J1第16節 鹿島-FC東京 「今の王者」 | picture of player

J1第16節 鹿島-FC東京 「今の王者」

久々のJ1レビューです。両チーム、日曜のクソ暑い中ご苦労さん。

■鹿島4-1FC東京
■短評
湿度88%という凄まじい状態で、カシマスタジアムは霧の中。どこのサンシーロだ。鹿島はほぼ不動のメンバー。キーパーがアゴ、DFが右から内田、岩政、大岩、新井場、MFの底に青木と小笠原、前に野沢と本やん、トップがマルキーニョス&田代。対するFC東京はGKに塩田、百姓がいないDFラインは、右にルーキーの椋原(むくはら、と読むそうです)、中央に茂庭と佐原、左に徳永、ボランチに梶山&今野その前にエメルソン、羽生の機動兵器、1トップにはカボレでその下には僕190の平山相太くん。

ていうか、よく見えねえ(笑)。こんな霧の中で試合が出来るもんなのか。ともかく、試合自体は攻守の切り替えが早く、面白い展開。前半の主導権はどちらかと言えば鹿島か。FC東京は、羽生&エメルソンという走れる選手が加入したこともあり、昨シーズンとは生まれ変わったかのように早いプレッシングをかける。おー、おー、平山までプレッシングが早くなってる。しかし、鹿島の技術力のある中盤から前の選手は、二人、三人とくるプレッシングを掻い潜って、ボールを前に運んでいく。東京の戻りが早いので決定的なチャンスには至らなかったが、そこから高い位置を取る両サイドバックが絡んで危険な香りを漂わせていた。後はフィニッシュか。ただ、FC東京も悪くはない。ボール狩りが成功したときには平山が起点になってボールを捌き、羽生、エメルソンの上がりや両サイドバックの飛び出しから少ないチャンスを作っていた。やっぱねえ、平山は前向かせてなんぼだよね。ただ、鹿島の中央も固く、得点には至らない。スコアレスのまま、後半に。さて、振り回されたFCが耐えられるか、それとも一刺し出来るか。

FC東京は後半からむっくんが下がって、百姓がin。サイドを蹂躙されたわけではないが、まあ新井場との戦いは後手後手だったんで、しょうがないか。デビュー戦にしてはよかったんじゃないでしょうか。さて、後半。ペースはやはり鹿島。ある程度のポゼッションはFC東京にさせていたが、縦への鋭い攻撃でたびたびゴールを脅かす。怖いね、マルキーニョスは。しかし、今日は塩田が当たってる。この人は当たってるところしか見たことがない。これはやっばいなあ、と思っているところで、スロイーインから徳永が入れたボールをカボレが落とし、平山がシュート。これはアゴが止めるが、こぼれ球を平山が拾って体を張って、カボレにパス。それをカボレがしぶとく押し込んで、FC東京が先制。わかんねえなあ、サッカーは。鹿島は慌てて田代と野沢を下げ、ダニーロ氏と興梠を投入。さあ、面白くなってきたぞ!というところで、PA内で興梠が受けたボールをヒールで流し、マルキーニョスが押し込んで、同点。この間、わずか3分。なんなんだ。そこからは完全に殴り合い。広がった中盤を機動力のあるMFががんがん押し上げて、ほとんどがゴール前の場面ばかり。もうちょっと考えてゲームやれ、と思うが、このコンディションじゃどうしようもないか。どちらに点が入ってもおかしくない展開ではあったが、そこはさすがに地力のある鹿島。サイドからの30分にサイドからのグラウンダーのクロスを本やんが押し込んで、鹿島が逆転。FC東京は赤嶺、大竹を投入するも及ばず、鹿島は中田浩二を投入し、最後に興梠、ダニーロがダメ押し。4-1で試合終了。ていうか、霧どうにかしろ、最後の方ほとんど見えねえ(笑)。

FC東京はよくやっている。内容もあるし、志がある。ただ、そろそろ息切れか。プレスを掻い潜られると、途端に苦しくなる。そして、少ないチャンスを決められるタレントがいない。手数で勝負のチームが手数を出せないと、こうなります、という試合か。この試合のように中盤を支配されてもゲームを作ることができるのは明るい展望だが、正直に言うと塩田のビッグセーブに助けられた面は多い。こういう試合をすることは城福氏も本意ではあるまい。ただ、これからのチーム。平山、梶山、長友、赤嶺など、若い選手が多い。鹿島はおそらく今が全盛期。FC東京の上昇曲線と鹿島の下降線がいつ交差するのか。まあ、城福さんがそれまでいるとは限らないけどね(笑)。うまくいってない某代表とかに引っ張られそうだし。

鹿島はまあ、磐石。中盤の技術で圧倒し、前線の動きもいい。DFも安定感がある。ただ、上でも書いたが、おそらく今がピークに近いだろう。年齢的にもそういう選手がそろっている。小笠原、本山、新井場などの年齢が上がるにつれて、チームは中々うまく回らなくなってくるだろう。そこをどう回転させるか。世代交代はうまいほうだが、今回はどうやっていくのか。今ではなく、次のサイクルをどうやって回していくかはフロントの手腕が問われるだろう。まあ、でも今年は優勝に一番近い。ただ、中盤優位に立っている前提でのこの戦術が、あんまり代表向きではないことは確か。そりゃ代表に鹿島の選手は選びにくいわなあ。


■picture of player 平山相太
五輪代表から完全に落とされ、失意のどん底から復活。1トップ下という難しいポジションを、抜群のキープ力と意外なパスセンスでチームの原動力となっていた。サポートしている羽生&エメルソンの機動力が大きいこともでかいが、彼自身の努力もあって運動量が出てきたこともやはり大きい。プレーがうまくいってることもあって、シュートの積極性も出てきた。やっぱねー、ポストプレーヤーじゃないんだよなあ。のたのた加減がいい味に見えてくるから、不思議。なんか五輪代表落ちて、精神的にも重荷がとれたのかなあ。ともかく、俺たちが君に見た夢はこんなもんじゃない。まだまだ、もっともっと。