くすりを逆から読むとリスク(危険)です。「ドラッグ」と言えばだいたい麻薬関係を指しますが、「ドラッグストア」なら薬局となります。で、ドラッグと似た言葉にグラッドがあります。
「喜んで・・・する」という形容詞になります。ま、この単語のつづりは「GLAD」で、
「DRUG」と裏表関係ではないので、言葉遊びになりますが。
小学校4年生くらいの頃、確か風邪をひいて病院から貰った薬を飲んだ経験があります。その薬は最初のものがイマイチという事で、変えてもらったものでした。友達の家に遊びに行った時の事。やたらと腹が痛くなり、「今日はもう帰る」と言いました。
すると、友達が「何で?」とか聞くのでテキトーに何か言い訳を・・・とまごまごしていたらマジたまんなくなって、恐らく何らかの変化が顔に出ていたと思いますが、友達もそれ以上は聞かず、ごめんと言って外に出ました。
家まではチャリで15分程度の距離ですが、もう強烈に痛い。友達の家がちょうど公園の目の前で、僕はたまらず、チャリごと公園に入りました。公園には、いわゆる「ロケット滑り台」があります。よくある、てっぺんに行くと、屋根の部分が宇宙ロケットを模したものになっていて、遊ぶ時は宇宙パイロットの気分になれるという、そんな滑り台です。下のほうに羽根らしき飾りなんかもついています。僕はチャリごとその滑り台の下に入り、チャリを茂みに隠して、そこに横たわるしかありませんでした。
当時は、痛い場所が胃なのか腸なのか、そんなことわかりません。(今でも怪しいかも)とにかく腹が痛い!きりきりねじれます。冷たい汗が額にびっしりあったのを覚えています。滑り台の陰の冷たい土の上で、ただただ僕は痛みに耐えるしかありませんでした。なんでか知らんが、「死ぬのかな」と思いました。死に場所としては、あんまり褒められた場所じゃありません。何故なら、ここで死んでしまったとして、もし明日、雨でも降ったら誰も遊びになんか来ないし、そうしたら僕が誰かに発見されるのはいつになるのだろうと心配したのです。しかも、その心配が的中した場合は、僕の身体は雨で腐っていて、まともな死に顔ではないはずです。というのも、時代劇かなんかで岡っ引が言う「ど座衛門ってなぁ、何度見てもィヤなもんだぁね」というセリフを思い出したからです。
腹の中がきりきり、ぐりぐりとねじれて、(はらわたという言葉や、そこに内臓が収まっているのを初めて意識しました)息苦しさも頂点に達して来ました。そうして、我慢している僕そのものが、何か、どこか昔の経験のように、現実のことではないかのように感じ始めたあたりでふと瞬間痛みが遠ざかり・・・僕は意識を失ったのです。
ふと起き上がった僕の頭に最初にあったのは「あ、寝てた」です。
そして、死んでないなと思い、よろよろと起き上がり、無事にチャリをこいで家まで帰りました。母は僕を見るなり、「何して遊んだの?真っ黒じゃない!」と怒りましたが、僕は何も言いませんでした。まあ、いつも日陰になっている公園の土の上でさんざん悶え転げましたから、シャツやズボンが汚れるのも当たり前です。
その日から、貰った薬は「腹が痛くなる」と言ってもちろん飲みませんでした。
大人になり、風邪薬を貰う時は決まって確かめます。この薬は何ですか?
「これが抗生物質、これが総合感冒薬、これは・・・胃が荒れないように飲む薬・・・ですね」
胃が荒れないように飲む薬。それを見ると、僕は必ず、死を覚悟したあの日を思い出すのです。
もひとつあるので、次回、もっと大人になってから経験した事をお話します。