回路図公開その3-1(名古屋式~アナログ部) | 私は鶏になりたい

回路図公開その3-1(名古屋式~アナログ部)

いよいよ先日完成した「名古屋駅式列車進路地上表示装置付き5線入出区コントローラ」に移ろうと思いますが

このシステムは基板4つと電源部そして線路モジュールの6つに分かれており
それぞれ詳しく説明しだすと大学の授業なら4限くらい必要なので少しずつ…

その1その2の流れから本日はアナログ回路部分、車輛を運転する機能部分を公開しましょう。

雑な写真ですが、こんな概観

5cm×3.5cmほどのSMDユニバーサル基板とジョイスティックRKJXV122400R DIP化キット(秋月電子)を横につなげたサイズ。

こんな汚い配線でも12Vを入れてレールに繋ぐとNゲージ車輛が走ります。
市販の電子部品ってよくできてます。

肝心の回路図はこうなります


前日のイワシ缶コントローラーを参考にしています


仕様として違うところは
〇固定できるダイヤル式ボリウムからジョイスティック型ボリウム(固定できない)に替えた
→本線を定速度で走り回らせる用途でなく、車庫から出入りする動きだけなので手で操作している間だけ動けばよい考えから
〇ジョイスティックのもう1方向を進路選択レバーとして使う機能追加
〇オペアンプとコンパレータを2回路入りICから4回路入りICにした
→基準電圧を安定してつくるため、とジョイステックの利用に
〇モータードライバがBD6231に戻って制御信号のレベル変換が必要なくトランジスタ4個も不要
といったところ

以下回路解説(失敗も露呈…)
●基準電圧発生部

その2の回路では装置に入力される電圧そのものを分圧していたものを電圧レギュレータの5Vを使い安定化(この電圧はジョイスティックにも使用)

その2で、増幅回路の基準電圧となるところは電流が流れるため電位が変わってしまう不具合があり、インピーダンスを下げるためオペアンプでボルテージフォロアを2か所入れ仮想電池としました。この2つはほかの用途にも流用します。
コンパレータの基準電圧に使う2タップは電流がほぼ流れないのでこのまま。

●VREF発生部
その2と同様に可変抵抗から出てきた電圧によってモータードライバのVREF端子に送る電圧を作る増幅回路をアナログスイッチで切り替える方式

可変抵抗の出力は0~5Vでボルテージフォロアの出力電圧VRも同じ電圧

(1)0≦VR≦2.35Vの時

反転増幅回路を構成

(2)2.35V≦VR≦2.86Vの時

1.73Vの固定電圧を出力

その2の回路と比べ470kΩ抵抗を加えていますが
仮想電池から帰還抵抗を流れるわずかな電流でゲインが発生し、出力が上がってしまう不具合があり、電流を抑えるため470kΩ抵抗を入れました。

(3)2.86≦VR≦5Vの時

非反転増幅回路を構成

この回路の定数はブレッドボードで試作して実機に移したら実物の動きに合わず色々変えた結果根負けしてこの値に決めましたが
いま改めてVREFの出力曲線を計算すると…

(横軸VR、縦軸VREF)
なんじゃこりゃ!?


VRが高い側は停止領域に結構良くつながったのだけど、低い方は出力低すぎ。
ゲインの勾配は結構合っているので基準電圧1.73Vを上げればよかったか…
(3)と同じ3.27Vにすればよかったのかも…

ただしBD6231はVREF電圧3V以下はモーターを動かす領域でないので、
実際車輛を走らせると停止からいきない高速発進などせず大人しい動きで済むので電圧変化不整合は目立たない。
最高電圧が入出庫で違うので速度が違うことにはなる。

という事でこの装置ではこのままにしますが、
もし流用設計されたい方は上記不具合点を評価の上採用を。
本線をガンガン走らせたいとしたら帰還抵抗R18は15kΩにしてゲインを上げた方がよいでしょう。

●進路選択パルス発生部

ジョイスティックは電子部品的にはX,Y2方向の可変抵抗器です

Y方向は車輛の運転に使って、X方向は進路の選択に使うことを考えました。
ここはジョイステックの動作で別の基板にあるシフトレジスタを動作させるパルスを作ります。

ジョイスティックから出る0~5Vの電圧が
3.27V以上になるとカウントアップパルス(U PLS-)が出て中点に戻るとパルスも戻る
1.73V以下になるとカウントダウンパルス(D PLS+)が出て中点に戻るとパルスも戻る

ジョイスティックの動きがゆっくりだとコンパレータが基準電圧付近で判定を迷ってパルスを何発も出さないよう、ヒステリシスを持たせています(2回路で抵抗値が違うことにご注意)
コンパレータによるヒステリシス機能は負帰還でしか構成できないので、カウントアップパルスの方は負論理なことにもご注意。

ここでアップ/ダウンと表記しますが、この基板を設計している時点では進路選択をアップダウンカウンタで行うように考えていたからです(のちシフトレジスタに変更)。

バイクのギアチェンジのようにカチカチ一段ずつ上げ下げする感覚です。

なおジョイスティックにはプッシュボタン(スティックを垂直に押す)機能もありますが、使い方を思いつけず別基板につながるコネクタまで引き出してありますが、信号は使っていません。

●拘った部品
ジョイスティック基板の空きスルーホールに車輛の進行方向を示す、黄色ブラケットLED(入庫方向)、青色ブラケットLED(出庫方向)を立てました。
青灯と黄灯の組み合わせは、昔線路際に立っていた矢羽根転轍機標識の灯火が印象にあるからです。

(東海道本線木曽川駅)

で、この基板に載っているICは
電圧レギュレータ AP2204K‐5.0(SOT23-5)
モータードライバ BD6231F-E2(SOP-8)
出力フルスイングオペアンプ NJM7034M(SOP-14)
コンパレータ μPC177G2(SOP-14)
CMOS4000シリーズアナログスイッチ 4052B(SOP-16)

耐圧12V以上なのはすべて共通で
〇電圧レギュレータはこの200mA品でなく100mAや50mAでも良さそう
〇オペアンプは出力フルスイング4回路入りならほかでも良い
〇コンパレータも汎用の339、2901で良く、車輛運転だけなら2回路入りの393とか2903などでよい
〇アナログスイッチ4052もメーカー選ばず(74HC4052では耐圧不足)
もちろん表面実装品でなくてよい

以上設計公開でした
(名古屋式~の他の部分はまたそのうち)

(この方式の特許どこかで取られていないのかなあ?)