今回はビタミンB1についてお話します。

 

 

ビタミンB1は、チアミンのことで、ビタミンの中で水溶性ビタミンに分類される生理活性物質です。栄養素のひとつ。このほか、サイアミン、アノイリンとも呼ばれることがあります。

糖質および分岐脂肪酸の代謝に用いられ、不足すると脚気や神経炎などの症状を生じます。酵母、豚肉、胚芽、豆類に多く含有されます。

 

多く含む食品

 ・酵母
 ・豚肉
 ・胚芽(米ぬか・ふすまなど)
 ・豆類
 ・ソバ
 ・全穀パン
 ・牛乳
 ・緑黄色野菜
 ・たらこ
 ・うなぎ
 ・カキ_(貝)
 

摂取時の注意

1日の所要量は成人男性で1.1 ミリグラム、成人女性で0.8 ミリグラム。加えて、摂取エネルギー1,000 キロカロリーあたり0.35 ミリグラムが必要とされています。

食品中に含まれる総量のうち、約半分から1/3は調理中に失われます。水溶性であり、食材を水にさらすと流失してしまいます。煮汁やゆで汁を利用すれば、食材から流失した分を取り戻すことができます。米を磨ぐ際は手早く少ない水量で行うか、無洗米・麦飯・玄米あるいは強化米を利用すると良いようです。

アルカリ条件下において分解が進むので、重曹を調理に利用すると分解されてしまいます。ニンニクに含まれるアリシンと結合し、アリチアミンとなると吸収効率が向上します。

強度の労作や、消耗性疾患の罹患により要求量がかなり上昇します。一方で、脂質の摂取により、要求量が少し減少します。体内に貯蔵できる量は少なく、吸収効率は高くない。進行時の脚気など、胃腸が弱っているときにはさらに吸収効率が下がる可能性があります。こういった場合は、高吸収率のビタミンB1誘導体を摂取すると良いといわれています。過剰に摂取しても、速やかに排泄されるため問題はありません。

 

欠乏症

 ・脚気
 ・代謝性アシドーシス(乳酸アシドーシス)
 ・ウェルニッケ脳症 - 慢性化するとコルサコフ症候群
 ・多発性神経炎、神経痛、筋肉痛、関節痛、末梢神経炎
 ・浮腫
 ・心臓肥大、心筋代謝異常
 ・馬のワラビ中毒
 ・チャステック病
 ・大脳皮質壊死症
 ・二次性肺高血圧症:慢性的に不足している条件では、神経系(脳を含む)におけるグルコース利用が困難になるため、多発性神経炎症状が出やすくなるといわれています。

 

過剰症

長期間の多量投与における障害は、現在のところ知られていない。過剰に摂取されたチアミンは速やかに尿中に排泄されます。

 

アリナミン

1954年(昭和29年)に「アリナミン糖衣錠」を発売。ビタミンB1欠乏症である脚気の治療薬の開発を大日本帝国陸軍から依頼されたことがきっかけで開発が始まったため、ビタミンB1誘導体が薬の主成分となっています。

種類として錠剤と栄養ドリンク剤があり、その種類も多岐にわたっています。なお、当初はほとんどが医薬品だったが、1999年に栄養ドリンク剤が医薬部外品に移行されたことで、OTC医薬品(第三類医薬品)の製品と指定医薬部外品の製品が存在します。

1910年(明治43年) - ビタミンB1を発見。
1951年(昭和26年)9月 - 戦後初、ビタミンB1誘導体の「アリチアミン」を発見。
1954年(昭和29年)3月18日 - 体内でビタミンB1になる脂溶性の物質「プロスルチアミン」の開発に成功し、「アリナミン糖衣錠」を発売。

 

医薬品との相互作用

特になし

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