遅ればせながら、M-1グランプリ見ましたよ。

サンドイッチマンおもしろかったねぇ。いや、ホントに楽しませてもらいました。

審査員の巨人が言ってたけど、「本当に何で普通に上がって来なかったのか」が不思議です。

敗者復活からの優勝は史上初だそうだけど、まぁテレビに出てくる以前の審査がどういう形で行なわれているのか知らないからなんとも言えんけど。充分に優勝の価値あるコンビです。


ヤクザっぽいのは伊達の方かな?あれがヤクザのなりしてまっとうな事を言い、相方の一見普通のおとなしそうなのがめちゃくちゃな事を言ってぼけているという、意表を突いたネタです。掛け合いの際の設定もなかなかよいと思う。「客と業者」とか、「売り手と買い手」のような、ある種の上下関係を作っているおかげで下の方にいる側は丁寧な言葉を用いています。その為、下の位置にいる方は自然に落ち着いた喋りになるんだけど、それがとぼけた事を言ってて、きっちり聞き手に伝わっています。ヘタなコンビ漫才の場合によくあるのが同級生などの同等関係の設定で、そういう時にはテンションが似ている為に二人でわめき合ってるだけに陥るケースがある。このように上下関係を作ってくれると「絶妙の間」が自然に出来、喋りのリズムも変わるから一本調子を避ける事が出来ます。変化が生まれて、だらだらとならないし聞き易くもある。

コンビを組んで8年?9年?らしいけど、こなれててとても洗練された印象を受けました。ライブで見たことのある人は、「こいつらおもしれぇのになぁ」ときっと思ってたでしょうね。チャンスをつかんだってことです。


個人的には笑い飯を応援してたけど、正直言って今回のネタは不発でした。いわゆるダブルボケを強烈にかましたって事かなと感じましたが、ダブルボケが持ち味である事は既にみんな知ってるんだから、そこで優勝を勝ち取る為の「ダブルボケでかます最高のネタ」を持ってこないと高得点は望めません。思うに、3組に残ったあとに「最高のネタ」を用意してたんじゃないかなと考えます。つまり出し惜しみしたわけですね。それはいかん。もうこれ以上のものはないという全力を出さないと伝わりませんわね。技巧に走って負けた。なまじ常連になって慣れてしまった為に、M-1慣れした事が災いしたんでしょうね。だから、笑い飯が優勝する為には認知度の浅い段階で頂点まで勢いよく駆け上がらないといけなかったなと思います。来年どうするんでしょう?その辺りを踏まえて一皮どころか二皮くらいむけたものを出さないと厳しいでしょう。


早速色んな仕事が舞い込んでいるらしいサンドイッチマンですが、あくまでも漫才コンビという形で今後もやってもらいたいところです。

まずは本当におめでとう。