■J1■2012シーズンスローガン評価 「その言葉は記憶にございません」 | picture of player

■J1■2012シーズンスローガン評価 「その言葉は記憶にございません」

さて、みなさん、最近頻繁に更新してるわたしですが、お元気ですか。褒めてください。
なぜ更新できるって?聞かないでくださいよ。

さて、今回はちょっと趣向を変えて、スローガンについて。

みなさんは、年頭の新体制記者会見を覚えているだろうか?そして、そこで毎年発表されるスローガンのことも覚えているだろうか?新監督、新選手、みんなそんなことばかり見ていて、きっと忘れているはず。
そんなスローガンを今更引っ張り出してきて、評価しようというのだから、俺の性格の悪さには恐れ入る。ただ、このスローガンを改めてみると、「年始に酔っ払って考えたんじゃねえのか?」というようなものまであり、中々に面白い。

けっこう真面目に具体性、キャッチーさ、ご当地性、達成度という四項目で評価しました。やっぱ広告には「しずる感」っていうの?そういうしずってかなきゃいけないと思うんですよ、しずり続けていかなきゃいけないわけじゃーん?(以上、広告業界への偏見)
ちなみに別に広告関係の仕事をしてるわけではないので、てきとーです。



■札幌

We Go On ただひたすらに

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・具体性    5.5
・キャッチーさ 6.5
・ご当地性   5.5
・達成度    6.5

横文字+日本語というJスローガンの典型で、具体性はあんまりなし。ただ、ロゴかっこいいし、二文字の英語で揃えたところに、ただひたすらに、という言葉を添えて、中々にキャッチー。ご当地性はあまりなし。そして、達成度にいたっては、現在のところただひたすらに負け続けているので、マニフェスト達成でございます。ひたすら勝ち続けるほうに是非今後はいっていただきたい。


■仙台

Vshift(ブイ シフト) 杜が進む、越える、輝く☆


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・具体性    4.5
・キャッチーさ 6.5
・ご当地性   7.0
・達成度    6.0

まったくVshiftの意味がわからないのだが、ベガルタシフトのこと?王シフトみたいなもの?ということで全く具体性に欠いているのが難点。ただ杜の都から「杜が進む」という言葉を使っているということでご当地性に高評価。ただ、杜は進まないし越えないと思う。それと大胆にも「☆」を使うことで若年層にもアッピールということでキャッチーさもプラス。イマイチ達成しているかどうかはよくわからないが、なんか成績がよくて相手にVshiftを組まれ始めてるから、たぶん成功なんじゃないか。あと、杜ってなんだよ、そもそも意味よくわかんねえよ。


■鹿島

SMILE AGAIN with PRIDE


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・具体性    6.5
・キャッチーさ 5.5
・ご当地性   6.5
・達成度    5.5

うむ、よくわからん、と思ったのだが、説明文を読んで、「震災にあった県民のみんなと一緒にもう一度笑おうぜ!」という、けっこう具体的なコピーだとわかったのでご当地性&具体性プラス。ただ、横文字ばっかで鹿島の乾物屋のお川口富さん(75歳)とかは「すめーる?するめかい?」と戸惑うこと仕切りなので、キャッチーさはマイナス。そして、今年の低調な試合でみんなを笑顔にはできていないと思うので、達成度はマイナスでござる。しかし、このキャッチコピーは「PRIDE」の部分が蛇足であり、「SMILE AGAIN」でいいんじゃないかと思うのだが、そうなると急にJ-POP臭が出てくるのでこれはこれで正解なのかもしれない。そして、J-POP臭というか、LOVE PSYCHEDELICO臭だと気付き、彼らの曲は「LAST SMILE」であることに気付いたので、もう来年は「LAST SMILE」でいいんじゃないか。


■新潟

闘志 SPIRIT OF NIIGATA


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・具体性    7.0
・キャッチーさ 4.5
・ご当地性   6.0
・達成度    5.0

余計なことは俺はいわねえ!とばかりの直球である。ゆえにもう具体性はばりばりである。とにかく闘え、という待ったなしの宣言である。「親の葬式?それとサッカーどっちが大事なんだ?」、「怪我?そんなもん唾つけとけ」と言わんばかりのタフネス仕様。ただ、「闘志」という汎用的なフレーズのため、キャッチーさはだいぶマイナスであり、覚えられづらい。そして一応「NIIGATA」と入れてご当地性は確保しみたものの「闘志だけじゃ短くない?新潟とか入れて欲しいな」というお偉いさんの一言で入ったような浮きっぷり。そして、何よりここまで腰の引けた戦いで監督も首になるなど達成度はだいぶマイナスでござる。闘うのだ!アルビレックスよ!


■浦和

なし?

けっこう探したが見つからない。「俺たちに言葉はいらない!欲しいのは勝点だけだ!」という無言のメッセージだろうか。うん、まあいいけどさ。じゃあ、俺が勝手につけるわ。「おしゃまサッカー」でいいだろ。


■大宮

上昇宣言~リスの木登り~


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・具体性    6.0
・キャッチーさ 5.0
・ご当地性   5.0
・達成度    5.0

シーズン前の予想でないとか言ったけど、あった。「上昇宣言」ということで、「とにかく上に行きたい・・・あがれっ・・・降格争いはもうまっぴだらだっ・・・」という悲鳴が聞こえてきそうなスローガンであり具体性は抜群なのだが、その後の「リスの木登り」がまったくもって意味不明であり、相殺。だいたいリスの木登りなんかしらねーよという気分にもなるので、キャッチーさもマイナス。ご当地性にいたっては「埼玉リス関係ねえ」という重大な事実があるので(埼玉人はリス食うとかないよね?)、マイナス。そして達成度に至っては、やはり今年もボトムス争いということで、まったく達成できておりません。「リスのスーパーアリーナ登り」ならご当地性も増して、なんか壮大になるしよかったのではと思います。よくありません。


■柏

VITORIA

・具体性    6.5
・キャッチーさ 6.5
・ご当地性   6.0
・達成度    5.5

画像なし。昨シーズンからの継続でございます。「考えるの面倒だったんじゃねえの?」という邪推はさておき、そもそも体制が一緒でスローガンを毎年ころころ変えるのもいかがなものかと思うので、よいのではないか。具体性、キャッチーさともに高評価。そしてネルシーニョ柏が勝利至上主義であることも板に着いてきたので、ご当地性もプラス。しかし、今年はあんまり勝ててませんね、ということで達成度はマイナス。まあ、スローガン、かくあるべきですな。


■FC東京

C・O・A FOOTBALL


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・具体性    4.5
・キャッチーさ 5.0
・ご当地性   4.5
・達成度    6.5

「C・O・A」とは…「C」は Collective(コレクティブ):組織的に戦う、「O」は Offensive(オフェンシブ):攻撃的に戦う、「A」は Attractive(アトラクティブ):魅力的に戦う、だそうです、知るか!だいたい説明されなきゃわからないスローガンはだめだと思うので、キャッチーさは大幅マイナス。そして、意味がわかったところでよくわからないので、具体性もマイナス。おまけにご当地性は皆無という男らしい仕様。達成度はまあこんな感じで試合できてるんじゃないかと思うので、プラスしといた。まんず、東京もんはお高く止まってからに!


■川崎

一体感


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・具体性    5.0
・キャッチーさ 5.5
・ご当地性   4.5
・達成度    5.0

文化祭か!一言で表現する潔さとロゴのかっこよさでキャッチーさはぎりぎり及第点かと思いきや、一般的な言葉すぎて印象が薄い。具体性にいたっては「ガンガンいこうぜ」レベル。ご当地性はまったくないのだが、もしかしたら川崎市は一体性の塊だったりするんだろうか?そして、既に監督を交代することで一体性の欠如を自ら証明ということで、達成度も低評価。普段川崎のフロントは面白企画をばんばんやってるのに、どうしてこうなった。なんかな、みんなべろべろに酔っ払ってて「いけるじゃん!一体感!いいよ!」という偽りの一体感の中決めちゃって、あとでシラフに戻ったときでも気まずくて直せない、っていうアレか。


■横浜FM

ALL FOR WIN

・具体性    6.5
・キャッチーさ 6.5
・ご当地性   5.0
・達成度    5.5

うむ、画像が見当たらない。中々いいのではないだろうか。すべては勝利のためにというかなりの具体性と「ALL FOR ONE」からパクったことによるキャッチーさの引継ぎは高評価。惜しむらくはご当地性の欠如か。「ALL FOR BAYSTARS」とかにしとけばご当地性を確保できるのだが、いかんせん競技違いで具体性ダウン。でもキャッチーだと思う!そして、達成度は低評価。序盤に華々しく負けて監督のクビが涼しくなるなど、すべてを勝利に賭けているとはまだ言えない状況。ちなみに横浜ベイスターズのスローガンは「熱いぜ!」であり、まあこれは満点に近いスローガンなので見習って欲しい。「熱くはないぜ!」とかどうでしょうか。


■磐田

原点開起 ROAD TO CHANPION 2012


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・具体性    5.5
・キャッチーさ 5.0
・ご当地性   5.0
・達成度    5.5

よくわかりません。原点がどこにあるのかよくわからない人がほとんどだと思うので、具体性マイナス。おまけに「回帰」じゃなくて「開起」になってる。開いて起きるの?目覚ましバズーカってこと?まったく意味が不明なのでキャッチーさもマイナス。唯一わかるのがその後の「ROAD TO CHANPION 2012」の部分なので、ああチャンピオンになりたいのだな、というのがわかるが、そしたら前半いらなくねえ?そして、ご当地性は皆無。達成度はチャンピオン方面では上位争いをしてるのでオッケーなのだが、前半がわからないので達成してるかどうか不明。そしてなんか磐田はチームキャッチフレーズというのがあって、「be brave ~勇敢に」というのもあって、こっちのほうがいいんじゃないの?と思うのと、「一つにしろ」という思いの間で揺れる思い体中に感じて。


■清水

「一」 one team , one mission.


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・具体性    6.5
・キャッチーさ 7.0
・ご当地性   5.5
・達成度    6.5

力強い一本棒。すごく目を引かれるということでキャッチーさ爆発。ちょっと後半部分の「one beam」がわかりづらいが、まあたいした問題でもない(「one team」でした!w 見づらいのでキャッチーさマイナス!)具体性も一文字で十分に表現。なんか震災地っぽいスローガンだが清水はほぼ関係なし、ということでご当地性はマイナス。また現役代表級ビッグネームがいないチームの中で首位争いをしているのは、まさにチームが一つになっているというこで達成度も問題なしなんではないだろうか。惜しむらくは「」だろうか。いらなくね、これ。つけないと勘違いされそう、という不安感ですね、わかります。


■名古屋

Strong Believin' 誓いを胸に。再び。


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・具体性    5.5
・キャッチーさ 6.0
・ご当地性   5.0
・達成度    5.0

まったくわかりません。誓いがなんのことやらさっぱり。そして、ご当地性もゼロ。ゆえに達成度も不明。名古屋はなにを誓うのか、「もう試合前にモーニングは食べません」ということを誓うのか。そして、「Believin'」ってしたのはなぜだ。文法的に間違ってても「Believe」でいいだろ。あれか、担当者は「B'z」のファンなのか、ウルトラソウル!ハァイ!これでキャッチーさはマイナスなのだが、しかし、なんか最後の倒置法はキャッチー。使いたいよね、「~~~~。再び。」。「飯を食う。再び。」「おとうさーん、昼ごはんは食べたでしょー!」


■G大阪

躍動


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・具体性    5.5
・キャッチーさ 5.0
・ご当地性   5.0
・達成度    6.5


一言パターンですが、まず画像が読めない。中国の王朝かと思った。なのでキャッチーさはマイナス。一言だとありがちなのだが、具体性にも欠ける。そして、例の如くご当地性もなし。さらには達成度についてもマイナスとしたいところだが、セホーン&ロペス氏を強制送還、前監督が近場のクラブに降臨、と逆噴射的に躍動だけはしてるなあ、ということで達成度プラスでございます。これからシーズン終盤に向かって、さらに逆噴射の躍動が始まるのか。二川がハキハキと喋る、とかだともはや躍動というよりは戦慄。


■C大阪

追球


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・具体性    6.5
・キャッチーさ 6.5
・ご当地性   5.0
・達成度    6.5

なんともシンプルスローガン。ということで具体性はプラス。そして、追求ということばにかけていて覚えやすいので、キャッチーさもプラス。ご当地性はなし。しかし、よくよく考えてみるとサッカー選手は大体「追球」なんじゃないか、どのチームもやっている当たり前のことなんじゃないか、という気がしてくるので、言葉のマジックというかレトリックですな。というわけで、とりあえず今年のセレッソは球を追っているので、達成度も高評価。しかし釈然としない思いが残るのはきっと君の瞳のせいだ☆


■神戸

トモニイコウ We walk together forever


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・具体性    6.0
・キャッチーさ 6.5
・ご当地性   6.5
・達成度    6.5

なんとスローガンは2006年から継続。本来、スローガンはこうありたいものですな。トモニイコウというわかりやすく具体的な言葉とカタカナでかくことでキャッチーさを確保。、まあわがままオーナーに振り回されながら、とりあえずJ1に残ってトモに行くことには成功してるのではないか。ご当地性はないものの、「このスローガンは神戸」ということがわかって、非常によろしいのではないだろうか。ただ、難点としては、「トモニイコウ」とカタカナにすると「モニワトイコウ」という不吉なフレーズが頭の中に浮かんできてしまう。俺だけか、そうか。


■広島

団結 WE FIGHT TOGETHER 2012


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・具体性    5.5
・キャッチーさ 5.0
・ご当地性   5.0
・達成度    6.0

体育祭か!実に普通のスローガンでござる。具体性はあるようでなく、見た瞬間に忘れていくキャッチーさにしおしお。おまけにご当地性はなし。「なんか出しときゃいいんだろ?」というルーティンワークが垣間見えまする。とにかく団結はしてると思うので、達成度は普通。ただ、広島カープのスローガンが「破天荒」なので、それに比べたらずいぶんとましだと思います。プロチームで破天荒て。危険球連発とかかしら。


■鳥栖

超!結戦


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・具体性    5.0
・キャッチーさ 7.5
・ご当地性   5.0
・達成度    6.0

「なにを言ってるのか、よくわからない・・・」。まずこんな感想が出てくる時点で具体的じゃないぜ!とりあえず説明を読んだのだが、「さまざまな限界を超えるために、そして単なるスポーツという枠を超えて」といきなりスポーツの枠を飛び越えてしまった。大丈夫か、鳥栖。しかし、得体の知れない勢いを感じることは確か。「超!シミュレーション」とか「超!監督の横分け!」とか「超!トヨグバ!」とかどんどん超!使ってったらいいのではないか。鳥栖もよくからん勢いがあるので超!達成でまじ超!鳥栖であり、チョトスはブルボンのお菓子で甘くてパサパサしてる。



さて、全体的な評価としては、意味わかんないのが多かった。特にFC東京、仙台、磐田、名古屋はなに言ってんのってレベル。説明が必要なスローガンはまずいと思う。それとパターンとしては一言パターンと、英語+説明文というのが多かった。一言パターンで一般的な言葉だと印象が薄く、英語+説明文だと「なげえ」となってしまうことが多く見受けられた。なのでやはりセンスということになるのかな。実も蓋もないですが。その中でも清水、札幌、鹿島あたりがステキですね。

そして、神戸、柏の継続パターンはやっぱりしっくりくる。毎年変えることが、スポンサーとメディア対応の面からはわかるのだが、やはり言葉は力ということで、クラブのスタイルを継続的に言葉からあらわしていくのもいいんではないだろうか。話は変わるが、「Jスローガンに見るクラブの広報意識の変化」っていうの、社会学あたりなら卒論いけそう。


というわけで、勝手に表彰をします。



■優秀スローガン賞

清水 「一」 one team , one mission.


■なにいってんのかわかんないで賞

FC東京 C・O・A FOOTBALL


■よくわからない勢いを感じるで賞

鳥栖 超!結戦



鳥栖はもう未来永劫このスローガンでいいと思う。超!
J2は気が向いたらやります!