Jリーグ全体でのオープニングゲームとなるこの1戦は、悲願の新スタジアムを完成させ優勝を狙う昨季3位のサンフレッチェ広島。ヘグモ新監督のもと大型補強を敢行したレッズにはいきなり手強い相手だが、目指すサッカーや良い形を見せて、3ポイントで最高のスタートを切りたい!

 

24.02.23(金) J1第1節 Eピース

浦和 0-2 広島

                    ’45 大橋祐紀

                    ’55 大橋祐紀

 

 

浮き出た完成度の差 惜しい形もあったが…

期待を持って臨んだ開幕戦は、良い形は何度か生まれたものの内容を見れば負けるべくして負けたような試合となってしまった。4-3-3、1アンカーの新フォーメーションで臨む浦和に対して相手の広島はスキッベ体制3年目、磨き上げられた3バックのハイプレスから素早い攻撃は熟練度を増しており、試合の中で徐々に相手のやりたいようにやられてしまった。

 

試合を通して振り返ると、前半は浦和がゆったりとボールを握る展開が続き、その中で前線のみならずインサイドハーフやサイドバックの攻撃参加で幾度かチャンスを作った。左サイドボックス内での混戦から小泉が打った場面や松尾のグラウンダークロスに関根が合わせたシーンは去年にはあまり見られなかった形で、これが点につながっていれば試合展開は大きく違っただろうが、どちらも大迫が立ち塞がった。

 

そして時間が進むにつれ徐々に広島が押し込む展開となり、どんどん人数をかけて押し上がる攻撃に苦しんだ末、ミドルレンジでぽっかりと川村を開けてしまい、シュートのこぼれ球を詰められた。あの場面では集中が切れたように感じたが、広島のボックス内への果敢な突破を防ごうと引いたことで逆に中盤を開けてしまった部分があると思う。そこまでに広島が作った流れも考えれば相手の磨き上げてきた形に呑まれたことで、両チームの完成度の差が現れてしまったと感じた。前半の終了間際に失点してしまったのも、後半の出だしにつまずく要因になってしまっただろう。

 

新戦力には期待感 

ビハインドで迎えた後半は、試合後関根が語ったように自陣から繋ごうとする意識が強まることで逆に自分たちの首を絞めてしまった印象を感じる。広島のハイプレスに対して前線は張る中で多くの選手が自陣に降りてきて、中盤から前への繋ぎがほとんど見れなくなってしまった。チャンスが全く作れない中でハイプレスに嵌ることも増え、小泉のロストからPKを与えてしまった。これは相手のミスに救われるも直後に失点。苦しい状況で追加点を許したことで、かなり厳しい状況となった。
 
しかし67分に前田と岩尾を投入すると、攻撃が活性化。特に前田のドリブルは広島の守備陣を切り裂いていき、いくつかのチャンスメイクとシュートを放っていった。味方もシンプルに彼を使うようになり、結果としてこのまま得点は生まれず敗北となったが次節はスタメンで使ってほしいと思わせる期待感あるパフォーマンスだった。また、ほかの新加入選手に触れると、1アンカーで先発したグスタフソンはさすがの技術力だった。CBやIHとの繋ぎに積極的に参加するとワンタッチで長短に散らしていき、セットプレーでも高精度のボールをいくつも入れた。守備強度に少し不安を感じるが、異国の地での初戦としては充分なパフォーマンスだっただろう。
 
また渡邊も左SBでまずまずのパフォーマンスを見せてくれた。サイドでの守備では対人の強さを発揮し、後半に1対3のような形になった場面ではうまく遅らせながら対応し失点を防いだ。次節以降は連携を高めて、より攻撃参加をする場面を見てみたい。レンタルから復帰した松尾は以前と変わらずサイドで高いクオリティを発揮し、突破からクロスでいくつかチャンスを作った。ただ個人的には彼はやはり左で見てみたいし、もっとスピード感のある中でボールを受ける場面を作りたい。
 
サンタナには今日の試合展開は少し難しかったかもしれない。ロングボールを収めるタスクが多く、タイトにつく広島守備陣に苦しむもいくつかファウルを受け、コーナーからのヘディング、味方がサイドで崩した時の中での動きなど良いシーンも多くみられて、ポテンシャルの高さを見せてくれたと思う。このまま起用してまずは1点ほしい。  
 

個人的MOM  28 アレクサンダー・ショルツ

ビルドアップ面では安定したパス回しを行い、ドリブルでの持ち上がり、ウィンガーにつける中距離パスもよかった。守備面でも相手がボックス内に入ってくる中で良い対応を繰り返し、クリアを行う場面もいくつかあった。味方を鼓舞する場面も見られた熱い男が、今年も浦和の守備の要、そして攻撃の第一歩として頼りになりそうだ。

 

次節に向けて

選手が大きく入れ替わり新監督のもと、新スタで今日は難しい試合だったと思う。しかしやりたいサッカーもところどころ見えたし、新戦力もそれぞれ良さを見せてくれて、個人的には変わらず今季への期待感を持っている。ヘグモ監督の戦術がハマるまでは少し我慢が必要かもしれないが、今季の運命を占うのは次の試合かもしれない。
 
ホーム開幕戦を迎え相手は昇格組の東京ヴェルディ。いくら2試合目といえここで勝利を逃せばこのままズルズルと悪い流れで、今季の優勝は厳しくなると感じる。連携がたとえ取れなくても個の力で得点をもぎ取れるくらいの、ポテンシャルの高さを見せてほしい。とにかくこの期待感を結果につなげてほしい。まずは得点、そして3ポイント。結果から自信を経て良い流れへとつなげてほしい。また私は次節、今季初の現地観戦!尻が浮く試合を見せてくれ!
 

 

次節 3/3(日) J1リーグ第2節 vs東京ヴェルディ @埼玉スタジアム