電車のAC波形比較(1改)新幹線編
旧エントリと同じく各車輛の製造初年順に挙げます。
1)E2系(東北・上越・北陸(長野以南)新幹線、1997年~)
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北陸上越新幹線からは撤退し、東北新幹線にわずかに残るE2系。
時間軸は1目盛り5ms。この波形は1サイクル20msですので周波数は50Hzで東日本の市中に電力会社から供給されている周波数と同じです。
少々ノイズのような波形が見えますがまあ綺麗な波形です。
2)E3系(秋田→山形新幹線、1997年~)
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周波数は50Hzです。測定は山形新幹線用2000番台車になった後です。
1)に比べるとぼんやりした波形に見えます。1MHzくらいのノイズが乗ってる模様。
(2024年12月3日追記)
(3-2)E3系在来線区間
上は東北新幹線区間で(架線電圧AC25000V)で測定したものですが、つばさの福島以北・20000V区間で波形に変化はあるのか測定しました。
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オシロスコープソフトのバージョンアップにより見かけの幅などが違いますが、新幹線本線上と在来線部分で波形、データに有意な差がありませんでした。
3)E4系(東北、上越新幹線、1997~)
この二階建て新幹線も無くなりました。
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周波数はやはり50Hz。なかなか面白いノイズが乗っています。
14kHzなど音声周波数帯のノイズがあり50Hzに同期しているのでノイズも動かず止まって見えます。
以上3車輛は同じ時期の設計でAC電源の構成は同じと思われ、車輛の走行状態で波形のノイズが違うのかもしれません。
4)700系(東海道山陽新幹線 1999年~)
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東海道新幹線からは撤退しひかりレールスターとドクターイエローだけになったN700系。
上3つより波が詰まって見えますが、これは周波数が60Hz(1サイクル16.6ms)だからです。
もひとつ波形を出します。
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こちらはノイズが少ないですが同じ車輛。
実は力行時と惰行時でノイズの量が違います。新幹線電車は走行中殆どの時間モーターに電力をかけて力行していて上のようなノイズの多い波形、停車駅に近づいたり惰性で走行している(惰行)間だけ下のような波形が見られました。
測定を何度かしていてたまにこうなるのでしばらく理由が分かりませんでした。
5) N700系(東海道・山陽新幹線、2009年~)
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60Hzです。これは力行時。
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これは惰行時です。
これまでより年代が下がって設計された系列。4)700系より波形が改善された印象。
6)E5系 (東北・北海道新幹線 2009年~)
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ちょっと頭が尖がった正弦波。周波数50Hz。
7)E6系 (秋田新幹線、2010年~)
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50Hz。上のE5系と手を組む設計の車輛で波形もそっくりです。同じ電源回路なのでしょう。
8)N700A (東海道・山陽新幹線 2011年~)
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60Hz。ノイズが乗ってはいますが、綺麗な正弦波。
(一応項目を分けてみたけど、N700系と、あるいはいわゆるスモールA、ラージAの有意な違いはないのかもしれません。)
9)E7系 (北陸、上越新幹線 2013年)
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北陸新幹線以外の新幹線は、商用周波数が一定の地域だけを走ります(東海道新幹線は開業以来富士川以東の50Hzを60Hzに変換して供給)。
北陸新幹線は東京方面から行くと50Hz→60Hz→50Hz→60Hzと何度も変わります。走行系は両用になっていますが、E7乗客向け電源は全線で60Hzが供給されます。
N700Aより更に綺麗な正弦波になりました。
共通設計のW7系(JR西日本の車輛)も同様でしょう。
10)N700S (東海道・山陽新幹線 2020~)
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ギャー!
正弦波とは程遠い、山の潰れた三角波。一応60Hzですけど。
翌年また計ってみたけど
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変わらず…
6MHzレンジでスペクトラムを見ると
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400kHz以下に大きな盛り上がりがあります
例えばE6だとこんな感じ
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ただし別の日こんな波形も見られました
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山の潰れ方が小さい波形。
列車の速度で変わるという噂があり、動画で変化を撮らないとならないかなあ…
(2024年8月29日追記)
新横浜までN700Sに乗る機会があり測りながら見ていましたら、
停車時
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…と加速するにつれ三角の山が潰れてくる様子でした。
東京~新横浜では精々時速百数十キロなのですがもっと早い区間は最初に挙げた山が完全に潰れた波形になるのでしょう。
オシロの帯域は公称25MHzですが、この波形はノイズでトリガがかかってしまい見ていると波形が落ち着きません。
11)E8系 (山形新幹線 2024~)
現在最新の新幹線車両
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オシロスコープアプリのバージョンアップでUIが変わってしまいましたが、波形は比較できると思います。
50HzでE5やE6と同じ波形に見えます。インバータも同じなのかな。
(2024年12月3日追記)
E3と同様在来線区間でも測定
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やっぱり新幹線区間と違いが判りません。
福島駅の先で架線電圧の切り替わりがあるはずで、ずっと波形を見ていたのですが特に乱れることもなく優秀。
次のエントリは(2改)JR在来線編
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北陸上越新幹線からは撤退し、東北新幹線にわずかに残るE2系。
時間軸は1目盛り5ms。この波形は1サイクル20msですので周波数は50Hzで東日本の市中に電力会社から供給されている周波数と同じです。
少々ノイズのような波形が見えますがまあ綺麗な波形です。
2)E3系(秋田→山形新幹線、1997年~)
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周波数は50Hzです。測定は山形新幹線用2000番台車になった後です。
1)に比べるとぼんやりした波形に見えます。1MHzくらいのノイズが乗ってる模様。
(2024年12月3日追記)
(3-2)E3系在来線区間
上は東北新幹線区間で(架線電圧AC25000V)で測定したものですが、つばさの福島以北・20000V区間で波形に変化はあるのか測定しました。
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オシロスコープソフトのバージョンアップにより見かけの幅などが違いますが、新幹線本線上と在来線部分で波形、データに有意な差がありませんでした。
3)E4系(東北、上越新幹線、1997~)
この二階建て新幹線も無くなりました。
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周波数はやはり50Hz。なかなか面白いノイズが乗っています。
14kHzなど音声周波数帯のノイズがあり50Hzに同期しているのでノイズも動かず止まって見えます。
以上3車輛は同じ時期の設計でAC電源の構成は同じと思われ、車輛の走行状態で波形のノイズが違うのかもしれません。
4)700系(東海道山陽新幹線 1999年~)
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東海道新幹線からは撤退しひかりレールスターとドクターイエローだけになったN700系。
上3つより波が詰まって見えますが、これは周波数が60Hz(1サイクル16.6ms)だからです。
もひとつ波形を出します。
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こちらはノイズが少ないですが同じ車輛。
実は力行時と惰行時でノイズの量が違います。新幹線電車は走行中殆どの時間モーターに電力をかけて力行していて上のようなノイズの多い波形、停車駅に近づいたり惰性で走行している(惰行)間だけ下のような波形が見られました。
測定を何度かしていてたまにこうなるのでしばらく理由が分かりませんでした。
5) N700系(東海道・山陽新幹線、2009年~)
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60Hzです。これは力行時。
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これは惰行時です。
これまでより年代が下がって設計された系列。4)700系より波形が改善された印象。
6)E5系 (東北・北海道新幹線 2009年~)
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ちょっと頭が尖がった正弦波。周波数50Hz。
7)E6系 (秋田新幹線、2010年~)
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50Hz。上のE5系と手を組む設計の車輛で波形もそっくりです。同じ電源回路なのでしょう。
8)N700A (東海道・山陽新幹線 2011年~)
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60Hz。ノイズが乗ってはいますが、綺麗な正弦波。
(一応項目を分けてみたけど、N700系と、あるいはいわゆるスモールA、ラージAの有意な違いはないのかもしれません。)
9)E7系 (北陸、上越新幹線 2013年)
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北陸新幹線以外の新幹線は、商用周波数が一定の地域だけを走ります(東海道新幹線は開業以来富士川以東の50Hzを60Hzに変換して供給)。
北陸新幹線は東京方面から行くと50Hz→60Hz→50Hz→60Hzと何度も変わります。走行系は両用になっていますが、E7乗客向け電源は全線で60Hzが供給されます。
N700Aより更に綺麗な正弦波になりました。
共通設計のW7系(JR西日本の車輛)も同様でしょう。
10)N700S (東海道・山陽新幹線 2020~)
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ギャー!
正弦波とは程遠い、山の潰れた三角波。一応60Hzですけど。
翌年また計ってみたけど
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変わらず…
6MHzレンジでスペクトラムを見ると
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400kHz以下に大きな盛り上がりがあります
例えばE6だとこんな感じ
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山の潰れ方が小さい波形。
列車の速度で変わるという噂があり、動画で変化を撮らないとならないかなあ…
(2024年8月29日追記)
新横浜までN700Sに乗る機会があり測りながら見ていましたら、
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…と加速するにつれ三角の山が潰れてくる様子でした。
東京~新横浜では精々時速百数十キロなのですがもっと早い区間は最初に挙げた山が完全に潰れた波形になるのでしょう。
オシロの帯域は公称25MHzですが、この波形はノイズでトリガがかかってしまい見ていると波形が落ち着きません。
11)E8系 (山形新幹線 2024~)
現在最新の新幹線車両

オシロスコープアプリのバージョンアップでUIが変わってしまいましたが、波形は比較できると思います。
50HzでE5やE6と同じ波形に見えます。インバータも同じなのかな。
(2024年12月3日追記)
E3と同様在来線区間でも測定
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やっぱり新幹線区間と違いが判りません。
福島駅の先で架線電圧の切り替わりがあるはずで、ずっと波形を見ていたのですが特に乱れることもなく優秀。
次のエントリは(2改)JR在来線編