イチロー差別への反発、メジャーで不当扱いウンザリ

 WBC日本代表は、マリナーズ・イチローが実質的なリーダーとして、チームを引っ張っているが、ここまで彼を燃えさせる理由の一つにメジャーで味わう“差別”への反発がある、と球界関係者は指摘する。5年連続3割の金字塔を建てたイチローも、米球界に隠然と残る格差に悩まされ続けているという。

 イチローの今回の目標は、ジャパンのユニホームを着てアメリカ代表を打破することに尽きるようだ。米球界関係者がこう語る。

 「彼は最近、日本のマスコミを通じ、“愛国心”の表現で日本のよさを強調していますが、あれは本心でしょう。彼もメジャーで黒人や中南米の選手たちが受ける理不尽な扱いに、腹を立てていることは確かです」

 日本に来る外国人選手たちも、しばしばストライクゾーンの違いで審判に暴言を吐くなどして退場事件を巻き起こすが、メジャーでも似たような“外国人”に対する判定がある、と関係者が解説する。

 「ストライク、ボールの判定で、外国人選手が明らかに不利を受けているシーンがありますね。米では審判が絶対的な権力を持っており、クレームを付ければ即、退場になるので我慢しなければならないけど、もうウンザリ、というのが、イチローの心境ではないでしょうか」

 厳しい判定を下されながら、連続3割を続けるイチローの技術も素晴らしいが、不当な扱いにストレスはたまる一方だ。

 「ここ2、3年、あまりにもひどい判定には、日本語でクレームを付けているようです。相手は分かりませんからね。でもそんなささやかな抵抗では、彼の鬱憤(うっぷん)は晴れない」

 日本の野球がどのようなレベルにあり、素晴らしいかを野球大国と自認する米国に知らしめる。その第一歩が、今回のWBCでアメリカ軍団の打破にある、というのだ。

 「アメリカを破って優勝すれば、彼らの日本野球に対する認識も少しは変わるでしょう。イチローはそのような命題を背負って、今回に臨んでいると思います。今後、続々と現れるメジャーを目指す日本人選手の環境作りのためにも、ジャパンはメジャーを凌駕(りょうが)するほどの実力がある、と披瀝(ひれき)したいのでしょう」

 初めて日の丸を背負うイチロー。義憤に燃えて痛快な活躍を見せてくれそうだ。

(夕刊フジ) - 3月1日17時1分更新


WBCに対して、僕はこれまで懐疑的な考えを抱いていた。前に書いている。 WBCって意味あるわけ?

だが、上記の↑記事に触れてから少し認識が変った。

ほう、そうなのか。イチローはアメリカに対して日本の力を示す為に『この企画に乗った』のだな、と。


僕の周囲の女性(ごく少数だが)は、イチローをあまり好きではない。新庄のようなパフォーマンスもないし、清原のように派手な本塁打を狙う事もしないイチローは、女性たちにとってはどちらかと言えば地味で、頑固に映り、面白みにかける存在のようだ。だがもちろん、僕はそんな事を思ってはいない。日本人野手として初めてメジャーでの成功を収めたイチローは、少なくとも僕の記憶に残っているし、数々の記録をも打ち立てた尊敬すべき選手だ。ごく限られた時期を除いて、彼はインタビューに冗舌に答える事もなく、常にプロ野球選手としての仕事に集中している。安打職人とも言える頑なさで野球に取り組む真摯な姿勢は、たぶん男性により理解されやすい選手なのかなと思う。

そのイチローが陽気に笑い、ジャパンのユニフォームにはしゃぐ姿が僕には奇異に映った。何なのだ?と。

だが彼の胸に秘められていた思いの一端を知り、僕はすこぶる嬉しくなったのだ。

そうか。燃えてるのだな、と。

僕の記憶では、イチローは質問に答える際に「少なくとも僕は」というフレーズをよく口にする。それは、自分以外の選手に対する敬意であると同時に彼自身の自信の表れではないかと想像するのだ。メジャーで確固たる地位を築きながら、不当な差別にもさらされて来たイチロー。少なくとも僕は、と言い続けながら、それは年々「(優秀なのは)少なくとも僕だけじゃない」という思いが膨らんで来たのではないだろうか?


確か、2012年のロンドン五輪で野球は正式競技から削除される事になった。最強はメジャーリーグでしかあり得ないという、アメリカのプライドが少なからず影響しているのかと思う。だが、少なくともマリナーズというメジャーのチームを牽引しているのは日本人であるイチローであり、きっと成功するであろう城島であり、佐々木や長谷川に依存していたのもそう昔の話ではないのだ。

かつてメジャーを手本に始めた日本野球が、今やそのレベルに到達しようとしていて、ある面では既に凌駕している。米国人にとって受け入れ難いかもしれないが、残念ながら「変化」は確実に起こっている。


日程の面や、主力選手が必ずしも揃っていないだとか、短期決戦による優劣の是非だとか様々な問題は消えないだろう。初めて行なわれる事だし、『優勝国が世界一であるという証』を得られるとまでは言えない。しかし、それでも一定の意味と価値はある。

イチローが「大和魂を胸に秘めて」挑むこの戦いに、僕はエールを送りたい。


開幕からの二試合で、身体も暖まった事だろう。

いざ、アメリカへ!