新春毎年恒例の成田参り、、。
別に私が信仰しているわけでは無いのだが、父から譲り受けたもの、、。
なんだかんだ言いながら私の代だけで20年以上続いています、、。
勿論お楽しみも有りますよー、、。それは参道の名物鰻である、、、。
成田は印旛沼をはじめ牛久沼、手賀沼など昔からの漁場が多い(現在は河川治自等で天然鰻は取れませんが)、。更には坂東太郎と呼ばれた利根川まで(利根川産は超ブランドです)、、。
古くから鰻が沢山取れて、それが名物となっていたのだ、、。
明治43年創業の川豊さんを始め300年の歴史を持つという近江屋さん等名店が犇めく、、。
私はその近江屋さんが大好きで、かなりサラリとしたタレで焼き上げられる蒲焼は昔の江戸前を感じさせるのだ(
店名は近江なのだが江戸中期から続く店です)、、。
私の若い頃に偶然見つけた店が、スカイツリーの押上と錦糸町の間位の路地を入ったところにあって、、。
老夫婦二人での営業、、。店はまさに街の食堂といった感じで、丸い穴の開いたパイプ椅子に合板のテーブルが4席だけ、、。
だが厨房は大きくて、そんな中でも焼き場はかなり広かったのを思い出す、、。
入るなり親父さんが、蒲焼しかないよ、、と一言、、、。
うな重をお願いして出て来た物は、私が今まで食べて来た鰻の蒲焼とはちょっと違う物でした、、。
あの濃い飴色をしたてらてらと輝く蒲焼では無く、。それこそ生醤油か?、と思うくらいのあっさりとした蒲焼だった、。だが鰻のうま味はたっぷりで、私はこれがとても気に入って何度も通ったものだ、、。
ある時知人に連れられて行った神田の老舗の鰻屋で、そんな話をしたなら、。
店の大将が、実はその店こそわれわれ江戸前の鰻職人が通うような店だと知らされてびっくりした、、。
大将も年に一度は行くという、、。古い江戸前の原点な店だったのだ、、。
勿論20年以上前にはそのお店は閉めていますが、私も記憶に今でも鮮明に残っています、、。
近江屋さんの蒲焼はそれに近いのだ、なので私はここが大好きなのだが、、。
折角沢山の老舗、名店が並ぶ成田の参道である、やはり違うのも体験してみたいと、、。
今回はその近江屋さんの斜向かい、大野屋旅館さんへ行ってみた、、、。

木造3階建ての立派な構築に望楼が聳え立つ、昭和10年建造の国有形文化財の建物だ、、。
名称から分かるように本来は旅館である、。現在のように食事専門とされたのは戦後という事だ、、。
果たしてここの蒲焼はいかがな物であろうか、、、。

鰻の蒲焼ってーのは(いきなり江戸弁)おろしてから蒸して焼いてで本当は40分くらいかかる物なんですね、。
下ごしらえした物でも20分は待つのが普通だ(下町人は解っていますが、そうじゃ無い観光客さん等はオーダー通っているか不安に感じて店の方に確認するそうですね)、、。
でも繁盛記の正月の成田参道は、見越して焼いていますから10分経たずに登場してきますよーー、、。
では、、じゃじゃーーーーん、、、、と、、。


こう見るとジューシーぽくも見えます、見た目は私の好みとは逆な方向ですねー、、。
で、実食しますと、、、。
成程、たれは見た目通り良く纏いますがしつこくはないです、もっと甘ったるい物を想像しましたが、、。
ふんわりと焼き上げられた鰻にうまい具合にタレが絡む、、、。
タレの染みたご飯と合わさり、文句なしに美味しいうな重ですよー、、。
でもですねーー、やはり私は近江屋さんのサラリとしたタレが好き、、。
生醤油に近いので(勿論他店同様に頭、骨と一緒に味醂などで採ってますよ)香ばしくって、ふんわり鰻にきりっと合わさるとたまらないんですねー、、、、。
で、連れは何と川豊さんのが好きなんだって、。
こちらは現在の蒲焼の正統を走るという風に私は思っています、、。
普通に関東で食べる鰻蒲焼のとっても美味しいバージョンといったところでしょうか、、。
一口に鰻の蒲焼と言っても、ここ成田参道だけでも色々とバリエーションが有りますねー、、。
こういう食べ比べも楽しいですよね、、。
鰻が美味いこの時期に(鰻の旬は脂の乗る冬ですよー、平賀源内に騙されないで―)今一度、。
こんどは大戸屋さんへ行ってみましょうかねー、、。
おいしかったぁー、ごちそうさまでしたーーーーーー、、、。