記憶にはさまざまな種類があり、脳は行動の種類や物事の重要度に応じて各領域を働かせ、情報を保存・保管しています。今日はこの辺を勉強しましょう。

 

記憶とは、新しい事象を覚えて保持し、必要なときに引き出す(想起する)働きを言います。記憶にも多くの種類があり、その一つは記憶の内容による分類です。

 

たとえば、意識をともない、覚えた知識や過去の体験などを言葉やイメージによって表現できる陳述記憶(宣言的記憶)と、そうではない非陳述記憶(非宣言記憶)に分ける分類があります。

 

陳述記憶には、意味記憶とエピソード記憶(出来事記憶)があります。意味記憶は言葉の意味や固有名詞などの一般知識で、エピソード記憶は個人的な経験や出来事です。

 

非陳述記憶には、自転車乗りやギター演奏など、意識を伴わない技術や癖などの手続き記憶があります。

 

 

我々は目や鼻や耳などの感覚器からつねに膨大な情報を得ているが、とくに意識しないかぎり、1秒程度で情報は消失します。これを感覚情報保存(感覚記憶)といいます。

 

一方、何らかの理由で注意を向けた事象は記憶が保持されます。ただ、たとえばメモに書かれた電話番号をパッと見てダイヤルすると、電話を終われば番号を忘れてしまいます。このような15~30秒程度しか保持できない記憶を、短期記憶といいます。

 

電話番号も、何度も同じところにかけていると、やがて覚えてしまいます。このように短期記憶が何度も繰り返されることにより、分単位、あるいは年単位で長期に記憶することを、長期記憶といいます。

 

この短期記憶と長期記憶には、脳内の複数の部位が複雑に関わっています。