(関西食百景)海底のヌシ 牙むく闘志 | サッカースパイクのブログ

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■ハモ 淡路?沼島のタフガイ

 淡路島の約4キロ南。兵庫県南あわじ市の沼島(ぬしま)は約500人が暮らす小さな離島だ。

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 午後4時34分、漁師の安達豊和さん(70)、おいの一平さん(28)と一緒に全長約10メートルの船に乗り込んだ。泥の海底に潜む名産のハモは夜、動き始める。

 西に傾き始めた黄金色の太陽が海を照らしていた。西に鳴門海峡、北東に紀淡海峡。島を回る潮は時には速く、時には遅くと複雑に変化し、ほどよく脂が乗ったハモを育むという。「ここには他に類を見ない潮流があるんナイキ ズーム コービー ナイキ レブロン 」と豊和さんは話す。

 午後4時57分、港の東2キロ沖合で船は速度を緩めた。仕掛けは、釣り針をつけた枝縄が900本並ぶ全長15キロのはえ縄。一平さんがぶつ切りのスルメイカを一つずつ針につけ、1時間半ほどかけて海に沈めていく。

 午後7時37分、海は漆黒に変わりつつある。見えるのは船首近くにある1本の蛍光灯が照らす数メートルの範囲だ。豊和さんは、はえ縄をローラーで巻き上げながら枝縄をたぐり寄せた。

 何本かに一本、右手に生きた重みが伝わる。水中から白い影がゆらゆらと浮かび上がってきた。ぐっと船上に引っ張り上げると、体長約90センチのハモが口を開けて鋭い歯を見せつけた。

 小さな頭に丸みのある魚体。「沼島のハモは顔を見れば分かる」と豊和さんは言った。

■骨切りはシャリ、シャリ 花開くように

 「かまれたらケガするで」。安達一平さんは40センチの棒の先に針金がついた外し器で一匹一匹ハモの釣り針を外し、いけすに入れていく。この日はおよそ130匹を釣り上げ、港に戻ったのは翌日午前0時40分だった。

 豊和さんが漁師になった16歳の頃、島では約40隻がハモのはえ縄漁に出ていた。昼間の底引き網漁でアジやタイなどと一緒にハモを取る漁師が多い今、はえ縄漁を続けるのは豊和さんと弟の金次さん(62)の2隻だ。