下町の向島という土地で育った私は馴染みの寿司屋が無いといけないという変な習性になっています、。
ちょっと前までは町内(下町は狭く数百メートル)範囲に10件くらい寿司屋が有るのだ、信じられないでしょ、。
数十メートルごとに寿司屋、花街の一角では10メートルに3件並んでるところだってあったんですよ、、。
つまり密着しているんですよ、。勿論芸者さんをつれた旦那さんたちが来てたというのも多いですが、もっと家庭に密着していた。子供の頃遊んで帰ったら〇〇寿司にいるという置手紙が有り、喜んで向かった記憶が有りますよーー、、。
現在はかなり淘汰されています、でもまだ町内に2~3件は有りますから多いですよー、。
なので工房を向島から東向島へ移転したときも(徒歩数分ですが)直ぐに行ける寿司屋を探したのが25年前、。
それがここなんですねーーー、、、。
この日はjasonが一緒、彼はここを事の他お気に入りなのだ、、。
先ずは付き出し代わりにゲソである、、。

江戸前のネタに煮イカというのがある、これはその握らない部分、(言えば握ってはくれますが)、。
ゲソとエンペラが軟らかく煮られて、つめが塗られてくる、。これがうまいんですねーーー、、。
今日は閖上(ゆりあげ)の良い赤貝が入ったとの事、ここは何も言わずともその日のおすすめを出してきます、。

貝は鮮度ですね、、。勿論開けたてだが、ここへ来るまでの道のりも重要、、。
豊洲は良い物が全国からいち早く集まってきます、。それは当然高い値が付くからなのだが、、。
でも適正価格を自分たちで守るというのも築地時代からの伝統で、カニなどは北海道など産地よりも同じもでもが安い価格が付きます(これは観光目的でいつも問題になっていますね)、、。
マグロと生エビ、、。
甘エビじゃないです、。ここは昔ながらの才巻エビというクルマエビの子供を使っている、。
仕入れしたばかりでまだ生きている物がある時にはこのように生で出してくるのだ、贅沢である、、。

〆たアジだ、、、。
これまた良型のアジ、なので生で出したものとこのように〆て酢で洗ったのを熟成として出している、。

そう、江戸前寿司はまだ冷蔵技術なんかまったく無かった江戸後期からある訳で、、。
なので煮たり〆たりと、。生だって具合を見ながらの熟成になる訳だ、、。
タイの握りが出て来た、、。

身が飴色している、熟成は推定1週間から十日くらいでしょうかねぇ、、。
これはクロダイである、、。釣り物で常連客の中に釣りする方もいますのでこのような儲けものにも有りつけます、。
大船渡の網本さんから送られてくるものもあり、震災時には心配した物の現在はしっかりと復興成されているようで、。安心と共に有難く恩恵を受けていますよー、、、。
ウニは軍艦でなく登場、、。

江戸前のウニはムラサキウニだ、、。
現在は流通が安定している東北、北海道さんのキタムラサキウニが主流だ、、。
ウニは取れる隣同士でも開けてみないと中身の良しあしは解らない、、。
なので箱ウニという形で売られている、これちょっと前に書いたようなのでうるさいですから次行きましょう、。

煮イカとエビ、、、。
煮イカはこれも伝統的な江戸前寿司のネタ、。日持ちさせるためにひと手間加えるというのが江戸前寿司だ、、。
トコブシを使った煮貝やハマグリの煮ハマ等、日持ちしないものを美味しく安全に食べさせるひと手間だ、、。
エビは前述才巻と言われるクルマエビの小さいの、これが江戸前の純正だが、。今は価格の安定した海外の冷凍物が殆どになっていますね、。
曲がらないように串を刺して茹で上げられたものを丁寧に剥くとこのように先端にも身が付いてくる、。
ふっくらと炊きあがってて甘みもある、流石です、、。
いよいよ巻物だ、、。

小さいのはひもカッパ、。赤貝の紐をキュウリと一緒に巻いた物、。何度も言っていますがこれ私の大好物、。
赤貝が2~3ヶ無いと1本巻けないのだが、これを頼む方は少ないようでどこの寿司屋でも結構出てきますね、。
長いのはかんぴょう巻き、。私にはさびを効かせて巻いてきます、、、。
長さが違うのは食感と共に食べた味も変るんですよ、ひもカッパは、4つ切りに、かんぴょうは3つ切りだ、。
この辺は決まり事なので、職人さんに聞いても多分的確な答えは出てこないと思う、。
ただちゃんとした店で修行された方ならばこのように切り分けてくると思う、、。
海苔に緑の部分が見えるでしょ、。これ青混ぜという海苔なんです、、。
養殖途中に青海苔が混ざっちゃうもの、。なので昔は出荷できずに地元で安く消費されていた、。
それが最近テレビで貴重な物なんて言ったものだからいきなり高級品になっちゃった、。
当然入手も難しい物に、、。
なので前はjasonの現在の地元木更津で買って来てここへ渡していたのだが、。
今はある場所から買って来ます、なのでそれは内緒という事でね、。
香りが抜けて食べたら驚く巻物なんですよーーー、、。
最後はしじみの赤だしで終了、、、。
柚子胡椒がちょっぴり聞いておいしー、、。
この柚子胡椒も亡くなった女将さんの故郷、長崎の料理人が生の青柚子と青唐辛子を使って作ってくれたもの、。
マスクとスイミングメガネの装備で作るんだそうで、市販の物とは違う鮮烈な風味の物なんです、、。

これらが私の腹具合を見てゆっくりとお酒に合わせて出てきます、、。
とちゅうから連れと子供も合流しJasonももう大ご機嫌ですよーーー、、。
やっぱりこういうほっと息抜きが出来るお店は必須ですねー、、。
もうすく゛3代目に変わるでしょう、私が来た当初はまだ学生だった、。
その彼の握る寿司も楽しみだなぁ、、。
ごちそうさまでした、、、、、。
