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Red Panda 会のブログ

こんにちは。雑多なブログですが、一般企業での経理経験と、税金関係の職務経験を基に、そういう話題のブログも書ければと思ってます。

こんにちは。「輸出大企業が消費税を還付されるのは輸出補助金でけしからん!」という言説をよく目にしますが、本当にそうなのでしょうか?まず、消費税の納付額は基本的に、課税売上に係る消費税額から課税仕入に係る消費税額を引いた金額であり、課税仕入に係る消費税額の方が多ければ還付になるというもので、輸出が多い大企業の特権などではありません。

輸出以外にも、例えば高額な固定資産を購入した、経費の値上げ、軽減税率8%の売上が多く、経費10%の差など、課税事業者であれば零細企業でも個人事業主でも農家でも、赤字黒字にか関わらず消費税の還付はあります。


そのうえで、全く同じ商品の流れとして、国内で販売した場合と、輸出の場合の比較をしたいと思います。(図1)をご覧いただきますと、国内販売の場合は、最終的に消費者が負担した4,000が、A社B社C社の納付税額により、国に納付されている事が分かります。
次に(図2)輸出の場合ですが、輸出は免税売上(課税0%)となりますので、C社には課税仕入に係る消費税額2,000が還付され、国に納付される消費税額は差引0となります。
輸出免税の鍵は仕向地課税主義(消費地課税主義)という考え方で、消費税のような税は、「消費地」で課税しましょうよという各国の租税に関する主権を相互に尊重しようとする国際慣行からくるもので、しごく合理的なものであります。よって免税となった商品などは消費される相手国の税が付加される訳です。


それを踏まえて(図3)国内販売と輸出の利益の違いを見てみると、どちらの場合も利益に違いがない事が分かります。たまに「税込経理なら還付金が収入に計上されるから得じゃないか」という人もいるようですが、どちらの経理方式を採用していたとしても、利益は同じである事が分かると思います。
また、※参考例のように、免税売上にも関わらず、国内販売時の税額を上乗せした売上を用いて、さも輸出の消費税還付により利益が増えているように見せる例も見受けられますが、これは※参考例でいうと単に4,000高く売れたというだけの話で、消費税うんぬんの話ではありません。
考えてもみて下さい、この場合わざわざ相手国で4,000高く売っている、いわばセルフ関税をかけているにも関わらず売れていると言えるので、単に相手国の市場で高く売れたんですね。という例にしかならないと考えるのが自然ではないでしょうか。

以上から、輸出大企業が消費税の還付で得しているとか輸出補助金であるかのような言説は不適切であると考えます。私は何も消費税を礼賛している訳でも理屈を振りかざしたい訳ではありません。このような大企業に対するルサンチマンや陰謀論的主張に基づいた話は本当の建設的な議論を阻害するという思いだけであります。少しでも疑問に思い、考えてくれる人が増えると嬉しく思います(^_^)