安住の地?ラグランジュ点 | ランニングとフライトシミュと・・・♌スフィンクスのホロスコープ☄

ランニングとフライトシミュと・・・♌スフィンクスのホロスコープ☄

星好きな市民ランナー 兼 バーチャル・パイロットの日記、フィクション、タワゴト、ちょこっとボランティア

前回の記事の、最後の海王星と冥王星のセプタイル・ランデブー
の期間(1935年~2019年)は、私が一部過ごしてきた時代ですが、
振り返ってみると、まさに激動と激変の時代だったと思います。

 

最初に海王星と冥王星がセプタイル・アスペクトに入った頃、第二
次世界大戦が始まりました。(1939年)そして太平洋戦争(1941年)
へと拡大、その後もベトナム戦争の泥沼化(1962~1963)し、中東
戦争も頻発しました。

 

また、東南アジアでは1970年代に、カンボジアのポル・ポト派が勢
力を伸ばし、ナチスを凌ぐ大量虐殺を繰り返しました。

 

そして、戦争や戦争間に起きた革命は多数の難民を発生させまし
た。このため、20世紀は「難民の世紀」と云われています。

 

 

20世紀から21世紀に移る頃、冥王星の動径(太陽との距離)が次
第に長くなり公転速度が遅くなり始め、セプタイル・アスペクトから
抜け始めました。

 

この頃は、冷戦終結後の秩序が不安定化した地域での紛争が多
発してゆくなか、テロの標的も無差別化していきます。

 

21世紀になると大きな戦争はなくなりましたが、家電の発達やIT
革命により仕事や生活様式、食生活の変化が進み、自死や肥満
による死者が戦争・暴力による死者を上回るようになってきました。
「飽食の時代」と云われながら、一方で子どもの貧困など格差社会
が問題になっています。

 

これに加えて、グローバル化に伴う新感染症蔓延の脅威や、温暖
化による災害の頻発と、多くの不安に脅かされながら私たちは生き
ています。

 

今後は一体どうなっていくのでしょう?


科学と経済の発展は、人間を幸せにしていくのでしょうか?今まで
も確かにモノは豊かになって煩わしい作業は機械に任せればよく
なってはいますが、暮らしが楽になったという話は聞いたことがあり
ません。

 

逆にコンピュータシステムにこき使われ、人減らしや薄給で長時間
タダ働きをさせられたり、いつも端末とにらめっこで家族とのだんら
んもない。余暇はゲームや会ったこともない人間との通信ごっこに
明け暮れる。有名店のスイーツの写真をSNSにアップして、全部は
食べず残して帰る。

 

「何かがおかしい。」

 

AIや量子コンピュータの発達はめまぐるしく、これからは脳の大脳
皮質を直接クラウドにつなげることにより、脳をアップデートしていく
時代がくるでしょう。ひとつのコンピュータではなく、クラウド内に無
限のAIと大脳皮質が存在し、それこそ無限に知能が拡大していき
ます。

 

これが「シンギュラリティ」の真相です。AIが単に発達するわけでな
く、人類の脳をクラウドとハイブリッドしてアップデートすることによっ
て、ある境界線を突破し、指数関数的飛躍を遂げるというものです。

 

ここまで来ると、個人の行動もなにも常に監視されてしまうでしょう。
我々は自らの発展のために、自ら居場所を無くしていくのでしょう。

 

「何だかゾッとします。」

 

地上にはもはや、安住の地など望めないと、諦めてはいませんが、
ここで宇宙の状況を見てみましょう。

 

宇宙での安定したポイントとして有名なのが、「ラグランジュ点」と呼
ばれる、あらゆる天体の軌道上に存在するポイントです。

 

ポイントは、L1~L5まで5つあります。(下図)

 

from:

 

例えば、「機動戦士ガンダム」では、月の軌道上のラグランジュポ
イントにスペース・コロニーがあるという設定となっています。



from:

 

この絵図では、コロニーと地球がすぐそばに見えますが、地球と月
との距離が38万kmもありますので、サイド3とサイド7の距離は、76
万km以上(赤道の長さの約20倍)もあります。世界地図を横に20
枚つなげたような巨大な世界ということになります。


このラグランジュ点から外れた天体は、逆に馬蹄軌道と呼ばれる、
複雑な軌道を描いて、主天体の前後を彷徨います。

 

from:

 

●木星のラグランジュ点
主天体の質量が大きいほど、そのラグランジュ点に吸い寄せられる
天体が多くなっています。

 

木星は誕生したころは、太陽に近い位置(3.5天文単位)にいたと
いう説(グランド・タック・モデル)があります。その後1.5天文単位まで
内側に入り込み、再び土星の重力の影響を受けて現在の位置(5.2
天文単位)へ遠ざかって安定したといいます。
その間、木星は多くの微小天体を太陽に落としたり、太陽系からブ
ン投げるように追放したりと、かなり暴れん坊だったようです。
今そんなことをされたら大変ですよね。

 

木星のラグランジュ点L4とL5ポイントには多くの小惑星が集まって
おり、「トロヤ群小惑星」と呼ばれています。小惑星の名前もトロヤ

戦争にゆかりのある人物の名前が多くつけられています。
小惑星と言えば、火星軌道と木星軌道の間にある小惑星帯が有

名ですが、直径1km以上の数はトロヤ群と同じくらいと見積もられ

ています。

 

from:

 

今回は、トロヤ群小惑星の中でL5ポイント(木星の公転方向の60°
後方)にある「パリス」という小惑星の軌道を描いてみます。
パリスはギリシア神話のトロイアの王子の名前からつけられました。
直径は116kmもあります。

 

 

小惑星パリスの軌道は、図のように完全に木星の軌道と一致している
わけではありません。

 

次に、
木星とパリスの今後10年間の動きを推測してみましょう。
1年ごとの変化を表示をしています。

 

 

これを見ると、最初の角度差が50.21°に対して10年後の角度差が
67.23°と、大きくなって間隔が開いています。
これは、パリスの動径(太陽との距離)が上側で長くなり、公転スピー

ドが落ちていたので差が開いてしまうのでしょう。パリスの軌道要素

を変えずに計算していますので、このグラフィックはあくまでも、太陽

とパリスの二体問題として計算を行ったものとなります。

 

木星の強大な重力を考えればこのとおりにはならないでしょう。
上の馬蹄軌道の図のL5の表示の周りにあるブルーの三角形の範囲

のオタマジャクシに似た範囲を秤動しながら木星に付いていくと考え

られています。

 

木星は昔はとんでもない暴れん坊でしたが、今は落ち着いて面倒見
のよい親分みたいに思えてきますね。

 

ただし、曲者が他にいます。木星の外側を回っている、太陽系ナンバ
ー2の惑星土星です。木星のラグランジュ点にいるからと言って安全

とは限りません。

 

土星の重力の影響を受けていつか木星のラグランジュ点から離され

て地球近傍まで飛んでいく可能性もあります。

 

やはり、宇宙にも完全な安住の地は無いのかもしれませんね。
まあ、もともと人類が木星のラグランジュ点に住むという計画はありま

せんので関係の無いお話でした。スミマセンショボーン

 

 

※このテーマの記事は、都合により
 「です・ます調」で投稿しております。

人気ブログランキング

 

★大分空港が宇宙港に!★関連動画