でんご〜んばんにきみのこと〜 | 私は鶏になりたい

でんご〜んばんにきみのこと〜

↑掲題は野口五郎さんの『私鉄沿線』(1975)の2番歌い出し部分

『伝言板』というとネット上で原則自由に書き込めて読めるサービス。ただし何にも端緒がない会話というものは出来ないから会話するテーマが決まっていてスレッドと呼ばれる一つの話題について書き込むことになります。

ブログやツイッターで特に決まりはないものの、話を起こした者からすれば、関連した話題でコメントやリツイートが続くもの。


我々の知る『伝言板』とは上の歌詞の様な、公共施設の目に付く場所にあった物。
目にした事がない若い方のために解説すると

○例えば駅頭に『伝言板』という黒板が置かれていてチョークや黒板消しがあって誰でも書くことができる。
○伝言は十数件を書けるよう、仕切り枠があり伝言者の氏名、伝言そして書いた時刻欄がある。
○大概は人の待ち合わせに際して使う
(待っていたけど来ないので)先に行きます』
『伝言を見たら○○まで電話下さい』
『○○の宴会は□□店で行います』
『来ないので帰ります』

誰も携帯端末を持っていない時代、何時何分に改札口になと家や職場の電話或いは手紙で集合日時と場所を指定しておくのだけど
○電車の遅延や都合で誰かが遅れて待てなくなったら、伝言板にその後の指示を書いて立ち去る。
○遅れてきた者はそれを読んで次の行動へ移る。伝言の対象が自分だけ或いは自分が最後であれば、伝言を消す。

こんなルールを誰に教えられるでもなく使っていたものでした。

○なお消し忘れたり敢え無く待ち人が来なかった場合のため、伝言板には『2時間を過ぎた伝言は消します』のような断り書きがありました。


歌の内容は、別れてしまった女性を今も思う男性がかつて待ち合わせした駅にまた彼女が現れるような気がして
伝言板に待っていると書いて帰る、という切ない場面。
一番の出だしが改札口、二番が伝言板、歌の題が私鉄沿線。

因みに駅にもう一つあった伝言板が『落し物定期券』。
必ず数人書いてありましたね。

人間あれだけの確率で定期券を落とすのだから、失くしちゃいけない人に裏面を見せてもいけないマイナンバーカードに保険証だの運転免許証を統合したらどうなるか。
あの光景を見てた者が解らぬはずがないのだどなあ。


さて、先日錦糸町駅でみかけたもの

『デジタル伝言板』とあります。

街あわせくんと言い、JR東日本関連会社が伝言板とデジタルサイネージを組み合わせた広告装置として昨年9月から試用しているものとのこと。

広告は一日単位で有料。
伝言板は登録して無料で使えるという。
黒板と違うの設置されているどこの駅でもだせるというところ。

なのでずっと伝言メッセージが出ているわけでなく、広告何枚か数十秒出て伝言が出てまた広告なので、伝言が、あるかどうかはしばらく見ている必要がある。

私らの高校時代、
・ブツは例の場所に埋めた
だの、修学旅行先の駅で
・○○(宣誓のアダ名)、今夜お前を殴る
と犯行予告を書く小悪党や
他人への伝言を勝手に消すイケズ
など、色々居たが

街あわせくんでは内容をチェックして掲出するようです。他にもヘイト、公序良俗違反等を誘う、個人特定等不適切な内容例が示されております。

今のところ錦糸町、亀戸、小岩、市川、千葉駅で稼働中とのこと。

デジタルサイネージの試みとして見守ろうと思う。