4月23日、24日と北京で開催されたモバイルインターネットのカンファレンスにゲストとして招待されたので参加してきました。

中国、日本、韓国のモバイル関係の大手企業、ベンチャー企業が参加したイベントでした。

エッセンスとしては、やはり3Gライセンスが今年に入り発給されたことで、モバイルインターネットサービスの飛躍の年になるという論調が多かったですが、中国ならではのポイントが幾つかあると感じました。

ポジティブな点としては、中国のキャリアがモバイルデータサービスの発展に(そろそろ)本腰を入れる時期に来たということです。

これまでは中国は加入者数がうなぎ登りに増えてきた為、携帯キャリアの視点では、別にARPUを上げなくても加入者数が増えればそれで良し、という発想が強かったと思います。これは、仮にライセンスが発給されたというだけでは、周波数が入札制ではない中国では、変わらないと感じていました。

ただし、昨年末の経済危機に対する中国の経済刺激策の一環という位置づけもあり、政府の圧力もあったのではと推測していますが、各キャリアが年間1兆円を超える設備投資を行う計画を発表しています。

これだけの設備投資を新インフラに行えば、回収のためには数の拡大だけではなく、質(=ARPU)の拡大も図らなくては、というモチベーションが必ずキャリアに生じるはずだと考えています。

一方、ネガティブな点としては、中国の端末業界の構造です。詳細は下記記事が詳しいですが、直近では中国で販売されている端末のおよそ50%がMTK端末とのことでした。

海賊端末が生んだ中国ケータイ業界の憂鬱

安価なチップが出回っている為、詳細の仕様が統一されていない多種多様な端末が存在し、かつそのような機種のシェアが高まってくると、データサービスの機能や動作保証を行うのが極めて困難になってきます。

結果ユーザビリティが均一化されず、ユーザの失望感が広がってしまう可能性は否めません。

今後中国モバイル市場は、引き続き有望分野だとは思いますが、現地独自の事情をしっかり認識しておかないと見誤る可能性があると改めて感じました。