就活くたばれ!
このところの社会面やニュース番組の特集に頻繁に取り上げられる回数が増えた、就活問題。
今日もこんな記事が
アサヒコム(マイタウン北海道)2010年11月24日付け記事 引用
ゆとり世代だからではありません。
本当に非の打ち所のない優秀な人はいつの世もごく一握り。
大学進学率が50%を越し、20年前の倍近い今、沢山の普通の学生が無い仕事を求めて右往左往している訳です。
この記事を読んでから高校の後輩、私大4年生の男に久しぶりにメールしてみたところ、やはり決まっておらず、今卒論で中断しているけど1月から活動再開するとのことでした。
今年3月に4大を卒業した女子の後輩5人も、就職が決まらないまま卒業し、その後就職できたのがまだ2人という苦しさです。
この子達は高校時代部活を自主的に緊張感を持って運営し、大会の成績も残しました。
贔屓目なしに使える人材だと思うのに、企業の採用担当は見る目が無いと思います。
これほどの新卒就職難になったのは、2008年9月のリーマンショックによる急激な不況で企業が突然採用を絞った事に発端があります。
その年の内に4年生の「内定取り消し」更に「内定切り」が乱発され、社会問題となりましたが、
上に挙げた子達は当時2~3年生でその衝撃波をもろに食らってしまいました。
私の就職活動は26年前。4年生の「青田買い」が問題になり「就職協定」が結ばれ、
生徒と企業が接触できるのが確か6月1日、内定を出せるのが11月1日であったと思います。
この日付にわざわざ「4年生の」と断らないとならないのが現状の異常さを物語ります。
今年の6月、高校の部活動時間の終わりごろ道場に、お決まりのダークグレーの三つボタンスーツ姿の若い男がひょっこり。
一昨年3月に卒業した元副部長でした。もう活動を始めているとのこと。
私の感覚ではついこの間まで学ランだった奴がもうスーツ。似合わなさを笑っていいのやら嘆いていいのやら…
企業が良い人材を確保したいのは解かります。でも、3年生初めといえば一般教養が終わったところ。専門科目はこれからという時点で、学業の何を見て選考するの言うのですか?
高校までと違って大学とは授業(講義)を聴くところではなく、研究をするところ。
就職活動のために専門の勉強も研究もないがしろにしては、大学に通う意義に疑問を持たれかねません。
ちょっと前までは学卒で就職できないから大学院に行く、あるいは留学するという逃げ道もあったのですが、
激しい不況のため親も待つだけのための無駄な学費を出すのは厳しい状態。
親も子も疲れ切っています。
昨今のこうしたニュースに登場する就活中の学生は口を揃えて二桁(多くは後半・3桁とも)の企業を受けたといいます。私の後輩たちも同様です。
一昨年からの3学年併せて100万人単位の学生がそれだけの企業を受けて落ちたことになります。
それだけの延べ人数の選考にかける工数って企業にとって馬鹿にならないんじゃありません?
そんな金があるなら、トットとそこそこの人材を採って使える社員に育てたほうに向けた方が良くありませんか?
バブル崩壊直後大企業が一斉に採用を絞り込みました。
倣って中小程度の企業まで絞ったら、そこに世代の抜けが生じてしまいました。
私の居た会社はバブル後の当初人材の採り放題で喜んでいたのですが、育てる人間が減っていました。
他の企業が「即戦力」を求めて引き抜いていたからです。
そのころ6,7年目だった私にも誘いが無くは無かったのですが、仕事自体が忙しく更に大量採用した後輩を育てることに使命感を燃やしていました。
社長トップダウンの社風で会社は教育に異常に不熱心で"OJT"(On Job Training)と称して、入社3日目先輩と机を並べて仕事を覚えるという風でした。
私は年毎に一度に3人の新人に仕事等を教えて、自分の仕事は残業時間あるいは夜中。
育てた後輩はやがて多くは転職したのですが自社で昇進したものも含め私以上に役に立つ人間になったとは思っています。
私自身は仕事自体は出来ないから上司受けは悪いけど後輩には悪い印象は無いようです(笑)。
さてバブル崩壊からの回復を見るころ、企業が中途採用を盛んに行うようになりました。また派遣採用も盛んになりました。
キーワードは「即戦力」。抜けた世代を埋める目的もあったでしょう。教育費をかけずに使える人材をどの企業も求めて来ました。
そんな絵に描いたような人材がそんなに転がっているはずもないのに、いまだにアウトソーシングを求める企業の多いこと…
昨今はそれを更に新人にまで求めているようです。
ゼミでは卒論を書くだけの最低の時間しか取れず、じっくり研究をすることが出来ない。
テーマを持ってじっくり研究したことの無い大学生を採って即戦力になるとでも思っているの?
そんなにまでして、採用を渋って黒字を出すために汲々としているのはなぜかというと配当が出せないからです。
配当が良くないと効率化を迫り役員・社長人事まで国の内外から投資家が口を挟むのです。
ナベツネさん(読売新聞グループ本社代表取締役会長・読売ジャイアンツ会長渡邉恒雄氏)は好きでないですが「ハゲタカファンド」の名言には同意します。
効率化というけれどこれほど採用を絞るということはそれだけ企業が仕事をしないということ。
仕事をしてナンボの企業が仕事をしないとは自分の首を絞めているようなものでしょう。
社会全体がそれをやっているのが現状です。いつか国が窒息します。
近年終身雇用も崩れたのに政府は定年は65歳にしろという。
ちょうどベビーブーム世代が延命する訳です。このしわ寄せも新規採用を絞ることになっています。
私は年金を払い始めて25年余・加入期間において受給資格が出来ました。支給開始までは16年くらいありますが。
就職が出来ないということは、国民年金は払えても厚生年金に加入できないということでもあります。保健、雇用保険なども。
中途で失業して仕事が無い人も気の毒ですが、仕事が最初から無い上、社会保障費を払いはじめるきっかけは無い人は、もっと可哀想です。
仕事の有無も大事ですが、個人個人の将来としてはこっちが後で利いてくる恐ろしい予感がします。
規制や補助金で根本解決出来るわけではないですが、
政府も手をこまねいていては、大変なことになります。
2010年9月の完全失業率は5.0%だといいます。
この率の分母は「労働力人口」で6,649万人。分子は「完全失業者」で340万人。
完全失業者の定義は総務省統計局によると
1.仕事に就いておらず
2.仕事があればすぐ就くことが出来る
3.仕事を探す活動をしている
者であって、探すことを諦めた人や月末1週間に働いたことのある人は除外されます。
つまり就職できずにアルバイトしている人は、除かれています。
仮に今年と来年就職できない人を加えたら、率は1~2%上がるでしょう。
就活って誰のためのもの?
今日もこんな記事が
アサヒコム(マイタウン北海道)2010年11月24日付け記事 引用
「就活くたばれ」学生叫ぶ 厳しい現状に北大生らデモもうひとつ千葉日報2010年11月24日10時36分付け記事 引用
過去最低の内定率、就職活動の早期化や長期化、かさむ交通費――。大学生を取り巻く就職活動の現状に問題提起をしようと、北海道大学の学生が中心となって23日、札幌市中心街でデモ行進をした。思い思いの扮装でプラカードを掲げながら、道行く人たちに厳しい現状を訴えた。(中略)
北海道・東北地区の大学生の就職内定率(10月1日時点)は55.6%と厳しい雇用情勢が続く。内定がもらえていないという札幌大学4年の男子学生(22)は、新聞でデモを知って参加した。「焦っています。同じゼミの仲間も8人中3人しか決まっていない。社会全体が変わらないとよくならないと思う」と不満を漏らす。 (後略)
「年内には決めたい…」旧帝大、国立一期校生でさえ難儀しているとのこと。
焦りと不安にじむ大学生 内定状況、過去最低も
大学3年生の就職戦線が本格化する中、いまだに内定がもらえない4年生が求職希望者の半数以上に上っている。卒業まで約4カ月あるものの、「年内には決めたい」「卒論との両立は難しい」と焦りと不安を募らせる。10月の企業セミナーには4年生が殺到し、3年生に交じって就職活動の基礎講座に参加する学生も。大学の担当職員からは「去年よりも厳しい」との声が上がっており、今年度の内定状況は過去最低水準になる可能性もある。
10月下旬に千葉大学で開かれた3年生向けの就活講座。履歴書やエントリーシートの書き方といった基礎について、定員いっぱいの約100人が押し掛けた。昨今の就職難を受けて学生たちの目つきは真剣。その内の約1割は4年生で、内定がもらえずもう一度基本を学ぼうと参加していた。教育学部4年の女性(23)は「いいなと思う会社を受けても現実は厳しい。今の時期になると留学帰りの人が多く、語学も堪能で…。年末までには決めたい」と焦りを隠さない。
学校の就職支援室にも4年生の姿が目立つ。昨年12月ごろから就職活動を始めた文学部の男性(23)は約50社に応募したが内定はない。「11月中には決めたい。卒業論文があるのに、就活がのし掛かってくる」と学業との両立の難しさに苦しむ。「焦りがないといったらうそ」というのは教育学部の女性(21)。「新卒として就職するため、あえて卒業しない先輩がいた。決まっていない友達ももう1年残る考えの人がほとんど。新卒枠の方が絶対的に求人は多いけど、学費が掛かるし…」と複雑な心境を吐露する。
千葉労働局の調査では、11月1日時点で、県内の求職希望の大学生約1万7千人のうち、内定がもらえたのは約7千人にとどまり、内定率は41・2%。昨年度の大学生が卒業した時の内定率は82・2%(4月1日時点)で、今年度はこれを下回り、過去最低水準になる恐れもある。
ゆとり世代だからではありません。
本当に非の打ち所のない優秀な人はいつの世もごく一握り。
大学進学率が50%を越し、20年前の倍近い今、沢山の普通の学生が無い仕事を求めて右往左往している訳です。
この記事を読んでから高校の後輩、私大4年生の男に久しぶりにメールしてみたところ、やはり決まっておらず、今卒論で中断しているけど1月から活動再開するとのことでした。
今年3月に4大を卒業した女子の後輩5人も、就職が決まらないまま卒業し、その後就職できたのがまだ2人という苦しさです。
この子達は高校時代部活を自主的に緊張感を持って運営し、大会の成績も残しました。
贔屓目なしに使える人材だと思うのに、企業の採用担当は見る目が無いと思います。
これほどの新卒就職難になったのは、2008年9月のリーマンショックによる急激な不況で企業が突然採用を絞った事に発端があります。
その年の内に4年生の「内定取り消し」更に「内定切り」が乱発され、社会問題となりましたが、
上に挙げた子達は当時2~3年生でその衝撃波をもろに食らってしまいました。
私の就職活動は26年前。4年生の「青田買い」が問題になり「就職協定」が結ばれ、
生徒と企業が接触できるのが確か6月1日、内定を出せるのが11月1日であったと思います。
この日付にわざわざ「4年生の」と断らないとならないのが現状の異常さを物語ります。
今年の6月、高校の部活動時間の終わりごろ道場に、お決まりのダークグレーの三つボタンスーツ姿の若い男がひょっこり。
一昨年3月に卒業した元副部長でした。もう活動を始めているとのこと。
私の感覚ではついこの間まで学ランだった奴がもうスーツ。似合わなさを笑っていいのやら嘆いていいのやら…
企業が良い人材を確保したいのは解かります。でも、3年生初めといえば一般教養が終わったところ。専門科目はこれからという時点で、学業の何を見て選考するの言うのですか?
高校までと違って大学とは授業(講義)を聴くところではなく、研究をするところ。
就職活動のために専門の勉強も研究もないがしろにしては、大学に通う意義に疑問を持たれかねません。
ちょっと前までは学卒で就職できないから大学院に行く、あるいは留学するという逃げ道もあったのですが、
激しい不況のため親も待つだけのための無駄な学費を出すのは厳しい状態。
親も子も疲れ切っています。
昨今のこうしたニュースに登場する就活中の学生は口を揃えて二桁(多くは後半・3桁とも)の企業を受けたといいます。私の後輩たちも同様です。
一昨年からの3学年併せて100万人単位の学生がそれだけの企業を受けて落ちたことになります。
それだけの延べ人数の選考にかける工数って企業にとって馬鹿にならないんじゃありません?
そんな金があるなら、トットとそこそこの人材を採って使える社員に育てたほうに向けた方が良くありませんか?
バブル崩壊直後大企業が一斉に採用を絞り込みました。
倣って中小程度の企業まで絞ったら、そこに世代の抜けが生じてしまいました。
私の居た会社はバブル後の当初人材の採り放題で喜んでいたのですが、育てる人間が減っていました。
他の企業が「即戦力」を求めて引き抜いていたからです。
そのころ6,7年目だった私にも誘いが無くは無かったのですが、仕事自体が忙しく更に大量採用した後輩を育てることに使命感を燃やしていました。
社長トップダウンの社風で会社は教育に異常に不熱心で"OJT"(On Job Training)と称して、入社3日目先輩と机を並べて仕事を覚えるという風でした。
私は年毎に一度に3人の新人に仕事等を教えて、自分の仕事は残業時間あるいは夜中。
育てた後輩はやがて多くは転職したのですが自社で昇進したものも含め私以上に役に立つ人間になったとは思っています。
私自身は仕事自体は出来ないから上司受けは悪いけど後輩には悪い印象は無いようです(笑)。
さてバブル崩壊からの回復を見るころ、企業が中途採用を盛んに行うようになりました。また派遣採用も盛んになりました。
キーワードは「即戦力」。抜けた世代を埋める目的もあったでしょう。教育費をかけずに使える人材をどの企業も求めて来ました。
そんな絵に描いたような人材がそんなに転がっているはずもないのに、いまだにアウトソーシングを求める企業の多いこと…
昨今はそれを更に新人にまで求めているようです。
ゼミでは卒論を書くだけの最低の時間しか取れず、じっくり研究をすることが出来ない。
テーマを持ってじっくり研究したことの無い大学生を採って即戦力になるとでも思っているの?
そんなにまでして、採用を渋って黒字を出すために汲々としているのはなぜかというと配当が出せないからです。
配当が良くないと効率化を迫り役員・社長人事まで国の内外から投資家が口を挟むのです。
ナベツネさん(読売新聞グループ本社代表取締役会長・読売ジャイアンツ会長渡邉恒雄氏)は好きでないですが「ハゲタカファンド」の名言には同意します。
効率化というけれどこれほど採用を絞るということはそれだけ企業が仕事をしないということ。
仕事をしてナンボの企業が仕事をしないとは自分の首を絞めているようなものでしょう。
社会全体がそれをやっているのが現状です。いつか国が窒息します。
近年終身雇用も崩れたのに政府は定年は65歳にしろという。
ちょうどベビーブーム世代が延命する訳です。このしわ寄せも新規採用を絞ることになっています。
私は年金を払い始めて25年余・加入期間において受給資格が出来ました。支給開始までは16年くらいありますが。
就職が出来ないということは、国民年金は払えても厚生年金に加入できないということでもあります。保健、雇用保険なども。
中途で失業して仕事が無い人も気の毒ですが、仕事が最初から無い上、社会保障費を払いはじめるきっかけは無い人は、もっと可哀想です。
仕事の有無も大事ですが、個人個人の将来としてはこっちが後で利いてくる恐ろしい予感がします。
規制や補助金で根本解決出来るわけではないですが、
政府も手をこまねいていては、大変なことになります。
2010年9月の完全失業率は5.0%だといいます。
この率の分母は「労働力人口」で6,649万人。分子は「完全失業者」で340万人。
完全失業者の定義は総務省統計局によると
1.仕事に就いておらず
2.仕事があればすぐ就くことが出来る
3.仕事を探す活動をしている
者であって、探すことを諦めた人や月末1週間に働いたことのある人は除外されます。
つまり就職できずにアルバイトしている人は、除かれています。
仮に今年と来年就職できない人を加えたら、率は1~2%上がるでしょう。
就活って誰のためのもの?