似て非なる?消費税の「免税」と「非課税」 | Red Panda 会のブログ

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こんにちは。雑多なブログですが、一般企業での経理経験と、税金関係の職務経験を基に、そういう話題のブログも書ければと思ってます。

こんにちは。夏の参院選を前に消費税減税の議論が活発です。その中で、立憲民主党が提案してきた、食料品のみ消費税0%案は減税派のみならず反対側の人達にもすこぶる評判が悪い。悪手でしかないという声が多いようです。
また、食料品を「免税(課税0%)」とするのか、「非課税」とするのかでは全く意味合いが異なってくるのでその辺の制度設計がしっかりできるのか疑問です。今回はその辺りのお話を。

まず、消費税とはどのような取引に課税されるのか。国税庁HPには、「国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡、資産の貸付け及び役務の提供に課税されますので、商品の販売や運送、広告など、対価を得て行う取引のほとんどは課税の対象となります。」
・外国から商品を輸入する場合も輸入のときに課税されます。とあります。

①課税取引(ありていに言えば②③④以外は課税取引という事です。)

②非課税取引(国内取引であっても消費に負担を求める税としての性質上や社会政策的配慮から課税の対象としないこととされている取引があり、これを「非課税取引」といいます。例えば、土地や有価証券、商品券などの譲渡、預貯金や貸付金の利子、社会保険医療などの取引がこれに当たります。)

③免税取引(消費税では、非課税取引のほかにも、消費税が免除される「免税取引」があります。例えば、商品の輸出や国際輸送、外国にある事業者に対するサービスの提供などのいわゆる輸出類似取引などです。)
※課税取引ではあるが、税率0%の意

④不課税取引(消費税の課税の対象は、国内において事業者が事業として対価を得て行う取引です。これに当たらない取引には消費税はかかりません。これを一般的に不課税取引といいます。)補助金を貰ったなどが多いでしょうかね。

以上を踏まえて、例えば以下の状況の食料品専門の小売店があるとして、「免税(0%課税)」と「非課税」でどのような変化があるでしょうか。
※以下税込経理で示しています。(税抜経理でも結果は同じです。)

①現状の場合
売上10,800(8%内税800)食材仕入5,400(8%内税400)その他経費2,200(10%内税200)の飲食店があったとすると、消費税納税額は200。
10,800-5,400-2,200-200=3,000の利益。

②「免税」の食料品0%になり、消費税分の売価を下げ、食材の仕入値が消費税分下がった
売上10,000(内税0)食材仕入5,000(内税0)その他経費2,200(内税200)、消費税納税額は▲200(還付)
10,000-5,000-2,200+200=3,000の利益。

①と②で利益は変わらないという事になります。ただそんな首尾よく売価も下げれないし仕入値も下がる訳がないだろうという声もあるかと思いますが、「あくまで」消費税は損益に影響しない設計なのです。

③ただ、「非課税」の食料品0%になった場合、少し話が変わってきます
売上10,000(内税0)食材仕入5,000(内税0)その他経費2,200(内税200)、消費税納税額は0。
10,000-5,000-2,200-0=2,800の利益。

あれ?②と同じように見えるけど何で還付がないの?と思ったかと思います。そこが「免税」と「非課税」のポイントです。
消費税の納税額は①や②のように、基本的に課税売上に係る消費税額-課税仕入に係る消費税額を引いた額となり、(マイナスなら還付)この課税仕入に係る消費税額を「仕入税額控除」と言います。
この仕入税額控除には「課税売上割合」というルールがあり、これが鍵になります。細かい部分の説明は割愛させてもらいますが、簡単に言うと、「非課税売上」の割合が多いと、その分は控除できませんよというものです。
つまり③は「非課税売上」が100%という例なので、その他経費に係る消費税額200が控除できず、その分を丸々被ることになり、利益が減るというような事も起こり得るという事です。

勿論、他に課税売上があったりすれば控除できる部分もあるし、非課税売上の中でも診療報酬や薬価等には、医療機関等が仕入時に負担する消費税が反映されていたりなどの配慮?はあります。(医療機関の領収書に記載があります)

簡略化した例ではありましたが、自分なりに説明致しました。消費税はかなり複雑な制度設計になってしまっている事は否め無いと思います。ただ、少しでもご興味を持って頂けたら幸いですm(_ _)m