意義を忘れた役人 | 私は鶏になりたい

意義を忘れた役人

今月1日、水俣病被害者団体と環境大臣との懇談会で、団体代表が発言中3分を区切ってマイクを切られる事態がありました。

発言に参加したのは8団体。この内発言を切られたのは2名。
切られた他にも、会を取り仕切る環境省職員が頻りに発言を纏めるよう矢の催促であったと
動画ニュースでも報じられました。

長きに亘り住民を苦しめる公害病。
それに追い打ちをかけてきたのが行政の不作為。

補償、患者の認定制度は作ったが救いきれない。
裁判でも国が責任逃れ主張を繰り返している一方、世界的大公害を惹き起した原因企業チッソは国が補助を入れて存続させ続けている。
まるで東京電力みたいだ。

公害行政は当初厚生省の管轄だったが、1971年佐藤内閣が環境庁を作った。
四大公害病対策とともに、将来の公害を防ぐ目的が大きかった。

発足時の第2代大石武一長官(初代は庁発足から内閣改造まで4日間の繋ぎだったので実質初代長官)が素晴らしい理念を持って当たっていた印象があります。

これで公害病患者が救われ、自動車の排ガスやら水質汚濁やら酷い環境が改善に向かうと国民は希望を持ったものです。

世界的に環境問題が大きくなっていた時期で、日本はまだ高度成長期で経済発展を推し進めたい向きからは障害となる施策を進めるのが仕事。
利権とは遠い地道な施策を進めて庁が省に昇格しどうにか今の環境がある。

『美しい国日本』を誇るのなら環境省の仕事を誇るべきだ。

ところが環境省は変わってしまった。
福島第一原発の除染作業を巡って利権の甘い汁を覚えてしまった。

政権は役所にも大学にも『稼げ』と言う。
そこがおかしい。

稼げるものは民間がやる。稼げない公共だから役所がやるのだ。

かくて環境省がタイパ(タイムパフォーマンス:これも陳腐な言葉)第一になってしまった。

水俣病は環境省の原点の仕事ではないか。

目的を見誤ってなにが国家公務員だ。

ネットでも報道でも批判され
今日改めて大臣が現地に話を聞きに行くみたいですが

あんたも現場に居ましたよね?
担当の不手際』じゃないでしょ。
政府の公害行政に取り組む姿勢が問題なのだから、総理が頭を下げ国民に詫びないとならん問題ですぞ。

(18時05分追記)
夕刻テレビの報道では、お昼ごろ大臣の会見では『水俣病は環境省の原点』との言葉があったようです。
しかし、続けて『マイクの音量を絞ったことは昨日初めて聞いた。』と真っ赤な嘘。

だって現場に居て聞いてたんだぜ。
なんでこの内閣は嘘を吐くのがアイデンティティなんだ。
人品を疑わざるを得ない。