(つづき)
骨髄バンクのコーディネーターさんと病室に入ります。
「個室を割り当てて頂いたので、ドナーさんにとっては良かったです。大部屋よりはやはり気を使わなくて済みますので」とのことでした。
ドナーの入院費は、骨髄を受け取る患者さんの治療費という扱いとなり、患者さん負担になるようです。大部屋の方が費用が少ないはずで、私は大部屋でもかまわなかったのですが、ここはありがたく、個室を使わせていただき、明日の手術にそなえることにしました。
「今回は、ご縁もあって骨髄バンクのドナーとしてご協力いただきありがとうございます。実はまさかAさん(私のこと)が最終的に提供にまで至るとは思っていませんでした。」
と、コーディネーターさん。
私の健康診断の結果がドナーとして提供できるぎりぎりで、かろうじて基準をクリアできましたね、などどいう意味ではありませんでした。提供にまで至るドナーをコーディネートする機会は、コーディネーターさんでさえなかなかない、ということでした。
骨髄バンクの資料を見ると、私が在住する都道府県でドナー提供した人数は、この頃だいたい1か月平均3人でした。この病院で1か月3人ではなく、在住都道府県内のすべての病院の合計で1か月あたり約3人です(全国合計で1か月あたり約100人ですから)。ドナー登録者数は全国でも上位の方なのですが、それでやっとこの人数。コーディネーターさんとしても、実際に提供に至るドナーを担当する機会は確率的にも少なく、まさか(今回私が)提供にまで至るとは、とのご感想だったようでした。
まだまだ骨髄バンクのドナー登録者を増やしていかないとなりませんね。
また、コーディネーターさんからは、入院支度金(5000円)と、別途お願いしていたドナーカードをいただきました。
骨髄バンクに登録した7年前の当時は多分ドナーカードをもらっていなかったので、くださいと頼んでおいたものです。採取前日の入手とはいえ、ドナー登録者として実感がわくので、もらって良かったです。
その後、病室にひとりとなったこのタイミングで、病室とはこういうところかと観察するのでした。
出生時を別とすれば入院経験がないので、他の病室(個室)との比較はできませんが、この部屋はほぼビジネスホテルのような感じです。広さはむしろ、普段出張の時に取る部屋よりもゆったりしているくらいです。おそらく、患者さんを載せたストレッチャーやベッドのままでも、病室内外へ出入りさせられるよう、看護上必要なためでしょう。
ベッドの頭上には、担当医師・看護師名と、患者名(私の名前)が書かれたプレートがついているのも、ビジネスホテルと違うところです。
個室ということでシャワーとトイレもついています。浴槽はありません。壁に「化学療法中〜48時間以内のお願い!」として、
「使用後は、便器のふたを閉じてから、水を2回流してください!!」という注意書きが貼られているのも、ホテルではなく病室であることを意識させられます。
室内の観察もすぐ終わって、やることがなくなってしまいました。
(まだ、つづきます)