億劫 | 私は鶏になりたい

億劫

どこにもある言葉であっても、使う頻度は地方で違うものがあります。

例えば『容易じゃない』。
珍しい言葉では無いですが、群馬だと『ちょっと面倒』程度の感じでも『よぃじゃねえ』と若干詰めて頻繁にしゃべります。

文章に書き出すと標準語と区別つかないので、ドラマの台詞では注意が要る言葉です(まずそんなドラマは見かけませんが)。

億劫(おっくう)も群馬では割合多く使う言葉。
意味も標準語と違いはありません。

インドに劫(ごう)という言葉があって、凄く長い時間を言う。
どんな定義かというと、仏教では世界が始まり終わるまでとか、城に芥子粒をいっぱい詰めて百年に一粒取り出して全部なくなるまてとか、四十里四方の岩があって千年に一度天女が降りてきて袖で岩をさっと撫でてその岩が擦り切れるまで(五代目三遊亭円楽師匠が言っていた)、とにかく長い年月。

これが更に一億回経ってやっと仕事を始める気になるというのが億劫だから、0ではないがまず起動不可能の意味。


今日は冷たい雨で出かける気もないし、手持ちの部品で回路組んで確実に動くか動作確認でもしようか、等とぼんやり思うけど

はんだ付けが要ると思うと途端に億劫になる。

ここを乗り越え、ブレットボードで回路が一応回路が出来たところで飯の支度をする時間が迫り、測定器を出して試験するのがまた億劫。

つまり測るまで容易じゃねえ。