さぁ、今日の脳の勉強会ですが、システム的なところなので少々難しいです…

ただ、このシステムを覚えてしまえば、薬の効果の発生メカニズムと通じるところがあるので、今後の知識としては重要です。

 

ではでは、始めます。

 

神経終末(コードのプラグ)に送られた電気信号は、他のニューロンとの接合部であるシナプスで、今度は化学物質によって伝達されます。

送り手側のシナプス前細胞から神経伝達物質が放出され、接合部の隙間を経由して受け手側のシナプス後細胞の受容体に届けられます。

神経細胞って言っても一つの細胞です。つぎの神経細胞との間には少なくとも空間はできますよね。

この空間を電気信号の代わりに化学物質が行き来しているとお考えください。

 

シナプスで伝えられた情報には興奮性シナプス後電位(EPSP)と、反対に活動電位の発生を抑制する抑制性シナプス後電位(IPSP)の2種類があります。

前回のプラスとマイナスと同様、興奮させる情報と(興奮を)抑制する情報を司るシナプスにわかれているんですね。

 

ひとつのニューロンには無数のシナプスがあり、膨大な数の信号が送られています。そのため一つひとつの活動電位では反応は生じず、興奮性か抑制性信号のどちらかが多く届いたときに、初めて反応が生じます。

両方ともに刺激があるのだけど、興奮性が勝てば興奮に、抑制性が勝てば、まぁ落ち着けって感じですね。

 

 

 

では、なぜシナプス前細胞の神経終末に活動電位が到達すると、神経伝達物質が放出されるのでしょうか。そのカギはシナプス前細胞のカルシウムチャネルにあります。

チャネル、シャネルじゃないですよ。

「運河」って意味ですね。

神経電圧物質が放出されるにはカルシウムチャネルというスイッチがONにならないとだめなんですね。

 

神経終末にはカルシウムイオン(Ca2+)が出入りできるカルシウムチャネルが多く存在します。カルシウムチャネルは、平常は閉じていますが、活動電位が神経終末まで伝えられると開きます。そこでCa2+が神経終末に流入し、濃度が上昇するのをきっかけに、神経伝達物質が放出されます。これを開口分泌(かいこうぶんぴ)といいます。

 

じつは開口分泌の前に神経伝達物質の貯蔵庫であるシナプス小胞は活動準備を始めています。シナプス前膜の活性体にドッキングし、いつCa2+が流入してもいいように備えているのです(プライミング)。

そして開口分泌後のシナプス小胞は、速やかに細胞内に取り込まれ(エンドサイトーシス)、再利用されます。

 

簡単に言うと、なんか信号がきそうだなぁと思ったらシナプス小胞が膜表面にある放出口にくっついて、信号でカルシウムチャネルが開いてCa2+が細胞内に入ってきたらスイッチON!放出口から神経伝達物質を放出するという流れです。

 

 

信号の受け手がわであるシナプス後膜には、シナプス間隙に放出された神経伝達物質を受け取る受容体が、多数存在しています。この受容体は、イオンチャネル型受容体と代謝調節型受容体の2種類に大別できます。

よく、花粉症の薬で「カギ穴をブロック!」とかかいてありますが、そのカギ穴が受容体で、カギがここでは神経伝達物質になります。

 

イオンチャネル型は、イオンチャネルと神経伝達物質の受容体が一体化したタイプで、神経伝達物質が結合すると、直接イオンチャネルを開くしくみである。

代謝調節型は、神経伝達物質が結合すると、シナプス後細胞内を自由に移動できるGたんぱく質の作用を経由して、間接的にイオンチャネルを開かせます。

カギ穴には2種類有って、直接錠前が開くイオンチャネル型と何か他の仕組みを通じて錠前が開く代謝調節型があると覚えてください。

どちらの受容体においても、受容体に神経伝達物質が結合したままでは、次の反応は起こりません。ようは電気ビリビリ状態に電気をさらにかけてもビリビリは変わらず、一回終わってからでないと再度ビリビリは起こらないと考えてください。

 

そこで、結合した神経伝達物質はシナプス間隙に存在する酵素で分解されたり、シナプス前膜にある特殊なたんぱく質で破壊されたり、再度シナプス前膜に取り込まれるなどして、取り除かれる。

シナプス間隙には酵素やたんぱく質があって、神経伝達物質を壊して濃度下げ、次の藩王に臨みます。

 

さて、理解できましたか?

なんども読んで不明点があればご連絡ください。

 

では、また明日!