さて、今日の勉強会はちとむずかしいかもしれませんね。
あたまに入れてほしいのは
細胞ってブラス⇔マイナスを交互に変化しながら情報を伝達することと、
一回、プラスからマイナスになると再び元に戻ってマイナスになるのには時間がかかること
です。
では、では始めますね。
ニューロンの情報伝達は、電位(電気的にマイナスになっているのか、プラスになっているのか)の変化という形でおこなわれています。
通常、体内のナトリウムやカリウムなどの電解質は、電離してイオンの状態で存在しています(中性の状態ではなくプラスの電気を帯びています)。細胞膜には、カリウムチャンネル(カリウムイオンが出入りする穴のようなもの)があり、カリウムイオン(K+)が出入りできます。
ニューロンが興奮していない静止している時、細胞膜の内側はマイナス荷電、外側がプラス荷電の状態になっています(内側がマイナスを帯びていて、外側はプラスを帯びているということ)。
細胞内はカリウム濃度が高く、細胞内がマイナス電荷なので、静止時は平衡を維持しています(細胞内がマイナスを帯びていて、そこにプラスのカリウムがいるので中和している状態なんですね)。
静止時は、マイナス電荷である細胞膜内がプラス方向に変化することを、脱分極といいます。ニューロンの活動電位はこの脱分極により起こります。
何らかの刺激があり、細胞膜内のマイナス電荷が一定以上に強くなると、
[細胞内]のマイナス↑
カリウムチャンネルが閉まり、ナトリウムイオン(Na+)が出入りする
ナトリウムチャンネルが開いて、Na+が流入します
(平衡(中性な状態に)な状態に戻そうとするんですね)。
細胞内にNa+→(入ってくる) プラス↑
そのため細胞膜内はマイナス荷電からプラス荷電に変化(脱分極)します
(プラスのNa+が入ってくるのだから細胞内はプラスになっちゃいますよね)。
⇒細胞内のマイナス↓プラスへ!(脱分極)
しかし、一瞬のうちに、今度はナトリウムチャンネルが閉じ、細胞膜内は再びマイナス荷電の状態に戻ります(これも平衡な状態にもどそうとする作用です)。
細胞内(プラスになっちゃった)→チャンネル閉じる
→マイナス方向へ→中和
軸索内で起こる、このプラスとマイナスの荷電の変化が脳内でさまざまな情報を伝達している電気信号の正体です。
有髄線維と無髄線維では活動電位の伝わり方が異なっています。
有髄線維の塾索を取り巻く髄鞘は1~2mmほどの長さの節に分かれていて、節と節の隙間はランビエ紋輪といいます。髄鞘部分では脱分極が起きないのに対し、ランビエ絞輪では脱分極が起こりやすい(髄鞘はコード部分、ランビエ絞輪はコードのプラグですね)。
そのため髄鞘部分を飛び越すように、ランビエ絞輪間で電気信号が飛び越すように、ランビエ絞輪間で電子信号が伝えられます。これを跳躍伝導という。
コードの分だけ遠くに伝達されるんですね。
その結果、有髄線維での電気信号の伝導速度は、無髄線維に比べてきわめて速いんです。
一方、無髄線維では、軸索内の脱分極が連続的にゆっくり起こっています。
隣に順々に反応が伝わっていくのです。
軸索のある部位で脱分極が生じてプラス荷電になると、隣り合った部分は通常のマイナス荷電のため、お互いが引き合って電流が生まれます。すると隣のマイナス荷電部分がさらにマイナス化するため、脱分極が起こります。一度脱分極すると、一定の期間再び脱分極できないため、脱分極が隣へ隣へと連続的に伝わっていきます。
一回脱分極すると次に脱分極するまで時間がかかるので、逆流しないんです(反応しないから)
なので一方向に刺激が伝わるのです。
なお、中枢神経系の神経細胞の軸索はほとんどが有髄線維なのに対し、末梢神経系では有髄線維と無髄線維が混在している。中枢神経系ではつねに速い伝導が必要とされるのに対し、末梢神経系には伝導が遅くてもよい神経線維もあるためである。
たとえば運動指令を伝えるのは伝導の速い有髄神経で、痛覚のうち鋭い痛み(遅痛)を伝えるのは、伝導の遅い無髄線維である。
細胞体で発生した活動電位は、隣接する軸索に次々と活動電位を発生させ、遠く離れた神経終末まで伝えられます。一度発生した活動電位が途中で消滅することはありません。
また、脳には非常に多くの神経線維が密集しているが、活動電位は必ず1本の軸索のみを伝わっていきます。別の神経線維がどんなに近く距離に隣接していても、そちらに乗り移ることはありません。
このような法則に基づき、脳内の複雑な活動が確実に遂行されているのです。
どうでしたか?
ちょっと難しかったかな?
脱分極ってよくでてきますので覚えてくださいね。