足立区は大谷田、良く通る道すがらに前々から気になっている店が有る、、。
夜は居酒屋兼の営業になるようで、前はやっていた昼営業をここの所やっていなかったのだ、。
だが最近になってのれんが掛かり店内の明かりも見えると、、。
これは行ってみないとですねーーー、、、。

手打ちそば、蕎(きょう)さんである、、。

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ちょっと上がったフロアになる店舗、これ以前は焼肉屋さんだったんじゃないかなぁ、、。
煙の排ダクが有ったんじゃないかな、、、。

店内は落ち着いた感じでカウンター6席に4人テーブル2つと2人テーブル一つ、大人数にも配置換えで対応できる仕様になってます、。
このへんは夜営業には良いですね、前はうちの近くにも美味しい蕎麦屋が有って毎晩入り浸っていたんですがねー、無くなってからは流浪の民です、。

店に入ると40才くらいのご夫婦での営業だ、確かに夜が長いとランチ営業は大変です、、。
この日もご主人は寝不足のよう、女将さんがテキパキとの対応が救いだ、、。

定番天蒸籠もいいし、大好きな鴨蒸籠もおいしそう、。メニュー見ると鴨は別皿になっています、、。

でも初めてなのでシンプルなそばを味わいたい、、。
そんな中通常の二八と田舎の二色もりを頼みました、、。

当然別に茹でています、茹で時間が異なりますからねー、、。

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美味しそうなのが出てまいりましたよーーー、、。
はんなりとした二八としっかりと幅広く打たれた田舎がそそりますねー、、。

二八といっても定義が有ります、、。

全体量を10として、その内の2割が小麦粉で8割が蕎麦粉の通称内二と、(通常二八といえばこちら)、。
重量比10の蕎麦粉に2の小麦粉を足して打つ外二とが有ります、。蕎麦粉の配合率の多いのは外二の方ですね、、。ここは内二のようですよー、、、。

その二八から食べて見ますとー、、。
何とも良い香りだ、新そばはこれからだが(夏蕎麦はとっくに出ていますが真打秋蕎麦はこれからですね)真空パックが主流の今は時期を外しても温度管理さえよければ美味しい蕎麦が食べられる、、。

30年ほど前に浅草の並木藪さんが冬場に南半球で旬のオーストラリア産の蕎麦を使ったりしていたのを懐かしく思いますねー、、。当然今はやってはいないです、それ以前にお客さんがオーストラリア産に抵抗が有ったみたいですよ、、。

ちょっと外れますが、、。
浅草並木藪さんといえば、上野、神田と並ぶやぶ蕎麦発祥の名店、、。
その名物は天ざるですが、。この天ぷらがまあるい海老の天ぷらなんですねー、、。
なので知らない方は冷凍の丸い玉エビを使っていると思って食べている、店内にも何の記載はないからほとんどがそうじゃないかなぁ、。

でもね、これは江戸の頃より伝わる芝エビをわざわざ丸くした玉造りという手法で揚げられた海老天なんですよ、。
流石に現在は江戸前の芝エビは無理ですから、それでも国産の鳥取や島根という日本海産の物を主に使っているという、、。これもし行った時には覚えておいてくださいねーー、冷凍エビとは違う物ですから、。
他にもつゆはかえしをカメに入れて一週間厨房奥の土間に埋めて落ち着かせたものを出汁と割って提供するとか、、。老舗ならではの伝統が残っているんですよー(でも肝心の蕎麦は私の好みとは違ったりしてね、趣向ですからね)、、。

話を戻してこの店の二八だ、、。

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見て目ははんなりと書いたが食すると弾力に驚かされる、。
蕎麦自体を口に法張り、反対側を箸で引っ張るとびよんと伸びるくらいだ、、。
なのでこの細さだが食感はかなり独特でこれがとても美味しい、、。

まるで湯こねをしたみたいだが、透明度は無いのであのグルテンは無くこれは水ごねである、、。
湯こねとは水回しの初めに熱湯を一廻ししてグルテンを作り、それを水こねして打っていくという技法、、。
10割などのまとまり難い粉でもグルテンで結着するので、素人でも打ちやすいのですが、。
私はこれはこれで独特の食感と風味で好きだ、福島の山都町で頂いてから虜になった、、。

これはアルカリイオン水で打っているのかなぁ、前にアルカリ性の水で打つとコシがでると聞いたことが有ります、、。また脱線しましたぁ、元に戻して、、、。


田舎蕎麦の方はどうでしょうか、、。

この田舎蕎麦ってのも定義は色々ですねーーー、、。
一般的には黒っぽい蕎麦の殻まで精粉した物で打ったものが田舎蕎麦と呼ばれている、、。
何でそうなったかは不明ですねーー、見てくれでしょうかね、、。

蕎麦の実は臼で挽くとまず柔らかな中心部から粉になって行くんです、、。
臼で初めに出る粉なので一番粉とも言う、白い粉でこれで打ったそばも白い、。そう、更科だ、、。
なにのでこの粉の事を更科粉とも言う、。
 
挽き立ては水分含有量も多めなので加水少なく打つとあのパッツとして喉越しのいい更科蕎麦になるんですねー、。蕎麦の実の2割から3割くらいしか取れないのでかなり贅沢で高価な蕎麦である、、。

ここで選別せずにもう一度皮から全部を臼で挽いたものが二番粉、通常の蕎麦はこの二番粉で打たれることが多い、、。風味も有ってこれが一番と言う蕎麦通の方も多いですね、、。

さらに挽いたのが三番粉、でも実際はそこまで挽かれることは無く2番半とか2番7部とか呼ばれる、、。
ただ現在は通常粉+それを取った残りに甘皮の部分の粉を混ぜて作ったものが多く、無駄なく利用されています(更科粉取った後も勿論利用されています)、。これが田舎蕎麦の元の粉となります、、、。
ただ現在は製粉所でブレンドされるものが多く、これは自家製粉の場合にだけに当てはまるものとなっています、。


平たく打たれたここの田舎蕎麦は、他店の太く打たれたものとは違い食感も喉越しもいい、、。そして伸びるような食感も有りますよー、。あの独特のぼきぼき感は無い物の、しっかりと蕎麦の甘皮を含む甘味、旨みを感じられます、。

ご主人はどこの修行でしょうかねーーー、今度元気な時に聞いてみたいですねーー、、。
使われている蕎麦は北海道産の物です、この辺にヒントが有りますかねーー、、。

とにかく蕎麦大好きな連れをつれて行かないとですねーーー、。
おいしかったですよーーーごちそうさまでしたぁーーーーー。