50年前の上野口夜行列車群(1)東北本線 | 私は鶏になりたい

50年前の上野口夜行列車群(1)東北本線

先日「急行あおもり」の話をしたのでついでに
50年前1970年8月お盆帰省列車のことを。

いま上野駅からは夜行列車が1本も出なくなりました。
50年前の8月11日夜上野から東北地方など北へ向かう夜行列車を数えてみます。
実は余りに多すぎて、8月11~13日夜は品川から出発する列車も設定されていましたが、それもふくめます。

まず東北本線編

(1)8415レ 急行おが51号 8/2~10は上野⑧17:26発だが11,12日は品川16:57発 秋田まで全指定車の急行で以降は定期普通列車629レのスジで大館9:50着
 (は客車列車、○付数字は上野駅の発番線、以下同じ)

(2)101レ 急行八甲田2号⑭19:00 青森着6:16
 夜7時正時発車、列車番号からして格の高い定期急行 仙台(0:42発)からB寝台2輌自由席車1輌が増結され寝台は22:50から使用できた。
7時過ぎの青函連絡船に乗り継げ、東北新幹線開通後も残り、東北夜行急行で最後まで残った名列車。

(3)401レ 急行津軽1号⑰19:34 青森着9:46
 八甲田と並び秋田廻りで青森へ向かう名列車

(4)6401レ 急行おが2号・八甲田50号 品川19:30発 福島で分割して大館9:00着・青森8:30着
季節列車で普段は上野⑰20:06発 おが2号は(1)のおが51号を二ツ井で追い抜く
全車自由車だが八甲田50号は8月19日~9月1日は全車B寝台になる

(5)8417レ 急行おが52号 品川20:48発 男鹿9:52着
夏の臨時列車で普段は上野⑮21:15発

(6)6103レ 急行八甲田51号 ⑤21:19発 青森9:25着
盛岡まで全車指定席 8/2~5は全車B寝台車となるのは東北三大祭り対応か?

(7)5M 特急はくつる ⑯22:00発 青森着7:05
このとき青森行寝台特急がまだ3本しかない 運航開始2年弱583系寝台電車
食堂車マークが付いているが、この時間帯では始発と終着1時間くらいしか営業しなかったのかな?

(8)9001レ 特急あけぼの 品川21:41発 秋田7:20着
季節列車で普段は上野⑥2205発

(9)103 レ 急行北星 ⑬22:08発 盛岡6:59着 仙台までの荷物車を除いては全車寝台車 列車番号もいい

(10)405レ 急行津軽2号 品川21:26発 青森13:36着
新庄あたりで朝になって以降は昼間の急行で停車駅も多く、
山形以北が非電化だったこともあって福島~青森は10時間以上かかる
この列車も(2)八甲田と同じく東北新幹線開業後も残った

(11)6105D 急行まつしま54号・ざおう52号 品川22:00発 小牛田5:20、山形5:26着
気動車による季節夜行急行 普段は上野⑧22:30発

恐らく小牛田区・山形区が車輛を出した列車で、対応する上り列車は山形発ざおう53号と小牛田発まつしま54号で
まつしま54号は後日8月16~20日は石越・女川発という気動車急行らしい楽しい運用になる
「まつしま」は本来上野~仙台間の急行だが宮城県内発だから石越や女川もアリだったのかな?

更に6105Dは上野発9/12~15は上野発盛岡行の「いわて52号」

寄せ集め感というか使いまわし感が激しい

(12)421レ 普通 品川21:49発 青森21:56着
奥羽線経由で青森まで行く定期普通列車 普段は上野⑬22:39発 8/11~13は前夜発が青森に終着しない内に当夜発が品川を出ていた
国電区間、山形・秋田県内の気動車駅を除くと通過したのは東大宮、野木くらい こんな古い設定の列車がまだあったんだなあ…

(13)8105レ 急行いわて53号 ⑤22:51発 盛岡8:12着
仙台~盛岡間は早朝に通る常磐線経由の夜行急行が多く便利そう(帰りは座れないけど)

(14)8403レ 急行おが71号 品川22:28発 秋田11:04着
普段は上野⑯23:04発
季節列車・臨時列車の号数の付け方は、まず50番台を付け運転頻度が少ないものに70番台を付ける気がしていましたが、これは「おが」の50番台より多く走る季節列車でよく解らない…
全指定列車だが8/5~12は全自由車ということは、日によって上野発と品川発で指定席有無両方あったので、切符の発売窓口は大変だったのでは…

(15)401D 急行出羽 品川22:36発 酒田着8:14
上野口では鳥海と並び懐かしい夜行気動車急行 奥羽線・陸羽西線経由と変わった経路だった 普段は上野⑦23:08発
昼間の急行「ざおう」「いいで」と共通運用になって季節列車のざおうが運休の日は「出羽」も3輌欠車になるなど注意の要る列車。
まあ気動車急行は始発から終着まで一本で行く列車が珍しくくっついたり離れたりが得意だったから乗る人も慣れていた

(16)107M 急行いわて4号 ⑮23:08発 盛岡8:25着
やっと電車急行登場 7輌の基本編成が盛岡行で6輌の付属編成が仙台(5:17着)止まり

(17)6105M 急行まつしま5号 ⑯23:28発 仙台5:45着
季節列車 客車や気動車急行はほぼ冷房が無かったので、まだ途中でも冷房化が進んできた電車急行は天国だったことでしょう

(18)8111M 急行ばんだい53号 品川23:18発 会津若松4:48
普段は上野⑬23:36発 日によって仙台行まつしま55号として運転される 

(19)1101レ 急行新星 ⑦23:40発 仙台6:10着
「寝台車のある列車」は上野~直江津間「妙高」(292.2㎞)
なんてのもありましたが、全車寝台車では新星の348.2㎞が最短では
 (2)の八甲田2号の寝台車同様、上り列車(仙台23:15発)では21:30から寝台を利用できるというサービスがされていたのが有名でした

(20)6403M 急行ざおう3号・ばんだい5号 品川23:21発 山形6:35・会津若松5:08着
季節列車で普段は上野⑧23:50発

(21)1103レ 急行ばんだい6号 品川23:56発 会津若松5:55着
定期列車で、普段は上野発23:54発で仙台行急行あづま2号と併結され両方とも寝台車付き
夏のシーズンは増車をするのか2列車を分離運転し更に8/11~13は品川発となるが、発駅で始発時刻が0時を前後するので8月10日は始発が無く14日に2本あることになり
これも指定券発売が大変だったのでは

(22)8121レ 急行あづま2号 ⑮0:12発 仙台8:21着
 (21)のばんだい6号と分離運転されるときの時刻 これも7月24日は発列車が無く8月21日は2本発生する
 福島から普通列車になるので仙台まで8時間以上かかる
 電車急行になった後も福島から普通列車になる設定は残った

(23)6109レ 八甲田52号 ⑤0:15発 青森13:30着
仙台が7時過ぎで昼間の急行となる
上野発8月10日には名古屋始発急行あおもり1号となり上野では乗車できないのは前述のとおり

(24)8405レ 急行おが53号・ばんだい54号 品川23:59発
横手14:00・会津若松7:10
上野始発の場合は⑤0:53発
ややこしいことに上野8月11日発と、品川8月11日、12日発の設定がある(指定席は無い) 会津若松行は9月13日発も設定あり

秋田までも行かないくせに「おが」を名乗るし、横手着が14時と物凄く遅い 始発時刻も夜半を回るし食事を何時とるかとか我慢が要るよなあ…


あと東北方面への夜行列車は郡山19:51発青森4:30着急行「おいらせ」という季節急行が設定されました。指定席・寝台車もあり。青森5:30の青函連絡船に連絡するのは便利そう。


以上、1970年8月11日(~12日深夜)東北本線には24本の夜行列車が運転されました。
うち12本を品川発にまわしており、上野・東京駅からは乗れませんでした。
品川から品鶴線、山手貨物線、東北本線の貨物線を経由して大宮から東北線に入れたものと思われますが、普段との切替えが大変だったと思います。
また品川に車輛を送り込むのだって、尾久客車区→田端操→王子南方の引き上げ線→山手貨物線って経路だと方転が2回要るし、まあややこしいこと。

なお品川始発になったのは東北線筋の夜行列車だけで、常磐、高崎線は上野発でした。
ただ当日夕刻から上野に到着する東北・高崎線列車で大宮や赤羽止まり、常磐線では日暮里止まりの列車があって僅かに上野まで辿り着けない無念な設定になっていました。

5~20番線使ってもさばききれない凄い本数あったんですねえ…

凄く長くなったので常磐線、高崎線は稿を改めて書きたいと思います。