今回はビタミンB2についてお話します。
ビタミンB2 は、リボフラビン (英: riboflavin)のことで 、ラクトフラビン(英: lactoflavine)とも呼ばれ、ビタミンの中で水溶性ビタミンに分類される生理活性物質です。栄養素のひとつで、かつては成長因子として知られていたことからビタミンGと呼ばれたこともあります。
生体内においては脂肪、炭水化物および蛋白質の代謝や呼吸、赤血球の形成、抗体の生産、正常な発育に必要とされます。甲状腺の正常な活性の維持や、皮膚、爪あるいは頭髪をはじめ体全体の正常な健康状態の維持に不可欠であり、不足すると口内炎や舌炎、皮膚炎、てんかん発作などの症状を生じます。
所要量
- 成人男性 1.2mg
- 成人女性 1.0mg
加えて、摂取エネルギー 1,000 kcal に対し 0.4 mg 必要とされます。
欠乏症
リボフラビン欠乏を引き起こす主な原因は不適切な食生活です。リボフラビンが含まれている肉類、卵、牛乳、チーズ、ヨーグルト、葉菜類、全粒穀物等を摂取しないと欠乏症になります。リボフラビンは水溶性なため体内に蓄積することができず、毎日摂取する必要があります。その他の原因は、肝障害や薬の副作用などが考えられます。
リボフラビンが不足していると下記の症状を引き起こします:
- 成長の停止
- 早期老化
- 角膜炎
- 皮膚炎(脂漏性)
- 脱毛症
- 舌炎
- 口角炎
- 口内炎
- 咽頭痛
- 胃腸障害
- 目の充血・障害
- シビ・ガッチャキ症
過剰症
過剰分は尿中に排泄されるため、過剰障害は発生しません。一日の必要量の数百倍を長期間投与しても無害です。ただし、一日に400mg摂取すると下痢や多尿が起こる可能性が示唆されています。過剰に摂取したあとは尿が蛍光黄色になります。
食品含有量
下記の食品に多く含有されます(いずれも表記は可食部 100 g あたり):
- 乾燥酵母 3.7 mg
- 鶏卵 0.43 mg
- レバー 3 mg(牛)、3.6 mg(豚)
- 獣鳥鯨肉 0.15-0.2 mg(牛肉)、0.2-0.25 mg(豚肉)
- 脱脂粉乳 1.6 mg
- 干し椎茸
- アーモンド
- ドジョウ
- 小麦胚芽
- 糸引き納豆
- いわし丸干し
- 緑黄色野菜
食物繊維を多く摂ると腸内細菌によるリボフラビン(ビタミンB2)の合成が盛んになります。
用途
医薬品、栄養強化または着色料としての食品添加物として用いられます。
薬との相互作用
特にありません。