず手間をかける、新鮮なネタを握っているのが江戸前寿司じゃない、。
鮪だって仕入れてからちょうど良い具合になるまでは出してこない、おいしい機を見計らって出してくるのもひと手間だ、なので冷蔵庫には仕入れ日違いのがいくつか入ってます、、。
最近熟成寿司なんて話題になっているけど極端な物じゃ無ければ江戸前の寿司屋は昔からやっていることなのだ、。
これは仕入れて5日程たったもの、水気が適度に抜けて鮪の旨みが凝縮しねっとりとした食感になっています、。
そう、鮮度の良いイカったネタは使わないし旨いとも思わない(海鮮丼とかは別ですよ、これは鮮度第一だと思う、でも握り寿司はシャリとの相性なので角の立ったネタは合わないですね)、。
塩や昆布、酢で〆るのもひと手間ですね、、。
しめ鯖は昔から晩秋から冬にかけての花形ネタだ、これは飛び切り鮮度の良い物を使うが〆てからは1~2日置いてからの方が馴染んで旨い、、。
一番特徴的なのは煮しめるという手間、、。
煮ハマ、、。
見ての通り煮てこの大きさという事はかなり大きなハマグリだ、。
もうこのようなネタを出すところが少なくなって来た、仕込んでもお客さんが知らないので出ない、なので徐々に出すところが少なくなっている、。
江戸中期に発祥したという江戸前寿司を代表するようなネタだと思うのだが、何よりうまいしね、。
煮イカ、。
現在の様になま物の保存が難しかった時代に編み出された技法だ、煮アナゴもそうですね、、。
この煮イカに使われるのは身肉が厚いスルメイカだ、庶民の味方が今年は激減していて高騰している、。
やはり温暖化による海水温の上昇が原因だろうか、。
スルメイカはしっかりとした身肉なので握りにはしない、握るのは甲イカ(東京では真イカ)だ、、。
しっとりとしてておいしい、スルメを握る時は細かく隠し包丁を入れますが、食感味ともこちらの方が握りには合ってる、。
晩夏のシンコの旬が過ぎたころこにこの真イカの子供の子イカ(出始めは新イカとも言う)が出てくる、これがまた絶品なんですねー、、。
シンコも子イカも東京が一番高く扱ってくれるので豊洲に全国から集まってくるんですね、なので他県で食べるのもほぼ豊洲の物です、それだけ江戸っ子はシンコや新イカを珍重するんですね、、。
そういえばこのコロナで今年は両方とも食べそびれたぁ、、(悲)、。
巻物も外せません、、。
私の大好物のひもカッパです、、。
赤貝のひもをキュウリと巻いた物で一本作るのに貝ひもが3~4ヶ分必要という贅沢な巻物だ、、。
他にもつけ焼き物でマグロのづけのトロ、、。
筋が多い部所だが火を通すと筋は無くなる、脂がのってうまい、、。
連れと一緒なのでメヌケのつけ焼も出ました、、。
これも油が乗ってて美味い、深い海に棲むメヌケはなかなか市場に出ない魚です、。
順序は違いますがこれ何にも注文してなくて出てくる、つまりはいつもの店ってのはこういう事なんですよ、。
こちらの好みやお腹具合飲み具合により頃合いを見て出してくれます、。
最後もいつものしじみの赤だしで終了です、、。
久し振りに美味しくって充実の時間でした、。
美味しかったです、ごちそうさまでしたー、、、、。
追記
シンコが食べられなかったのが悔いが残ります、。
昨年のシンコです、、。
来夏まで食べられないなんて、、悲しいですよー、、、。