久しぶりだったけど、ツタヤに行ってCDを買った。

買って店を出ようとしたら、入り口にコンパニオンが立っていた。


長崎県北部地方は急激に冷え込んでおり、今日が昨日と連続しているとはとても思えないほど。夜の事を考えて、僕も部屋のストーブに灯油を仕込んで家を出てきた。

そんな寒さに関わらず、そのコンパニオンの生足がいかにも痛そう。


「どうぞぉ、スピードくじをどうぞぉ!」

彼女が僕に近寄ってきた。「引いていいの?」

「どうぞぉ、1枚お引きくださ~い。お客様、くじは初めてですかぁ?」

「・・・そりゃ初めてだけど?」

「初めての方はもう1枚してもらっていいですよぉ?」

「あ、そう。二枚いいの?」

「今キャンペーン期間中で、皆様にご好評頂いて・・・」

とかなんとかごにょごにょ言っていた。


ぺろん。




はずれ。




もう1枚。



ぺろん。






2等。


「おぉ?!当たったのぉ?」


「わっ!!すご~い!当たりましたね!!!」


2等賞である。やったぜ!

「お客様、すご~い!お客様、音楽とかお好きですか?」

「え?なになに?これが当たったの?うん、大好き」


見ると、彼女の横に鎮座ましましているダンボールのボードに何やら賞品が書いてあり、中段に写真が乗っかっている。そこに2等と書いてあるではないか!これは・・・DVDか?それともアンプか何かか?ラジカセのような面構えではない。見るからにアンプっぽいもの。コンパニオンがそこでぺらぺら聞いてくる。

「お客様、ラジカセかコンポか何かお持ちですか?」

「家に?うん、あるよ」実はラジカセはもう故障したから捨てた。ない。僕がCDを聞くのはもっぱらパソコンで、それと車にあるCDデッキで聞く。だけど、こういう時は即座に「ある」と答えるに限る。当たり前だ。

「ラジカセやコンポに接続しても楽しむことができるものなんですよ」

そこで僕は「はて?」と考える。

なによそれ?

ラジカセでなく、コンポでもないのか?チューナーか?それ単体では楽しめないのでござるか?

「機能としては、有線がお部屋に居ながらにして楽しめるタイプになっております」


「有線?」

「はい。有線とご契約していただく事が条件となっております」

何じゃそりゃ?有線を聞く「アンプ内臓のチューナー?」って事かい。寒空の下でミニスカ生足で頑張ってるから、結構好意的に見ていたし、しかも2等賞でびっくらこいていい気分になってたのに。しかも、彼女の口の端に思いっきり溜まっているつばにきづいて僕はがっかりした。


「有線なんていらねぇ」

「そうですかぁ。それではこちらのノベルティグッズをお持ちください」

僕が三角くじの入った箱に手を伸ばしてから約30秒たらず。彼女はぺらぺら喋り続けていたけど、要は全てセールストークだったようだ。

もらった2等賞。袋に入った一回分の入浴剤(登別温泉)と、ブレンディコーヒーのドリップパックを2袋。なんじゃ。


ま、何かを購入した事でチャレンジできるものというわけでなく、ただ単にツタヤに来店しただけなのだし、そんなうまい話があるわけもなく。おそらく、あの箱の中身は2分の1の確率で2等賞だ。1回目で外れたからもう1枚引かせて、つまり2等賞が出るまでおおむね引かせるものと見た。目的は有線の契約を取る事なんだからね。


思えば、「お客様、すご~い!」の反応もやや棒読みというか、芝居じみててどこか空疎だった。そりゃそうだわな。みんなに「すご~い!」と言いまくっているはずだ。トークの流れとしてなのだ。


これから年末商戦に向けて、うまそうな話に出会うこともあるかしらん。

コンパニオンに注意というか、企業の戦略に注意だな。


決して生足にほいほい引かれて行ったわけではない。

たぶん。